熊の幽霊がきたクマ!
亀です。いつも遅くて本当に申し訳ありません。
午後、猫カフェの喧騒が収まった頃、赤ちゃんたちを見に行く。みんなスヤスヤ眠っているだろうと思いきや、カストルは、目をぱっちり開けて俺のことを待っていたようだ。
ミリカが微笑んだ。さあ、お父さんに言いたいことあるんでしょう?すると、もじもじしていたカストルが、はっきりとこういった。
「お父さん!抱っこ!」
おおお、カストルが話し始めた。もちろん、今までも喃語で通じてはいたのだが、いきなり、きちんとした言葉で話し始めたのには驚いた。
「いいかな?」
俺はミリカに了承を得た。ミリカが優しく微笑んだ。他の赤ちゃんたちを見ていてくれるようだ。
カストルを抱っこして、外に出た。暖かい秋の日差しが優しく我々を包み込んでくれる。秋の風は、独特で、秋の匂いを運んでくれる。
「お父さん、気持ちいいねえ。」
「そうだねえ。」
俺たちは、石段に座って、ぼおっと日向ぼっこをする。急にカストルがバタバタして、腕から逃れると、トンボを追いかけ始めた。飛んで追いかけてるんだが、順番がめちゃくちゃだよな。
ちょっと追いかけて満足したカストルは、腕の中にすぽっと収まった。
「じゃ行こう!」
そして、いきなり、俺たちは次元を超えて別の世界へと旅立った。なぜだ。げせぬ!みんなには、もっと普通の散歩をしてもらいたいと思う。
すると、目の前に、ミケとポルックスが立っていた。
「あれ?タクト。どうしたの?」
「いや、実はね・・・・・」
「お母さん!ポルックス!」
カストルが大声で叫んで嬉しそうに、そちらへ飛んで行った。うーん。歩こうか・・・・・。
ポルックスも飛んで、2人はぐるぐると嬉しそうに空中でダンスのようなものを初めて、ポスっと、カストルがミケの腕の中に、ポルックスが俺の腕の中に飛び込んできた。
寂しかったのかな?
俺たちはそのあと、俺たちに起こった色々な出来事を話した。気がつくと、もう夕方だ。まあ、店はランちゃんが切り盛りしてくれているだろうけど、夕飯の支度をしないとな。そうだ。
「なあ、ミケ、久しぶりに、猫カフェで食べないか。」
「いいアイディアにゃ!」
俺たちは猫カフェに戻った。するとみんなが歓迎してくれた。約1名をのぞいて・・・・・。
「キーッッッ!私より綺麗な人がまた1人!」
「だれにゃ、このかわいい女の子?給仕さん?」
「カ、カサンドラよ。あ、あなたはだれかしら?」
「タクトの妻にゃ!」
「なんで、こんなへぼい奴にこんなに綺麗な奥さんが何人もいるのよー!」
うるさい。せっかくの家族再会なので、悪いけど、時間を止めて彫像化した。
俺たちは、皆で、楽しいひと時を過ごした。
ミケが帰ろうとすると、ポルックスは俺に、カストルはミケにしっかりとしがみついた。
「じゃ、今度は、反対に、ポルックスをお願いするにゃ!」
「ああ、カストルをよろしく。また、来てくれよ。」
2人は元の世界に戻っていった。
翌朝、彫像化した、カサンドラをすっかり放置していたことを思い出したので、服のまま、温泉につけておいた。そして、彫像化をといた。
「ギャー!!!な、なにこれ?」
「どうした?」
「い、いきなり温泉に・・・・・」
「あ、それはいけない。あんまり、美醜について、ガタガタ言うから、ここに住んでいる幽霊さんに、怒られたんだな。」
「ゆ、ゆうれいさん??」
「ああ、その女の子は、綺麗すぎて、いつも自慢していたら、神様がおこって、とても恐ろしい熊に変えてしまったんだ。それを悲しんで、熊は、美しい女のこを見ると、さらって、冷凍庫で氷漬けにしてしまったのさ。熊がいなくなってから、女性たちは発見されて助けてもらったけど、もう何十年も経ってしまって、知り合いは一人もいなくて、みんなわんわん泣いたってさ。それで、今でも熊の幽霊は、美醜を気にする女性をさがして・・・・・」
「そ、そんな、う、うそでしょ!」
「わあああ、う、後ろに熊の幽霊が・・・・・・・」
「ギャー!!!!!」
そのあと、カサンドラは布団をかぶってガタガタと震えながら、幽霊怖い、幽霊怖いとつぶやいていたそうだ。それから、あまり美醜のことを言わなく・・・・・なったような気もする。まあ、カサンドラだからな・・・・・。
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