コレー様の人形遊び
亀です。いつも遅くて申し訳ありません。亀です。いらしてくださってありがとうございます。亀です。亀です。亀です・・・・。
「はいはーい!コレーちゃん、華麗に登場〜!」
「華麗っていうか、加齢だよな。」
ボソっとアテナ様がつぶやく。
「あれあれ?アテナちゃーん、私のこと、そんなに妬ましい?羨ましい?私ってば、超美貌だものねえ〜ん。」
どこまでもコレーちゃん様は、ポジティブ。
「おひさー、コレーちゃん!」
「おお、ヘスティアちゃーん、この間ぶりぶり〜!」
ヘーちゃん様は、結構コレー様とは仲がいいようだ。俺たちが、神殿で新しい装飾をスミス殿と取り付けていたら、いきなりコレー様がやってきた。
「コレー様、ところで、今日は、どのような・・・・・」
「ちっちっちっ!コレーちゃんと呼んで〜!」
「は、はい、では、コレーちゃん様、今日は、どのような御用で?」
「決まってるじゃなーい!新しいフィギュアをもらいにきたのよーん!見たら、そっちに鍛冶屋さんもいるしねん。」
「あ、スミス殿、こちらのコレーちゃん様は、俺たちのフィギュアなんかを高く評価してくださってる神様です。」
「あ、ありが、が、がとうございますなんだな〜。うれしいんだなぁ〜。」
スミス殿は嬉しそうだ。アルテミス様は、頭を抱えている。
「コレーちゃん、今日は人形遊びしないわよね。」
アルテミス様がおずおずという。
「どうしようかしらん。そっちの2人の出方しだいねーん!」
「あ、あんたたち、はやく、協力なさい!」
「わ、わかりました。」
そんなに嫌いなんだ?でもどうしてなんだろう??たかが人形遊びなのに?
「あ、ば、ばか!」
アルテミス様が焦る。
「あらーん、たかが人形遊び〜?じゃ、ちょっと、やってみましょうか!」
そして、地獄が始まった。
気がついたら、俺たちは、小さくなって、すごろくの上に立っていた。
「ああああ、おしまいだー!」
アルテミス様が、錯乱されている。
「もう、しっかりなさい。こうなったら、最後に上がるのだけは避けないと。」
アテナ様が、唇を噛み締める。
「わーい、たのしー!」
へーちゃん様は、嬉しそう。
空から、コレーちゃん様の声がする。
「さ、みんな、準備はいい〜?じゃ、賽ををなげてーん!」
「いやー賽だけはいや!ル、ルーレットにしてー!」
ちっと舌打ちの音がする。
「もうー、賽が時々爆発したって死なないんだから〜、いいじゃんいいじゃん!」
「痛いのいやー!」
「わかったわよ、じゃ、ルーレットで。せっかくさ、賽は投げられたっていってから大爆発を狙っていたのに!」
うわ、しょっぱなからバクハツさせるつもりだったのか!ひぃー。
そして、巨大なルーレットが現れた。
「どぞどぞー!コレーちゃん、ルーレットぉー!」
よく見ると、コレーちゃん様の顔がルーレットの中央にある。化けているのかな?うひー。シュール。
「私からいくわ!」
アテナ様が回す。すると、コレーちゃん様が、中央で回っている。目が回らないのかなー?
「くるくるくるくるー!」
コレーちゃん様、なんだか楽しそうだ。
「あ、6。すごいわねー。でも残念!車にひかれて、一回休み!」
巨大な車が現れて、アテナ様をがっつりひいた。ひー!いたそう。ゴリって音がしたよゴリって。
「ふらーと立ち上がるアテナ様」
「安心せい、峰打ちじゃ〜!」
コレーちゃん様の声がする。それを聞いて、パタっとアテナ様が倒れた。
うーん、なんなんだ?この謎の神々の遊び。
「つ、次は僕が行くんだな〜!」
「くるくるくるくるー、1。しょぼ!」
何もなかったようだ。スゴロクのコマをスミス様は、すすんだ。
「さ、アルテミスちゃーん、あんたの番よぉ〜。」
「うえーん、スゴロクいやー!」
幼児退行化している。よっぽど嫌なんだな。
「くるくるくるくるー、3!腹一杯アイスクリームを食べた!ラッキー!」
空中からアイスクリームが現れて、そのアイスのしたに、アルテミス様は埋もれた。
「たすけて〜!」
指先を残して、全てアイスに埋まった・・・・・・・。これ、命に関わるゲームだ。
「さ、あんたの番よ、タクトちゅわん!」
さ、逃げるか。俺は力を入れようとして愕然とした。に、逃げられない。
「ムダよーん、私の世界の中では、たとえ神様だって、スゴロクが終わるまで出られないのよーん!」
く、やるしかない!
「くるくるくるくるー!5、あ、ラッキー!モテモテになってハーレムの王になる!」
なんでだー!現実でもハーレム王と呼ばれ、この非現実でもハーレム王かよ!!!
「ふふふ、可愛いわね〜ん。」「サービスしちゃうわよーん。」「あ・た・し・好みの男の子よーん!」
ひぃーーーーーーーー!おかまのお姉さまたちが、俺をもてなす。こんなハーレムいやだ!!!セオドアやレティのようなお姉さまの接吻攻撃で俺は意識を手放した。
「タクト、あんたの番よ。」
「や、やめてー。し、しぶー。」
「これで、私たちが、どうして、これやりたくなかったかわかったでしょ!」
「ば、ばがりまじたー。」
俺は涙を流した。
「今日は、ましな方よ。スゴロクだから。これが、劇になったら・・・・・・ぶるぶるぶる。」
アテナ様が身震いした。おそろしぃ。普段はどんなんなんだ・・・・・・。
「くるくるくるくるー2、あれー、おっかしいな?これって、ラッキー?たからくじに当たる。」
空から宝くじの山が降ってきて、俺に激しく降り注いだ。
「いた、いた、いた、痛いよ〜!」
こぶや擦り傷が山のようにできた。わーん、こわいよー。
「あ、そうそう、言い忘れていたけど、最後に上がっちゃダメよ、最後の人は、次のゲームにも付き合わされるからね。」
「ひ、ひぃいいいいい。最後にはなるまい!」
その後、ワニに追いかけられたり竜巻に巻き上げられたりした。
ヘーちゃん様は超幸運で、何も不幸な目にあっていない。だから、これを楽しめるのか。おかしい!
「あのこは、悪い目に遭わないようにできてるから」
ボソっとアテナ様がつぶやいた。
しかし!
もうゴ、ゴールは目の前だ!やった!これで、4を出せば!いけ!
「くるくるくるくるー!あ、2」
2か、悪くない。あと2を出せば、どうにかなるか!
「隕石に当たって6回休み!」
「な、なんだってっー!!!」
空から降ってきたのは、隕石とはいうにはあまりにも大きい岩だった。それが、いくつも降り注ぐ!
ひぃー!し、しぬー!
「タクト!」「タクト!」「タクト殿!」「タクトちゃん!」
あれ?ここはどこ?俺、死んだのかな。
「かわいそう、あんたがビリよ、次もがんばんなさいね。」
嬉しそうなアルテミス様がそういう。
何があった?みんなボロボロだ。アテナ様に至っては、半分焦げてる・・・・・・・。へーちゃん様は、楽しそうに、歌を歌っている。いったい何があった?
「さ、みんなが上がるまで、私たち出られないから。」
俺はため息をついた。はぁー。不幸だ。
「くるくるくるくるぅー!あ、1。おおおお、超ラッキー!全員、振り出しに戻る!」
「ギャー!」「いやー!」「し、んじゃうんだなぁー!」「うわー、たのしー。もういっかい、もういっかい。」
たのしーというコレーちゃん様の笑い声と、なにやってんのよー、アホーというアルテミス様の声と共に、俺たちは、最初のコマに戻った。ヘーちゃん様以外は、みんな目が死んでいる。コレーちゃん様、もう二度と人形遊びのことを見下しません。お助けを、お助けを、お助けをーーーーーーー!!!!!
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