お芋パニック
亀です。いつもありがとうございます。ちょっと短めですみません。
「パパー、おいしいものってどれなん?」
るーたんが、俺に向かって叫ぶ。ククク、震えて待て!実は、せっかくコタローが久しぶりに遊びにきてくれたので、俺は、シンプルだが奥深くおいしい石焼き芋に挑戦中だ。しかし、きちんと焼かないと、生焼けでまずくなってしまうので、辛抱が肝心だ。
「パパー、まだなん?るーたん、お腹ぺっこぺこなん!」
るーたんの悲しい訴えを退け、俺は待った。よし、良さそうだ。
「ラムダ!頼む!」
ラムダが枯れ草をかき分けて、芋を取り出してくれた。すごく熱いので、慎重には慎重にならなければならない。ラムダが、中の火の通り具合を調べてくれる。良さそうだ。
「はい、これは、コタローの分」
「ありがとう、タクちゃま!」
「そして、るーたん、ぽちもどうぞ!」
貰った瞬間にうまうま食べ始めるるーたん。うーん、豪快。でも、ぽちの分もすこしは残そうな。
「タクちゃま。これ、おいしい!」
「そうだろうそうだろう!きちんと作りさえすれば、間違いない食べ物なんだ。ぜひ、向こうでも食べてくれよ!」
「うん、そうします!」
俺は、生の芋をたくさんコタローにもたせてやった。
「これを埋めれば大きく育つから!」
コタローは手を振って、去っていった。うーん。今度会えるのは、いつなんだろう!そう思っていたら、すぐコタローが現れた。
「あれ?忘れ物?」
ところが、コタローはげっそりやつれている。
「タクちゃま、お願い、お芋さんなんとかして!」
どうやら、聞いてみると、コタローの星では大ヒットしたのはいいが、芋が育ちすぎて、他の作物をも駆除してしまう勢いらしい。そして気が付いたら作物がすべて芋にやられてしまい、人々は毎日芋付けの生活だそうだ。にわかには信じがたいが。
俺は、るーたん、ぽち、そしてラムダとともに、コタローの星に向かった。
「なんじゃこりゃー!」
芋が1m、2m、大きいものでは5mにも成長している。うわ。これは・・・・・・。
「かみさま、もう食べられません。おえっぷ!」「食べるんだ。かみさまのためだ。」「もうダメです。」「寝るな。寝ている間に奴らは成長するぞ!」
この星の住民が、なんとかすべてを食べ尽くそうとしているが、追いつかず、死屍累々である。
俺はるーたんに、腹一杯食べなさい!といって、野に放った。
そこから、るーたんと芋の戦いがはじまった。最初は押されていたるーたんだが、怒涛の勢いで食べ始める。俺とぽちも頑張ったが、すぐギブアップした。おえっぷ。
さすがのるーたんも食べる速度が落ちた。
しかし、まだまだ、食べつくせないほどある。俺は、ラムダに、収穫を頼んだ。山積みになる芋。俺は、これを交換スキルで、別の食料に変えていった。
最初から、こうすれば楽だけど、まあ、るーたんを一回は本当に満腹にしてみたかったし。
るーたんは、どうやらもう動けないようだ。と思ったその瞬間、るーたんが光り輝いた。なぜか、るーたんの体は繭に覆われた。変体が始まるのか。しばらくして、カッと繭が光り輝き、見目麗しい女性が出てきた。
うん、るーたんの成長した姿だ。うーん、ミリカにも負けない大きさになった。身長も胸も。
「タクちゃま。ありがとうございました。」
「いや、こっちこそすまなかった。もう芋はこりごりだね。」
「ええ、一生分食べましたから。」
俺たちは元の場所に戻った。
「パパー、ぽんぽん痛いの〜!」
るーたんは、トイレにかけていった。そして、帰ってくると、元の大きさに縮んでいた。いったいどういう理屈なんだ????
ブックマークありがとうございます。大変励みになっております。亀更新ですが、よろしくお願いいたします。




