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ミケとの別れ〜旅立ちの時〜

亀です。いつもありがとうございます。

いつの間にか、俺の中には、神になった記憶があった。時間は一方向だけに流れるものではなく、様々な方向に拡散していき、そして、過去にも漣のように戻って来る。


気がつくと、自分が、ミケと子をなして、その子供達を旅立たせる記憶を持っていた。子をなすといっても、神の子のなし方は、人間とは違い、互いの手を合わせて、念じることだ。召喚によく似ている。ちがうのは、自分と相手の中の因子が複合した子が現出するということだ。これで、なぜ、俺が猫のゆりかごになったか、少しわかった気がする。基本的な部分はほとんど同じだからだ。


子供達は、生まれて少しするとまた。神として旅立っていく。そして、ミケも元の次元に帰っていく。そして、それは、神としての責務に近い。この世界はあまりにも広く、そして、神の力は無限ではあるが、同時に有限なのだ。


俺はまた、神としての責務を自分が任された星で行うのだ。時々、神が訪ねてきて、一緒に子をなし、そして送り出す。永劫の間をこうやって過ごすのは楽しくもあり、辛いことだ。


気がつくと、俺はハンモックで涙を流していた。どうやら、俺には、ミケの旅立ちが予感されていたようだ。いつの間にかミケが俺を心配そうに見ていた。


「そうか、気がついたのにゃ。」

「ああ、メイドカフェは不調ではなかったんだな。」

「そうなのにゃ。実は、いつ旅立ってもいいように、他の人に任せようとしていたのにゃ。」

「なるほど。」


俺たちは見つめあって、手を合わせた。そして、最初の子達をなした。1人はミケが、そして1人は俺が育てることになった。


「ふふふ、最初に子を作ったのは、やっぱり私だったにゃ!」

「ああ、交尾って、こういうことか。」

「いや、あん時は、もっと原始的なの方法を考えていたのにゃ!」


つ、捕まらなくてよかった。つーと汗が額から落ちてきた。


「これから、こういう別れが頻繁に行われるにゃ。まあ、次から次へと新しい神の候補の女性がくるだろうけど。」

「アリーや、リース、アイカ、そしてイーダみたいに?」

「そうにゃ!」

「大変だな。」

「まあ、人間から神になるのは、幻獣からなるより時間がかかるけどにゃ。」


その時、ミケの体が輝き始めた。


「もう時間にゃ!また、次の時までお別れにゃ!」

「ミ、ミケ!」

「この子は、ポルックス。その子は、カストルなのにゃ!」

「わ、わかった。」

「次に会う時までさよならなのにゃ!愛してるのにゃ!」

「お、俺もだ!」


俺が一番最初に召喚したパートナーであり、最高の友、そして妻との別れは辛かった。


「いっちゃったわね。」

「ああ、いつから聞いてたんだい。」

「ミケが気がついたのとか言った時から。」

「最初からじゃねえか。」

「まあ、盗み聞きは悪いとは思っていたんだけど、これは聞く責任があると思って。私にも起こることだから。」


サーシャも少し涙目だった。


「それにしても最初に子供を作られちゃったか。でもまあ、いいわ。この子は私たちの子供と一緒なんだから、みんなで大切に育てましょう。」


その晩の食事の時、俺はみんなにいろいろ、これからのロードマップを説明した。最初は子供のことでみんなに叩かれたが、説明したらわかってもらえた。


そして、その夜は、しんみりと、温泉にみんなで入った。


「なあ、サーシャ。」

「なに?」

「この星空、ミケもどこかで見てるかな。」

「あ、見てるのにゃ!ただいまなのにゃ!」

「はあ?ミケ?」「え?え?」「ほあ?」「あ、あんた!」


なぜミケがここに?


「あ、神様だから、いろいろなところに同時に存在できるのにゃ!だから、暇な時はこうやって、遊びにもくるにゃ!」

「ミーケー!」


サーシャは、涙を流しながら怒っている。みんなも同じだ。アホかー!!!!俺たちの感動を返せ〜!!!


これからもよろしくお願いいたします。

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