コシチ、危機一髪!
亀です。いつも遅くて申し訳ありません。
「も、もうだめです・・・・・。」
「ど、どうしたコシチ!」
俺は、夜中に跳ね起きた。これは予知夢だ。コシチの危機が危ない!俺はちょっと錯乱した。
ガブちゃん!
「・・・・・・・・・・・・・・ダ?」
俺は、急いでガブちゃんをお包みに入れて、背中にしょった。
次に向かったのは、のぞみちゃんのところだ。
「のぞみちゃん。のぞみちゃん!」
「ふわ・・むにゃむにゃ・・・・おねえちゃん。かわいいねえ。いくつ?」
「のぞみちゃん!のぞみちゃんってば!」
「え、10歳?それじゃ、ちょっと大きすぎるかなあ。4歳から9歳までだったらよかったんだけど。むにゃむにゃ。」
知りたくなかったのぞみちゃんの素顔。俺は、のぞみちゃんをカバンに入れた。顔は出して、落ちないようにする。中は、毛布が入っているので、運んでも問題ないだろう。
本当はぴょん子さんも誘いたかったが、しかたがない。これで、よしとしよう。俺はダンジョンへと急いだ。
途中、顔見知りのケンタウロスがやってきたので、事情を話して背中に乗せてもらった。
「コ、コシチ様に危険が?」
「うん、そうなんだよ。それで、駆けつけているところさ。」
「そ、それはいけませんや。お、おいらもみんなを集めまさあ。」
「まあ、俺たちで解決できると思うんだけど・・・・ね。」
ケンタウロスは、俺をみて、ガブちゃんをみた。そして、むにゃむゃ言っているのぞみちゃんをみた。
「あああ。キスは順番を守ってよ。むにゃむにゃむにゃ。」
「や、やっぱり、お、おいらもみんなを集めまさあ。」
逆効果だったようだ。俺たちを見て心配の色が濃くなったぞ。ダンジョンに着くと、ケンタウロスは、すっとんで、みんなを集めに行った。
ダンジョンはなぜかシンとしている。誰もいない。
俺はダンマスの部屋に行った。そこには・・・・・・。
「も、もうだめです・・・・・。」
倒れているコシチがいた。
「ど、どうしたコシチ!だ、大丈夫か!」
「ボ、ボクは、もう、だ、だめです。ガクリ・・・・・・。」
「コシチー!!!!一体何が起こった?」
すると、暗闇から声がした。
「ふふふ。これで倒れるとは軟弱な!」
「お、お前!」
すると、影から出てきたのは、案の定アンだった。お前なぁ。最近、猫カフェこないと思ったら、こんなところで充電していたのかよ!
「ククク。こんなかわいがり方で倒れるなんて、軟弱もいいところ。四天王最弱の称号をあげましょう!」
「ちょっと待て、後の3人は誰だよ!」
「誰でもいいのです。クククク。そおれー。すりすり、すりすり〜。」
「やめんか、アホー!」
なんてこった。確かに助けに来て正解だった。でもさ、これはないんじゃないか?
俺は得意の簀巻きの術を使ってアンをぐるぐる巻きにして、うるさいから猿轡もした。その瞬間、部屋に大勢のモンスターがなだれ込んできた。
何これ?
「コシチ様、大丈夫ですか!」「コシチ様、助けに来ました!」「コシチ様、死なないで!」
コシチは弱弱しく、片手を天に突き上げた。
「おおおお、我らがコシチ様はご無事じゃ!」「誰だ!コシチ様をこんなにしたのは!」
ヤバイ。俺はとっさに、話し出した。
「みなさんありがとう!ここにいるコシチと、ガブちゃん、そして、のぞみちゃんの大活躍で悪は滅びました!我ら四天王の大活躍で、全て、処理できました!」
うおーという声がする。
「ここにいる女性は人質にされていたのですが、コシチの大活躍で助け出されたのです。」
「うへへへへみんな、キスしたいのか、並べ並べ〜。」
のぞみちゃんが、寝ぼけて、大声で叫んだ。するとなぜか、顔を赤らめた女性のモンスターがいそいそと並び始めた。はぁ?
「一番最初に並んだやつは俺の奥さんにしてやるぞぉ〜。」
のぞみちゃんが寝ぼけて大声で叫んだ。
その瞬間、みんなが我先にと争って並びだした。ちょっと待て、なぜか男のモンスターも前に並ぼうと争っている。愛が人種(?)も性別も超えた瞬間を俺はみた。しかし、ある意味、見たくなかった・・・・。喧騒が激しくなった。
それで起きてしまったのか、寝ていたガブちゃんが、起きて一言叫んだ。
「ダ!」
すると、みんな消え去った。や、やばい・・・・・・・。
「え、えーと、みんなはどこにやったのかな?」
「ダダ!」
「え、うるさかったから、元の場所に送り返したって・・・・・・・。し、死んでないのね。だ、だったら、ま、いい・・・・・か?」
その後、ダンジョンの四天王のすごさが、皆に広まっていったのだが、これが、ガブちゃんの寝起きでいらついたことから始まった伝説だとは誰も知る由もなかった・・・・・・とさ・・・・・これでいいのかなぁ??
これからもよろしくお願い致します。