王女様と俺
王様と私は、いい映画でした。
「では、この猫カフェは、タクト殿のものであると。」
「そうでございます。王女様。」
セオドアがまた、よからぬことをポンコツ王女にふきこまなければいいが。店に出ようとして、二人が、王女様専用の個室で、こそこそと話しているのが聞こえた。
「そしてですよ。王女様!ここからがポイントです。もし、タクト殿と王女様が結婚すれば、この幻獣様全てが貴方様のもの。王宮にここを移動するのも自由!」
「ふぉおおおおおおお!な、なんと素晴らしいアイディアです。」
「全ては王女様のために。ま、そうなれば、拙者も猫たんなでくり放題」
アホかー!またそれかー!それに聞こえたぞ、最後の。何が、王宮にカフェができたら、猫ちゃんなでくりほうだいじゃ!
「タクト、タクトはおるか。妾との結婚を許します。さあ、妾の腕を取り臣下の礼を!」
やばい逃げ道がない。この個室と奥の部屋までは廊下一本だ。
「タクちゃま、ちょっと痛いけど、我慢してにゅ!」
コタローが助けに来てくれた。次の瞬間、コタローの体が輝いたと思うと、いきなり俺の体が縮んだ。うわ、気が付いたら、俺猫だわ、やべえ。コタローすげえぞ!
「おや、タクトは、こちらにいるかと思ったのはきのせいでしたか、おや、ふぉおおお、新しい猫ちゃん、しかもかわゆい!」
王女様が俺を抱き上げた。うわ、よだれよだれ!
「ふわぁああ、天国です。」
ランちゃんがコーヒーのお代わりを入れにきた。
「王女様、すみません。いつもはタクトさんが入れるのですが、どこにも見当たらなくて」
「あんなグズ、ほおっておくがよい。汝も難儀なことじゃな。みれば妾とあまり歳も変わらぬと申すのに。いくつかの?」
「ランは、9歳です」
「妾が10歳であるから、妾がお姉さんじゃのぉ」
ずっと王女は俺を撫でくりまわしている。やめろ〜。その時、コタローがにゃーんと王女様に媚をうって、膝にのった。そして俺に目配せ。逃がしてくれるらしい。
「おやおや、かわいい猫ちゃん、ここがいいのか、ここがいいのかぁ〜ふへへへへ」
立派な変態である。お金を払ってくれるから嬉しいが、気持ち悪い。個室に閉じ込めておいて正解だ。
奥の部屋にいって一休み。あれ?どうやって戻るんだ。
結局その日は1日猫ですごした。コタローによると、変身したら半日はそのままだそうだ。ちくせう。その後、ミケに見つかって、交尾しろというのを振り切るのが大変だったよ!!!!
ユルブリンナーって結構いい役者でしたねえ。