輝く星々の彼方へ
亀です。更新が遅くなって申し訳ありません。ポケモンGOのせいではないのです。きっと。たぶん。
今日はミリカもシェールも神殿の方に行ってくれている。そして、ランちゃんは、仕入れに出ている。
そして、るーたんも街にポチと、お出かけするようだ。
「パパ、じゃ、ラフたん、お願いするん。」
「おじいちゃんの言うこと聞けよ、ラフたん。」
ポチが言う。えーと、おじいちゃんって俺のことだよな。ま、それは本当なんだが、12歳で孫がいるっていうのもどうかと思うぞ。ま、いいか。
「じゃ、おじいちゃんと一緒にいようか。」
「うん、おじいちゃん。」
コクっとラフたんが頷く。かわええのう。
俺が赤ちゃんたちと遊んでいるとスーザン博士がやってきた。珍しいな。
「アテナ様とアルテミス様に聞いたわよ!あなたたち、創造の柱を見に行ったんですって?」
「へ?なんですか?それ?」
俺が困惑していると、ガブちゃんが、やれやれといった感じで頭を振った。
「ダァ!ダダ!」
「え?そうだっけ?」
「お父さん、そんなことまで忘れちゃったの?」
「おじいちゃん・・・・・・・。」
ま、まずい。親の威厳もお爺さんとしての威厳もなくなってしまう・・・・・。でも思い出せないんだけど、なんだっけ?
「悪いんだけど、創造の柱まで行って欲しいの。」
「ほう。アテナ様とアルテミス様じゃダメなんですか。」
「どうもお忙しいらしくて・・・・・。」
絶対めんどくさいからだな。
「ダ!ダダ!」
「ガブちゃんがいうには、アテナ様やアルテミス様と違って、ガブちゃん達だと時間がかかるらしいですよ。」
「かまわないわ。それにできたら、この宇宙の果てにも行きたいし。」
「ダ?」
「ガブちゃんによると、果てはないらしいですよ。どうもよくわからないんですが、この宇宙は膜のようになっていて、それが、他の宇宙と重なって存在しているようです。って、なんのことだろう???」
俺はちょっと混乱した。
「ダ!」
ガブちゃんが、かわいそうなものを見るような目で俺を見て、ポンと肩を叩いた。親の威厳が・・・・・。
「じゃ、時間がかかるなら、サンドイッチの用意もしますか。」
「お父さん、ボク、スーザン博士は、お肉食べないからね。」
「ダ!」
「わかっているって、ガブちゃんはミルクね。」
「おじいちゃん、のぞみちゃんも連れてこう。」
「わかった。」
俺は、サンドイッチとおにぎり、そしてミルクをカバンに入れた。のぞみちゃんのカリカリも用意する。
ちょうどのぞみちゃんが帰ってきたので、一緒にいくように頼んだ。
「あ、これで最後だから、ちょっとまってろ、うなぎ。」
そして、のぞみちゃんは、飛び出していった、と思ったら帰ってきた。早いな。
「おじいちゃん、のぞみちゃんも跳ぶ力になってくれるよ。」
ラフたん、物知りだな。
俺はのぞみちゃんを頭に乗せた。
「スーザン博士、じゃ、行きますよ。しっかり、つかまっていてくださいね。」
赤ちゃん達と、のぞみちゃんが力を集めている。そして、俺たちは跳んだ。
渦状星雲の端の方に俺たちはいた。ここら辺は、少し星が少なくて寂しい。スーザン博士はちょっと気持ち悪そうだ。
「この跳躍、なかなか慣れないわね。」
「まあ。慣れると結構楽しいですけどね。」
「ダ!」
「じゃ、一気に銀河の中心まで飛びますよ。そこにもクエーサーが存在するそうです。」
「おじいちゃん、そのあと、隣の銀河にも行こう。」
「お父さん、そのあとは、超銀河団も見に行ってみる?」
「うなぎ、どうでもいいけど、これ、すごく力を使うから、俺にも力をくれ。」
俺はみんなに力を供給した。そして、俺たちは、跳躍した。
光がまばゆく輝いている。恒星がひしめき合っている。しかし、それよりも大きい光が中央のブラックホールから立ち上っている。恐ろしいぐらいのエネルギーだ。
「す、すごい、実際に見るとものすごいわね。」
「ええ、これだけ見ると、宇宙が終焉に向かっているなんて信じられませんよね。」
「ダ!」
ガブちゃんが、空中から携帯スーパーコンピューターを出した。えーと。どゆこと?それをスーザン博士に渡した。
「こ、これ、わ、私のコンピュータ。しかも私のデータまで入って・・・・・・。」
スーザン博士は観測に夢中だ。しばらくかかるだろうから、俺たちは、ここで食事かな。
ミルクを赤ちゃん達に渡すと喜んで飲んでいる。のぞみちゃんにはカリカリだ。スーザン博士には、片手で食べられるノリの佃煮のおにぎりを渡した。夢中になって観測の間に齧っている。俺は、サンドイッチを齧ってコーヒーを味わった。しばらくすると、スーザン博士は満足したようだ。
「ダ!」
「ガブちゃんがいうには、共時的にいろいろなクエーサーを観測するのもいいし、通時的に、この場で、クエーサーの最後を見てもいいそうです、ってどゆこと?」
「ダァ・・・・・」
なんだか同情された。ま、いいか。
「そ、そんなことが可能なの?」
「ガブちゃんだけじゃできないけど、ポルックスとラフたん、そして、のぞみちゃんがいるから、なんとかできるかもってことです。」
「も、もしできるなら、この場で、終焉を観測したい。」
俺はみんなに頷いた。するとみんなが輝き始めた。
恒星がすごい勢いで動き出す。クエーサーから出る柱が巨大になる。周りの恒星も全てブラックックホールが取り込んでいるのだ。
「大質量ブラックホールの餌が少なくなってきたわ。これで、終わりから。」
「違いますよ。あちらをご覧ください。」
ゆっくりと、しかし確実に隣の銀河が近づいてきている。
「ダダ!」
「ここからは、10分が1億年と同じ速さだそうですから、よく見ていてくださいとのことです。」
銀河がゆっくりと近づいてくる。こちらの銀河よりも大きいため、その大きさはもう耐えられないほどの威圧感がある。そして、2つの銀河が衝突した。周縁部分はスカスカなので、問題はなかったようだが、それでも重力で軌道が変わってしまい放り出される天体が多く出ている。この中心では、多くの恒星が大質量ブラックホールの餌食になっているようだ。
2つの銀河は、すれ違い、そして引き合い、巨大な銀河と姿を変えた。以前のような整った形ではなく、茫洋とした広がりを持つ銀河だ。そして、幾つかのブラックッホールが引き合わされ、さらに巨大なブラックホールへと成長していく。
「ダダ!」
「ガブちゃんが向こうを見て、と言っています。」
すると、超銀河文明の人類達が大船団を組んで、自分たちの星をいくつか持ち出して、ブラックホールから遠ざかっていく。
「ダダ!」
「これからは、俺たちも少し離れた方がいいようです。」
「おじいちゃん、動くよ。」
俺たちはかなり離れた場所からクエーサーを見つめる。光はどんどん消失していき、銀河はどんどん暗くなっている。
気がつくと、銀河は、すごい勢いで動いており、隣の銀河は既に肉眼でかすかに輝く染みになっている。
気がつくと、この銀河も死にかけている。気がつくと、存在するほとんどの星はブラックホール化している。しかし、ブラックホール自体も、互いに食い合い、吸い込むものがなくなると、徐々に活動が緩やかになる。
「ダ!ダ!」
俺たちは、少しまた、離れる。すると、先ほど離れていった大船団に追いついたようだ。しかし、この大船団も活動はほぼ停止しているようだ。
「オメガポイント・・・・・」
「はあ?なんですか。それ。」
「この死につつある宇宙で、有限の時間から無限の時間を得ようとする最後のあがきね。」
「えーと・・・・・・??」
「あなた達がやろうとする根本治癒と違ってその場限りのあり合わせの治癒。でも、いつかは、終わってしまうけど・・・・・・。この生命体とコンタクト出来るかしら。」
「おじいちゃん、この人たち、生命活動をものすごく落としているから、同じ速度にしないと、コンタクトできないよ。」
「やってみるか。」
俺は、鉄の構造体の中に移動した。すると、ほとんど全ての生命体が生命コンピューターの中で生活しているようだった。そして、守り手を俺たちはみつけた。それは・・・・・・俺が以前進化させたアメーバ状の生命体だった。
弱々しく近づいてきたアメーバは、俺に触れると、震えた。そして、なにかを伝えようとしている。
「これで、話せるようになったはずだ。」
「あ、あなたは、もしかして、神様ですか。戻ってきてくださったんですか。」
「うん、まあ、神かどうかは、ともかく、みんな、このコンピュータの中にいるんだね。」
「ええ、でも、いただいたエネルギーがあれば、みんなを起こすことも可能です。その中には、実際に神様に出会ったことがある長老もいるはず。お待ちください。」
すると、コンピューターの前にもう1人のアメーバが実体化した。アメーバは驚いたように震えた。俺は、力を分け与えた。
「か、神さま、相変わらず、神々しい。覚えていらっしゃいますか。イシュメルでございます。神様に一番最初に進化させていただいた個体から最後に分裂して、神様に生命の水をいただいた。」
「お父さん、生命の水ってなに?」
ゲ!これはしられてはならない。俺は、ごまかした。
「なあ、観測データとか、分けてもらえるかな。」
「もちろんでございます。神様。しかし、どうして。」
「俺たちは、この世界を再生しようとしているのさ。」
「こ、この宇宙を?」
「ああ。でも、このままじゃ、ジリ貧だよな。よし、時間をさかのぼって、元気な宇宙にもどるから、そこで生活しな!」
「え?一体どうゆうことでしょう????」
俺はガブちゃんに頷いた。
「ダダ!」
窓から見る宇宙がみるみる若返っていく。そして、大銀河が再び2つの銀河へと分裂した。遠ざかっていく銀河。
「どうする?向こうの銀河に行きたい?それともここでいい?」
「あああ、神様・・・・・・。」
ぷるぷると、震えるアメーバ。感極まったようだ。
俺たちは、若返った銀河の腕の端へと移動した。そして、美しい恒星の近くにある二重惑星の近くにそっと、大船団を止めた。
「ここで、生活するといいよ。2つの星が新しい故郷になってくれるはずだ。じゃ!」
「あ、お待ちください。」
イシュメルは、守り手に向かって頷いた。守り手は、生命コンピュータと一緒に船を降下させた。そして、上陸船で、俺たちも惑星へと降り立った。
美しい星だ。まるで、俺たちを待っていたようだ。
「待っていたのよ。」
うわ、メーちゃん様だ、お久しぶり。
「ここ、私が作ったの。実は私の故郷よ。」
「へ?どゆこと?」
「こゆこと。」
メーちゃん様は、アメーバの形へ姿を変えた。
「実はあなたが私たちの神様。でも、私があなたたちの神でもある。こういう風に因果律は働いているのよ。」
メーちゃん様は、俺を抱きしめた。
「ああ、神様の味、おいしいわ。じゃ、またね。」
メーちゃん様は、光り輝くと消えた。
どうやら、長老が、みんなを生命コンピュータから実体化させたようだ。ものすごい数だ。半分は、向こうの惑星に移ることになるだろう
俺は全員に、力を放射した。みんなが、話せるようになり、口々に感謝をしている。俺は、イシュメルに触れると、イシュメルを記憶を持ったまま、まき戻した。
「か、神様、こ、これは?」
「イシュメル、まあ、君たちにもできるのかもしれないけど、その体、若くしておいたから。しかも以前より、ずっと性能は高くなったと思うよ。じゃ、頑張ってこの国を治めてね。」
「か、神様、ありがとうございます・・・・・・。」
イシュメルは2つに分裂した。この2人が、これから、この王国を一緒に統治していくだろう。
俺は、赤ちゃんたちに向かって頷いた。そして、俺たちは跳躍した。
猫カフェに戻ると、みんな、何も言わずにベッドに倒れこんだ。
スーザン博士は、アメーバ達の観測データと、今度の観測データのおかげで1、2年は忙しくなると嬉しそうだ。
「じゃ、またね。何かわかったら、来るから!じゃ!」
そして、研究室にこもるために、足早に去っていった。
赤ちゃん達は、疲れたのかスヤスヤと寝ている。そガブちゃんのベッドに、疲弊したのぞみちゃんも丸まって寝ている。
俺は、電気を消した。
「パパー、ただいまん!あれ?もうみんな寝ちゃったの?」
「うん、今日のピクニックは、ちょっと長めだったからね。」
「あああ、いいなあ。私も連れてってねん。」
「ああ、もちろんさ。ポチも一緒にね。」
俺はポチに手を振ると、外に出た。もうすっかり外はくらい。星空が美しい。あそこにいたんだなとちょっと信じられない思いで、星々を見つめる。あの美しさをいつまでも保ちたいな。俺はそう思った。宇宙再生か・・・・。俺はため息をついて、イシュメル達に思いを馳せるのであった。
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