宇宙の再生の試み
亀です。皆さん、いつもありがとうございます。
「スーザン博士!」
なんじゃの、質問かの!黙っとれ!あたしゃ、今、忙しいんじゃよ。」
「宇宙の終わりについてのモデルでしょ?」
「ど、どうして知っとる。お前、さては、ほかの大学のスパイか?」
「違う違う、これ、見てよ。おい、ラムダ!」
ラムダがそっと、スーザン博士に数式を渡す。
「こ、これは、私が作成しているモデルの証明式、しかも、終わっている?な、なぜ?」
「なぜも何も、来年博士が出版する本のマニユスクリプトだってば。それに、このラムダ、博士が作ったロボットの10世代後のモデルだよ。最終モデル。」
「うお、言われてみれば、全然違う・・・・・・。なんじゃ、お前ら。」
「神様の使いさ。今から、博士に見てもらいたいものがあるんだ。コシチ!」
「はいらろ。」
俺たちは、ジャンプして、宇宙の終わりを目にしている。
「こ、これは???」
「文字通り、宇宙の終わりさ。これで、俺たちが神の使いだって信じてくれた?」
「し、信じられん。あたしゃ、ついに気が狂ったのか。いや、かのアイザック・ニュートン卿も、アルベルト・アインシュタイン博士も、神の存在を信じていた。しかし、なぜ、今なんじゃ!」
ぶつぶつうるさいな。
「いやいや、神がいるなんて。そんなわけはない。」
「あ、このコシチは、神だよ。まだなりたてだけど。」
「こんちは!」
「・・・・・・・・・・・・・ところで、全知全能の神がわしなんかになんの用じゃ!」
「助けてほしい。」
「はあ?神を、あたしが?」
俺は頷いた。
「助ける?バカをお言いでないよ!こんなことができるあんたが、理論物理学者になんのようだい。」
「スーザン博士。あなたは、あさって、死ぬよ。心臓麻痺で。これ終わらせた後で。で。このマニュスクリプトが発見されて、恒星宇宙飛行のナビに多大な影響を及ぼすんだ。しかし、最後の、宇宙の終焉についての謎は解かれずじまいだ。」
「な。なんじゃと????」
「で、俺があんたを巻き戻して、理論を完成させる。そうすれば。まやってみたほうが早いか。」
俺は、知識はそのままに、スーザン博士を巻き戻した。あ、やりすぎた。18歳ぐらいになっちゃった。結構キュートだったんだね。
「なんじゃ、なんじゃ。おわ、め、目が見えん。」
「メガネはずさないと。」
「なんてこった!目がよくなっとる。」
「だからメガネがあるとみえなかったのさ。」
「で、これから何をすればいいんじゃな?」
「俺たちと一緒に、世界を救う術を考えてほしい。」
俺は包み隠さず説明した。世界の終わりを止めるために俺たちが存在すること。神が足りないこと。全ての次元に神を行き届かせたいこと。
「ふーむ。神は全能であって全能ではないのか。」
「ところで、この宇宙の死をなんとかできないの?」
「無理じゃな。必要がない。」
「うん?どういうこと?」
「お前だって、古い製品は大切に使ってもいつか買い換えるだろ。そういうことじゃ。」
「つまり、新しい宇宙に引っ越して、古いのは捨てろと。」
「端的にいえば、そうじゃな。宇宙は広い、同じ可能性を持った宇宙など山のようにあるじゃろ。それこそ、そこに移動するだけじゃ。」
「それでも、古い宇宙を使いたかったら?」
「だましだまし使うんじゃな。そして、指をクロスして唱えるんじゃ。神様、助けて、とな。ふぉほほほほ。」
えーと、その冗談って面白いんだろうか。
「ビッグバンの後に爆縮して、ビッグクランチになり、またビッグバンになるというモデルなら、再生も可能だったろうがのう。この宇宙はエントロピーが均質化して死ぬのじゃ。燃え尽きてな。おぬしも見たろ。」
「それを再び、活動させるには?」
「新しい宇宙と融合させるか、また、わざと爆発させるかじゃな。」
ちょっと頭がついていかないが、なんとか考えよう。
スーザン博士は、3人の女神に任せた。特にヘーちゃん様なら、なんとかしてくださるだろう。
「ところで、神の使い様よ。」
「なんだい、スーザン博士。」
「いいたくなかったが、チャックあいてるぞい!」
「!!!!!」
俺は泣きたくなった。かっこつけていたのが台無しだ。とほほ。
するとスーザン博士が、来て、頭を撫でてくれた。うーん。なんだ。まあ。いいか。
「神の使い殿。この宇宙を再生するモデルを神様たちと作り上げるので、心配めさるな。」
「あ、ありがとう。」
ヘーちゃん様も、にっこり笑ってくださった。いいことあるかな。俺は、猫カフェに戻ってまったりコーヒーを楽しんだ。
これからもよろしくお願いいたします。