ハーレム王のご利益
皆様、亀です。亀更新で、申し訳ありません。
うえーん、みなさん、お元気ですか。なぜかぴょん子さんに、ハーレムキング認定を受けて、グッズまで販売されていたタクトこと、ハーレム王です。どうしてこうなった!
カラン、とドアが開きます。常連の人が多かったこの猫カフェに新たな常連が増えました。それは、なぜか、俺を崇め奉る信者のみなさんです。といっても、俺のすごさを崇め奉っているのではなく、俺の持つモテモテパワーをみにつけたいという信者の人たちです。
「あ、ハ、ハーレム王様、お願いです!握手を。」
「はいは・・・」
「えーと、コーヒー2杯のスタンプで、握手は1回ですよぉ!」
ぴょん子さん、なぜに仕切る!
「あ、これで、いいですか。」
「はい、じゃ、ハーレム王様から、握手をしてもらって下さい。それから、写生も行っています。サンドイッチ4食分のスタンプで、1枚ですよ。どうですか。」
「あ、じゃ、お願いします。サンドイッチ4つ!」
猫カフェは猫ちゃんを愛でる場所だったはずです。熱い視線を俺に注ぎ、拝む場所ではなかったはずです。たぶん。
「おお、あれは、タクト様ハーレムのケイト様だ!おおお、有難や!有難や!」
「あそこのケチャ様も、素晴らしい。」
「俺は、なんといってもシェール様だな。俺も、あんな人を入れたハーレムを作りたい!」
こんな声が聞こえてみろ!やる気だだ下がりだぞ!
「俺はハーレムじゃなくてもいいぜ!絶世の美人にもてたい!」
「おま、鏡みろ!」
「あほだな。あのスミス殿って知ってるか」
「おお、おたくの王様か?」
「タクト殿の親友になったとたん、もうそれは美しくスタイルもいい婚約者ができたそうだ。」
「うそだろ!あのノータッチ王に?」
「スミスにもできたんだ!俺たちにも!」
「おおおおお、拝め拝め!」
「有難や、有難や!」
勇者ハーレムは、俺のパワーのおかげだ、という噂で毎日、こういう客が訪れる。しかも、最近では隣国からもツアーを組んでやってくる。ああ、どうしてこうなった。あれは、ぴよん子さんが責任紛れで、ついた適当な嘘からだったな。うん。
話は2週間前に遡る。
「やっと見つけた!山田ぴょん子!」
「は、どうしました。そんな荷物を持って?」
「どうしましたじゃない!これをみろ!」
荷物をぶちまけると、俺のグッズだった。
「お前が、これを持てば女性にもてるっていったから、全部3つずつ買ったのに!」
「3つずつ?」
「そうだ、保存用、信心用、布教用の3セットだ!全然、きかねえじゃないか、ちくしょう!」
「あら?それはあなたの信心が足りないのではなくて!」
「ふぉ?」
「あれをごらんなさい!」
そこには、たまたま、打ち合わせが終わって、カトリーナにあーん、してもらっているスミス殿だった。
「あなた、あの方知ってらっしゃる?」
「あ、あれは、ノータッチ王???」
「そうです。スミス殿がタクト殿と親友になってからは、メキメキと運があがり、いまでは美人でバインバインな彼女が!」
「し、信じられるか!」
「ちょっと待ってなさい!」
ぴょん子さんは、スミス殿を召喚した。
「なんなんだなあ。あーんで忙しいんだな、はやく終わりにしてもらいたいんだなぁー。」
「スミス様、タクト殿から、知り合ってから、カトリーナ様を恋人にされたんですね。」
「そうなんだな。全部タクト殿のおかげなんだな。来年は、結婚なんだな。なんだな。」
「お呼び立てして申し訳ありませんでした。」
なぜか勝ちほこるぴょん子さん。
「どうですか!」
「し、信じられん。でもたま・・・たま・・・・だろ!」
ぴょん子さんは、たまたま、通りかかったぽちを召喚した。
「おま、忙しいのに、呼ぶなよ!もう俺のボスじゃないんだからよ!」
「ポチ様、大変申し訳ありません。るーたんとの結婚資金を援助してさしあげますので、お答えください。ポチ様は、タクト殿のおかげで、るーたんに出会えたんですね。」
「そうだよ、いまいましいけど本当だ!タクトがいなかったら、るーたんと会えなかったし、こんな風にるーたんと一緒にいられないだろうからな。おま、本当に、援助してくれんだな!」
「もちろんです。ほら!」
ぴょん子さんは、銀貨を1枚ぽちの手の上に落とした。
「おおお銀貨か!ありがとよ!」
お前、安いな。
「どうです!」
「あああああ、私が悪うございました!神官様、この罪深き私をお許しください。そして、ハーレム道にお導きください!」
「もちろんですとも。さあ、新しいグッズも3種類買うのです。そして、祈るのです。布教するのです。」
ぴょん子さんが厳かにいう。頭をさげる男。しかし、ぴょん子さんが見ているのは、サーシャだ!あいつか!こんな絵を描いたのは!!!サーシャが親指をぐっと立てる。おまえ!!!!
恐ろしいことに、このアホな男は、同じハーレム教の信者の女性と恋仲になってしまったのだ。それからの2人の働きは獅子奮迅。ハーレム教を広めるため、精力的に活動した。その結果・・・・・。
「タクト様、お願いです。私にもハーレム道を伝導してください。」「握手お願いいたします。クーポンはここに!」
はっと俺に声をかけてきた男女が見つめ合う。そして、ああああ、これが運命。タクト様のおかげ、とか叫びやがる。
えーと。この謎の巡礼で、恋人を見つけて、カップルになったり結婚したりするやつが多いんだよな。それって、単なる合コンじゃねえか!どうしてこうなった!!!!!
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