猫ちゃんは狭いところがお好き
亀です。更新も亀です。すみません。ちょっと短めです。申し訳ありません。
スミス殿の新作のための家がようやく完成しそうだ。うーん、長かった。あとは、屋根を載せて接着してしまえば、おしまいだ。ここまで一ヶ月集中してやってきたので、感慨深い。
「店長〜!サンドイッチお願い〜!」
ランちゃんが階下から俺を呼んだ。
「わかった〜。今行く〜。」
まあ、完成はあとでいいか。俺は、階下に降りた。
「店長〜。サンドイッチ8つなのー!」
おお、珍しい。ちらっと見ると、ああ、リリーの友人たちのコサブローを救う会か。まだ活動していたのか。リリーがいなくなってから、どうなったかと思っていたら、元気そうだな。
「どうぞ。ちょっとサービスしておいたよ。」
「どうも。ところで、コサブロー様は、まだセリーヌ様のおもちゃになってるんですの?」
どうやら、リリーが抜けたあとのリーダーになった女性が俺に詰め寄った。うーん。たしか、こいつは伯爵令嬢だったけ?ケリーっていったような気がする。貴族がこんな場末で何やってんだか。
「いやー、おもちゃっていうのは、ちょっと語弊があるのではないかと思います。コサブローも、嫌がっておりませんし。少なくとも現在は楽しそうですよ。」
まあ、洗脳されているから、表面上は楽しそうに見えるぞ。嘘ついてないぞ。
俺は、サンドイッチを置くと、コーヒーと牛乳をセリーヌのところに届けた。ほら、みろ!
「コサブローちゅわあああん、かわえええのう、かわええのう!ペロペロ。」
「セリーヌサマ、イチバンデス。オウツクシイデス。」
ほら・・・・・。たの・し、そうだろ・・・・・。
俺は、二階の俺の部屋に戻って作業を続けた。慎重に、接着剤をつけて、屋根を接合する。これで、完成だ。ようやく終わった。
すると、なぜか、家から声が聞こえた。
「ご、ごし人様、だしてくらさいろ!」
窓から中を覗き込むと、コシチが中に閉じ込められてパニクっていた。おい、お前、勝手に中に入り込むなよ!
「コ、コシチ、お前、時間移動できたっけ?」
「ご、ごし人様。ま、まだですろ!」
とほほほほほ。俺はなくなく、壁の解体を始めた。お前、狭いところが好きだからと行っても程度があるだろう。せっかく終わったとおもったのに・・・。
「ご、ごし人様、ごめんなろ!」
「ま、まあいいさ。壁をもう一度組み直せばいいんだから。」
これで、完成は明日だな。俺は、そう思った。
すると表から、女性の悲鳴が聞こえた。この声は、ケリーじゃないか。ほら、みろ。こんなところに来るから、えらい目に会うんだ。
「コシチ、行くぞ。」
「はい、いくろ!」
ところが、外に出てみると、すでにケイトが全てを終わらせていた。
「お、タクト殿、ちんぴらは、片付けたよ。」
3人のちんぴらが、地面にのびていた。あ、こいつら、たしか、隣国から流れてきたお尋ねものだったな。もう、門番何やってんだよ!
「ケリー様、だいじょうぶで・・・・」
「す、素敵!私の王子様を見つけましたわ!」
「えーと、わ、私のことですか。あのう、残念なのですが、私は女性です!」
ケイトが引き気味で答えた。
「いいえ」
手を前に組んでケイトに詰め寄るケリー。
「愛さえあれば、愛は性別をも超えます。私を妻にしてくださいませ!」
「あー、ごめん、先約があって。私、このタクト殿の妻になるつもりなんだけど・・・・・。」
「な、なんですって。この男、王女様ばかりでなく、ケイト様まで。わかりました!」
ケリーはビシィっと人差し指を俺に突きつけた。
「今日からあなたと私は恋のライバルです!」
えーと。タクトです。みなさん、お元気ですか。俺、いつの間にか、ケイトを争う恋のライバルができたようです。とはいえ、ライバルは女性なんですが。どういう状況なんでしょうか。とほほ。
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