ガチャ再び
亀です。すみません。更新が亀です。短めですが、よろしくお願いいたします。
「はあ?また、ガチャを復活しろだと?」
「そうよ!」
「あのなあ、今、やっと俺たちのこのフィギュアは、軌道に乗ったの。もうガチャで荒稼ぎしなくてもいいの。」
「でもさ、例えば、フィギュアの何十分の1の値段で、小さくても似たようなものを手に入れられるっていうのはよくない?あんたらのフィギュアは高いから、小さい子供でも集められる値段にしない?」
「たしかに、一理あるな。スミス殿にきいてみるか。」
俺は、重い腰を上げて、スミス殿と俺たちの工房に出かけた。ドアを開けようとすると、中から声がした。
「あーんなんだな。」「はい、スミス様。あーん」
きゃははうふふと、スミス殿とカトリーナがじゃれていた。うーん、出直した方がいいのだろうか?するといきなり、後ろから、声がした。
「ああーいいないいなー!私たちもちゅーしましょ!ちゅー!」
「ば、ばか!声がでかい!シェール!」
「きちゅ!きーちゅ!」
「あ、だ、だれかいるのかなー?」
しかたなく、俺たちは中へ入った。シェールのあほ!
「な、なんだ、タクト殿なんだな。驚かしちゃだめなんだなー。」
「そ、そうですわ、お父様。ダメなんですからね。」
「でもいいなーボクもお二人みたいに仲良くしたいー!」
「シェールは、黙ってようか。話がややこしくなるからね。」
「じゃ、ちゅうー!ちゅうー!」
「後で!後で!」
「いま!いま!」
いきなり、シェールが吸い付いてきた。そして、へへへへへーと誇らしげだ。なぜか、スミス殿とカトリーナの目が泳いでいる。うーん。
「うーん、まあともかく、これで落ち着いたなら、ちょっと静かにしててね。」
「はーい。」
シェールはちょっと満足したのか、静かになった。ただ、両手で俺の手をとってベタベタしている。うーん。
「え、えーと。」
俺はサーシャに聞いたことを提案してみた。
「な、なるほど、そ、それは、いいアイディアなんだな。型に入れて作れば、ぐっと値段も下げられるし。」
「でさ、せっかくだから、新しい商品のリサーチや、プロモートにも使えないかなって思って。」
「なるほど、それはいいアイディアなんだなー。前に出したシリーズもミニチュアで出して、再販するかも決められそうなんだな。」
俺たちは細部について話し始めた。シェールが退屈しきったのか、こっくりこっくりし始めたので、カトリーナが気を利かせてシェールを猫カフェに連れて行ってくれた。
俺たちは、その間にゆっくりと、細部と計画を決めた。そして、ガチャも、すべてスケールを統一すること。メインのフィギュアと、装備は分けてガチャにすること。そして、できれば、ガチャのためのジオラマも大当たりで出す方向で検討した。ところが、これが、熱を煽ってしまうとはその時思ってもいなかった。
「あんた!今度は何やったのよ!」
サーシャが怒鳴り込んできた。なんだなんだ。どうやら、開店前の猫カフェの前に人が大勢列を作って待っているらしい。なんだなんだ?
見たらケイトやアンまで並んでいた。
「なんで並んでいるの?」
「何言ってるんですか!今日からスミス殿のミニチュアガチャが出るっていうんで並んでいるんです。」
「タクト殿!私が、あたりを引き当てるぞ!」
うーん、こんな状態は想定していなかったな。
なんと用意していた分は、20分で瞬殺となってしまい、大混乱。その日から泣きながら夜中まで機械をスミス殿と稼動させなくてはならなかった。もうサーシャの提案なんか聞くもんか!!!
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