一難去って!
亀です。皆様、またのご来店、ありがとうございます。
「タクト、あんた、なんで伯母さんつれてきてんのよ!」「この未来は見えていたけど、実現するときっついわ!」「デメテル伯母さん、ひさしぶり〜!」
最後のヘーちゃん様の反応以外は、あまり芳しくないものだった。うーん。俺の命もここまでかしらん。皆さん。次回からは、それいけ風雲コタローと、コジローの探偵日記をお楽しみください!
「あんたら、うまく2人で認識阻害をしていたようだけど、この子から辿られることは考えてなかったでしょ!どうして隠れてたの。」
「うーん、話しちゃうか!」「そうね。仕方ない。」「デメテル伯母さん、お土産は〜?」
どこまでもマイペースなヘーちゃん様だ。
「まあ、伯母さん、ちょっとこのタクトに触れて力を吸い込んでみて。」「騙されたと思って。」
なんだかよくわからないという顔をしていたデメテル様だったが、俺に触ると、ちょっと驚いた顔をした。そのあと、本格的に吸い出した。や、やばい!これはキツイ。
すると、限界近くまで吸い取られたところで、キラキラとデメテル様が輝きだした。
「おおお、これは近年になく調子がよい。なるほど、自分たちの分まで取られたくなかったのですね。でも心配しなくともよい。そんなことはせぬ。」
豊穣の女神の名は伊達ではない。すでに慈母のように優しい雰囲気になった。
「うーん、デメテル伯母さん、満腹になると、いい人なんだけど。」「そうねえ。」「あ、これからやるの?やるの!わーい!」
アテナ様もアルテミス様のゲッソリしている。そこから、なぜか、3人で、劇を始めた。うーんシュールだ。デウスエクスマキナを神様自身が演じるというのは、どういう神の遊びなのだろうか。俺はそっと、ヘーちゃん様に聞いてみた。
「これって、いつまで続くんですか。」
「3日3晩よ。」
それを聞いて、俺はその場をそっと抜け出した。
3日後、すっかり満足したデメテル様は、帰って行かれた。その時に、俺にも時々遊びにくると快活に告げられた。
俺はそのあと、みっちり絞られた。
「あんたねえ。私たちが、どういう思いで、この劇から逃れようとしてたと思うの!」
「反省なさい!」
「ああ、堪能した!また、やろうね。」
ヘーちゃん様は結構気に入っているようだ。
「もうデメテル伯母さん、これがなければ最高なんだけど。」
「もう疲れた。寝る!」
「あー、今度はコレーちゃんとも遊びたい!」
最後のヘーちゃん様の言葉にアテナ様もアルテミス様もぎょっとされた。
「コレーか。」「コレーねえ。」
二人はため息をついた。
「何か問題でも?」
「いや、それが、デメテル伯母さんと同じ趣味があって、劇をねえ。」
その時、目の前に女神が出現した。
「コレーちゃん参上!」
「ギャー!!」
「ギャー!!」
「あ、コレーちゃんおひさ〜!」
どうやら、このコレーちゃんは、人形遊びが好きなようで、人形でデメテル様と同じような劇をするようなのだ。うん、似たもの親子だ。
「デメテル伯母さん・・・・・・。」
「早速教えたのか・・・・・・・。」
俺は小声で、聞いてみた。
「ヘーちゃん様、今度はどのぐらいですか?」
「満足するまでだから、多分4日か5日。もしかしたら1週間になるかも・・・・。」
俺はそっと抜け出した。しかし、すぐに戻ってきた。
「コレー様、これをごらんください!」
スミス殿と俺が作ったフィギュアセットだ。建物もある。
「こ、こ、こ、これは!」
「我々が作成したものです。もし、1日で、この遊びを終わらせると確約してくだされば、これを献上いたします!」
「するするするめイカ!うーん、すごい!褒めてつかわしちゃうわ!」
コレー様は、1日、しかし、凝縮した遊びをされて、人形などを抱えて満足して帰って行った。
「私の祝福をさしあげまーす。それから、私に、時々、人形を進呈なさーい!」
コレー様は、嵐のように去って行った。
「寝る。」
「寝る。」
「たあのしかったねえ〜!」
ヘーちゃん様は、全然苦にならないようだ。さすがだ。
俺が下に降りていくと、そこには、隣国の王女様が、マーガレットと対峙していた。
「あああ、やはり、こちらにいらっしゃいましたか。私の愛するご主人様!」
「これは妾の旦那様である。」
バチバチバチ、と火花がちった。
俺は後ずさりして、逃亡しようとしたが、サーシャに後ろを塞がれてしまった。うわ、波乱の予感!
ありがとうございました。またのご来店をスタッフ一同、お待ちしております。