コシチ、疲労で倒れる!
いつもおいでいただきありがとうございます。
コシチの災難
コシチが倒れたと聞いて、俺はお見舞いに行った。
ぐったりベッドに横たわっているコシチ。痛々しい。
俺は、うんうんうなっているコシチを撫でてやった。すごく熱い。熱があるんだな。
「コシチ、悪かった!俺が悪かったから、もうダンジョンは、いいから!!休もう!」
「ご、ごし人さま。ちらうの。か、かららがあついろ・・・・・・」
その時、コシチの体が光輝いた。どうも神化しそうなのだが、ちょっと早すぎる。
その時、ミケが駆けつけてくれた。
「ちょっと早いのにゃ!これは、知恵熱みたいなものにゃ!」
そして、コシチを撫でるとすっと熱が下がった。
「ダンジョン経営やらなんやらで、急激に経験値が上がったから、知恵熱が出たにゃ。しばらく、ダンジョン経営は禁止にゃ!」
「わかったよ、しばし閉鎖だな。」
「そんなことしなくてもいい人材がいるにゃ!」
ミケはにやっと笑った。
「へ?誰のこと?」
「山田さんにゃ!」
なるほど、ぴょん子さんならば、なんとかなりそうだな。
ということで、山田ぴょん子さんを呼んだ。その時、よよよ、とアンが泣き崩れたのは内緒!
「シェ、シェールに続いて優秀な人材が!こ、これではさぼれないではありませんか!」
アンは単にサボりたかったようです。
俺はコシチを抱いて、撫でながらカフェに戻ってきた。すると、何故か、俺の部屋のものが外に出されていた!え?どうして?
「あ、ご主人様、ご主人様のお部屋に一緒に入ろうと思ったら、ものが多すぎて。隣の部屋は、暗いからいやですし。申し訳ないけど、いらない物を出させていただきました。」
にこやかに微笑むベアトリス王女。あんたにとってはいらない物でも俺にとっては大切な物なんだよー!
あ、それから、これもいりませんわね!ベアトリス王女は、俺の道具箱を放り投げた。
ちょっと待てー!!!それ、俺の大切な道具だ!
俺は仕方がなく、空いていた物置に俺の荷物を詰め込んだ。どうせ、作業場さえあれば、俺は部屋はいらんし、王女にやるか。しかし、もう少しで捨てられるところだった。危ない危ない。
それにしてもベアトリス王女までここに来るとは・・・・・・・。
ところが、数日たって、猫カフェにベアトリス王女がどなりこんできた。
「ご主人様、まっていますのに、いつになったら、部屋に来るんですかぁー!」
えーと、知るかー!
カラン、猫カフェに誰かが入ってくる。しょぼくれたこの男、誰だっけ?
「あ、ベアトリス王女様、お父上から、一度、とにかく帰っておいで、話し合おうと伝言をいただきまして、私がお迎えにあがりま・・・・・」
「帰りませんよ!それから、なんです!汚らわしい!勇者様、あなたが、そんなお方だと知っていたら、私は聖女様とのご結婚、許しませんでしたよ!」
あ、勇者か。かわいそうにやつれてビクビクしている。うーん、なんだかなー。あ、そうだ!!!!
「勇者様、どうもベアトリス様はしばらくはおかえりになりません。それでしたら、どうです。こちらで、警護のお仕事に就くというのは?」
「警護など、そんな弱虫勇者にしてもらわずとも結構です!」
歯に絹着せぬ表現だ。なんだかな。
「うーん。でしたら、この近くに、実は勇者様が魔王を撃退したダンジョンがあるのですが、そこのアトラクションで働いていただくというのはいかがでしょうか。」
多分、これがいいショック療法になるだろう。
なんと、勇者が来てくれたために、俺たちの稼ぎはうはうはだ。ぴょん子さんが、ものすごく、気を使ってくれて、勇者の機嫌もみるみる良くなっていった。やったね。ぴょん子ちゃん!稼ぎが増えるね。わーい!
しかし、それも長くは続かなかった。ある日、勇者が、ため息をついていた。
「どうしたんですか?ため息なんかついちゃって。最近楽しそうだったのに。」
「お、俺は・・・・・・タクト殿、軽蔑しないで聞いて欲しいんだが・・・・」
「なにおしゃってるんです。軽蔑なんてしませんて!」
「俺は真実の愛を見つけてしまった。山田ぴょん子さん、彼女こそが俺の人生を捧げるべき人だったんだ!」
なんですとー!それは軽蔑するわ!アホか!
猫カフェの災難は、まだまだ続きそうです・・・・・・・。
猫カフェにいらしていただきありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。