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恐怖、夏祭り!

TVショッピングって、ついついいらないもの、買っちゃいますよね。

「へえーって、夏祭り?」

「そうよ、知らなかったの?来週から3日間、ここでも久しぶりの夏祭りが行われることになったのよ。王女様の10歳の誕生日を記念してね」


サーシャがかき氷を食べながら解説してくれた。昼を過ぎるとまったりした時間なのに、こいつのせいでだいなしだ。


「ふーん、しらなんだ。じゃ、3日間休もうか。」

「ばかなこと言ってんじゃないわよ。稼ぎどきよ、出張カフェを作って儲けるわよ。」

「えーめんどい!」

「アホー!あんたのためを思ってやってやっているのよ。だいたい、最近、あんたが事業を広げすぎたから経費がかかってんのよ。それをドカンと穴埋めするのよ、ドカンと」


ドカンと、というジェスチャーが怖い。紫の目がギラギラ輝いてる。サーシャが金の亡者になった。


「で、アイディアはあるの?」

「ふふーん、出張所では、かき氷とアイスコーヒーを中心に提供、そして目玉は、幻獣お散歩」


なにそれ、JKリフレ的な違法っぽい商売。


「つまり幻獣様を時間でかりて一緒におさんぽするの」


どこが「つまり」かわからない。そのままじゃねえか。


「しかも大サービス15分、銀貨1枚」

「ぼったくりじゃねえか!」


というわけで、(なにがというわけでかわからないけど一応お約束的なといいわけでで、)祭りの日がやってきた。


うほうほいいながら、猫ちゃんを抱いておさんぽしているのは、ケイトだ。ごめんよ、猫ちゃん。君はお金のための犠牲となったのだ。なむー。


この暑さが味方してか、カフェも大盛況だ。みんな忙しい。もちろん俺もだ。コーヒーをすするのに、全力をあげているところだ。


おや、でかい馬車が、止まった。うわ、フリフリの気持ち悪い女の子と太ったおばさんがやってきた。なんだ。


「あなたね、最近町で評判の猫カフェとやらをやっているのは。」

小さい女の子、いやに高圧的だ。


「私にこの店自慢のスイーツと猫ちゃんを提供しなさい!」


なんだ、こいつ。


「おいおいおい、順番飛ばしは良くないな、ちゃんとならんで…」

ケイトが近づいてきたが、2人を見て凍った。すぐ片膝を追って地面につけて臣下の礼をとった。


「王妃様、並びに、王女様!」


とんでもない奴らが降臨しちゃったよ。とほほ。


「す、素晴らしい抱き心地、これは天上にも昇るような夢ごごち。」

猫ちゃんを抱いた王妃様は、なんかトリップしていた。


「おい、タクトとやら、わらわにこの猫ちゃんをよこすのです!」

これは、王女様、横暴だ。そのうち、パンがなければケーキとかいいそうだ。


「恐れながら王女様、幻獣様たちをわけることは、できません。」


サーシャがシュタっと、優雅に臣下の礼をとって話し出した。


「しかしながら、王女様には、この、スーパーデラックスでゴージャスでウルトラグレイトな個室年間パスを今だけポッキり金貨20枚でご提供できます。」

サーシャ、おまえボリすぎだろ!



「おおおお、つ、続けなさい。」


あ、王女様、深夜のテレビショッピングに簡単に騙されるくちだ。


「しかもです、このパスには、飲み物が毎回1杯ただとなる、特典付きです。もちろん、差額を払えば、ドーーーーン、な、な、なんとセットにアップグレードも可能です。いががでしょう!」


「買いました!」「買いました!」「買います!」「いただきます!」「よし、買った!」「買いますう!」


あれ?なんか人数が多いような。


お買い上げでした。王妃様、王女様、お付きの2名のメイド、そして、セオドア、ケイト、アン。みんな騙された。サーシャのせいで。でも、もうかったから、いいのか?


その後、王妃様、王女様、おつきのメイド2名が時々、訪れるようになった。あの見事な馬車は誰のだろうと、町の話題になったことは、内緒。

この間、アメショの子猫を駅でみかけましたが、速攻誰かに保護(お持ち帰り)されていたようです。誰だ。癒しを奪ったのは!

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