風雲!王国勝負!
あらすじ:タクトは発狂した女性達によって、再起不能になりましたので、今回からは、風雲コタローをお送りいたします!
「ええと、王女様!」
「なんじゃ!」「はい、なんでしょう!」
「あ、マーガレットじゃない方の王女様・・・・・」
「私の名前は、ベアトリスです。トリクシーとお呼びください。」
「えーと、ベアトリス王女さ・・・」
「トリクシーです。」
「は、はあ。」
「トリクシーとお呼びください。」
「では、トリクシー様、そ・・・・」
「ただのトリクシーで結構です。ご主人様!」
「ちょっと待て!妾のことはいつも様付けで呼んでなんじゃ!だったら妾もメグでよいぞ!」
なぜか、ベアトリス王女が、優越感をもって、ふふーん、とマーガレット王女を煽る。どうでもいいじゃん、そんなこと!
「え、えーと、話を元に戻しますと・・・・」
「メグはどうなった。」
「えーと、メグ。では話を元に、戻しますと・・・・・」
「トリクシー。」
「え、ええと・・・・・・。」
こんな感じだとらちがあかないので省略すると、どうもベアトリス王女は、頭に猫を載せている人物ということで探し回ったら、こちらの王女の婚約者が神の使いで猫だということを聞きつけやってきたようだ。誰だ!余計なことを話したのは!!!
ま、目立ちすぎたのがいけなかったか・・・・・・。
「マーガレット王女、というわけで、私の方が年が上なのですから、私にご主人様を譲るべきです!」
「たった5歳のちがいではないか。ゆずれん!」
「では私は、これを、共同王国紛争案件として、王国勝負を申し込みます。」
「ほほー。望むところじゃ!」
「ふふふふ、うちには、勇者がいることをお忘れなく。あんなクズでもこんな時は役にたちます!」
うわ、勇者、ひどい言われよう!何気に黒いぞ、王女様!
「ふ、何も知らぬとは恐ろしいことよ!その勝負引き受けた!」
「では、1ヶ月あと、お会いいたしましょう!せいぜい、セオドア殿か、ケイト殿を鍛えておくのですね、無駄だと思うのですが!」
「はあ?誰がセオドアやケイトを出すといった。もちろん、旦那様が直々に解決してくれるわ!」
「何をおっしゃっているのですか?この案件事項である、ご主人様に出場させるおつもりか!」
「じゃ、その仲間達でもいいぞ!」
「ふざけないでください。あなた方をめちゃめちゃに叩き潰して差し上げますわ!でも、ご主人様、御機嫌よう!」
なぜか、ぷんぷんになって出て行った。なんだ?その王国勝負っていうのは???
マーガレット王女に聞くと、どうやら、紛争があった時、戦争ではなく、優れた国の代表たる個人が争ってその案件を解決するというシステムらしく、結構これでうまくおさまっているとのことだ。今回は、案件もそれほど大きくないので、1本勝負、互いの代表者が戦うということになるようだ。
さ、で、誰を選ぶかだが、コシチは、多忙により、出られそうもない。そうなると山田ぴょん子さんあたりに頼もうか。それにしてもコシチには気の毒な仕事を押し付けてしまったようで、反省している。
俺たちが、誰を選ぶか協議していたら、向こうから、コサブローが、ととと、とやってきた。
「あ、あのさ、この勝負、俺がでてもいいかな?」
「ああ、もちろんだ。で、何が望みだ。もうセリーヌのおつきは、卒業したいか。悪かったな、無理をさせて。これにでなくても卒業させてやっても構わないぞ。」
「いや、反対だよ。俺、セリーヌと添い遂げるよ。」
な、なんだってーーーーっ!!!コサブローついに、洗脳がひどすぎて気が触れたか!!!
「あ、そうじゃない。ま、セリーヌ、ちょっと怖いし、いつもペロペロは勘弁だけど、でもいいとこもたくさんあるんだ。」
「俺は構わないが、彼女の残りの時間は限られているぞ。」
「だから、それを頼みたかったんだよ。まあ、もし、彼女が望めばだけど・・・・・・。」
コサブローは、ちょっと不安げな顔をした。何か、もうわかっているのかもしれない。
気がついていなかったが、どうもコサブローも神化を果たしていたようだ。セリーヌと一緒にいたいから、俺たちに気取られないようにしていたんじゃないかな?
俺は腕組みをした。
「まあ、そこらへんは、急ぐような問題でもないか。で、お前、勝てる自信はあるのか?」
「あ、それは大丈夫。コタローとかコジローとやりあうならともかく、人間相手だったら問題ないよ。」
なるほど、じゃ、決まったな。
「でも負けたら困るから、保険をかけさせてもらうよ。山田ぴょん子さんにバックアップをお願いするけどいいかな。」
「もちろん。」
というわけで、俺たちは王国勝負に臨んだのだ。
当日、大勢の人たちが見学に来ていた。もちろん王国勝負ともなれば、王族、貴族と名だたる有名人は全て集結している。
「ご主人様、この日を首を長くしてまっておりましたわ!」
ベアトリス王女が、俺の方にやってきて、微笑んだ。
「お主は、向こう側の人間じゃろうが!さあいね!」
マーガレット王女は、冷たい。
「ふふふ、その虚勢、いつまでもつかしら。ご主人様を迎え入れるのが楽しみだわ!」
中央に、おどおどとした勇者がやってきた。なんだか、ビクビクしている。
そして、俺が、大人バージョンにしたコサブローも中央にすすみでた。コサブローを見て、なぜか、向こうの貴族の令嬢たちが騒ぎ始めた。
「ああ、あのお美しい方、どなたですの?」「な、なんて、ハンサムな!」「すごいイケメンですわ!」「勇者、負ければいいのよ、あいつは女の敵だわ!」「聖女様もあんなやつと結婚されたなんて、お気の毒に。」
なんだかコサブローの評価は高く、勇者の評価は恐ろしく低いようだ。実は、映像の上映は気の毒だからやめてやろうと思ったのだが、もとがとれないとサーシャが強行して、上映したため、今や、勇者の評価は地に落ちている。いや、地を潜って、反対側に出かねないほどひどくなっている。
「この試合に負けたら・・・・分かってるでしょうね!」
ベアトリス王女が、勇者にトドメを刺した。うわ、足が震えてるよ。気の毒に。
「負ければいいのに。」「女の敵!」「いなくなってしまえばいいのに!」
散々な評価だ。これは、さすがに行きすぎじゃないか?
審判による注意がなされた。
試合開始の合図を待つばかり。しかし、いきなり、勇者が、開始直前に最大電撃攻撃をしかけた。
もうもうと立ち込める煙。
「く、ふいうちとは卑怯な!」
俺が叫ぶと、勇者は、ふてぶてしく笑った。
「油断している方が悪い。俺はどうしても今回は勝たなくちゃあいけないんでな。はははは!」
「なんて卑怯な!」「これで勇者と言えるのか?」「相手はまだ少年だったぞ!」「今ので死んだんじゃないか!」
「卑劣な!」
すると、観客席に向かって勇者が大声で叫んだ。
「勝てばいいんだ!勝てば!相手が油断したのが悪かったんだよ!ははははは!は?」
煙が晴れると、無傷のコサブローが立っていた。
「えーと、何かした?」
お約束のセリフだ。
「ば、馬鹿な!竜をも倒す俺の渾身の最大魔法だぞ!し、信じられん。し、しかたない。本気で行くか。」
お前、すでに本気だったろ!すると、勇者が3人に分裂した。そして、コサブローを囲んだかと思うと、再び、最大電撃攻撃を仕掛けた。
「こ、これ、全て本物だ!一体どうやって?」「あ、危ない!殺す気か!」「審判。止めろ!これは試合ではない、虐殺だ!」
悲鳴があがる。
ところが、コサブローは、なんと8人に分裂して見せた。そして、軽くチョップを叩き込むと、勇者が、地中深くに潜ってしまった。
「し、しまった、やりすぎた・・・・・あ、安心せい!峰打ちじゃ!」
俺が教えた通りのセリフだが、あんなに地面にめりこんでしまっては、峰打ちも何もあったもんじゃない。
審判は、勇者の気絶を確認すると、コサブローが勝者であることを宣言した。
当然だが、あっけない。しかし、勇者も結構追い詰められると強いんだな。
「し、信じられん!」「勇者が負けるなんて!」「そんな馬鹿な!」
しかたない。俺が収拾をつけてやるか。
「みなさん、お静かに。私たちは神のつかいです。そして、この青年もそうです。ですから、勇者様が負けてもなんの問題もありません。人間の一番強いお方は勇者様で間違いありません。しかし、神のレベルですと、もちろん違うのです。」
まあ納得したかどうかはともかく、タクトコールが起きた。うーん、これ、嫌だな。
向こうを見ると、呆然と崩れ落ちているベアトリス王女の姿があった。
「もう、こいつ、この国から追い出してやろうかしら!」
涙目でそうブツブツ言っている。怖い・・・・・。
「トリクシー、聖女様のためにも、勇者を追放するのはやめて。」
「でも。でも!」
「言っただろう。俺たちは神の使い。特別なんだよ。そして、俺たちには、神のみ技を現実化するという務めがあるんだ。」
「わ、わかったわ!でもあきらめませんからね!」
「いや、王国勝負は絶対じゃ!この判定を覆すことなぞ、たとえ王族でもできんことよ!」
マーガレット王女、厳かに言おうと務めているが、顔が笑っているぞ。敵の傷に塩を塗るなんて、ひどいやつだ。
俺たちは帰路へとついた。
「で、何故にお主がここにいるのじゃ!!」
「はあ?私がどこにいようと自由だもーん!」
「お主!王国勝負に負けたじゃろうが!」
「それは、それ!これは、これだもーん!」
小学生か!
ベアトリス王女は、いきなり、俺に抱きつくとちゅうをした。
「ベアトリクス王女がベロチュー!ぷ、くくくく!」
何故か、つぼったようで、シェールが笑い出した。
「何がおかしい!妾は、不愉快じゃ!」
「大丈夫ですよ。私たちを見たら、もうすごすご帰りますって!」
その夜、涙目で、温泉に入れられたベアトリクス王女は驚愕した。
「あのう、ご主人様、この方達はいったい!」
「妻じゃ!」「妻にゃ!」「妻なのん!」「妻です!」「奥さん!」「もちろん奥さん!」
全員が、そう答えたので、ベアトリクス王女は、うーんといって、その場で昏倒した。ああ、隠して隠して!
「ね。こうなったでしょ!」
シェールは、ずるがしこそうな笑みを浮かべた。
ケチャとアイカは、2人で、ベアトリクスを悲しそうに見つめていた。あいつらは入ってほしそうだな。だって、胸がささやかなグループだったから・・・・・・。って、胸の大きさで人間の価値は決まりません!
何故か、いつものようにミリカがスイカを俺の頭の上にのせて誇らしげだった。うーん。なんじゃらほい?
また、きちんと投稿できませんでした。呪われております。
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