ソウルフードの日
リア充ガス大爆発!
「ごし人様、何つくるろ?」
コシチが俺に聞く。実は、俺は、収穫祭に出す食べ物の研究をしているところなのだ。俺としてはソウルフードのたこ焼きにしたいのだが、なぜか、女神様たちが大反対なさったので、仕方なく、違うものを考えているのだ。難しい。
サーシャに焼き鳥風マヨネーズ丼、ガッツリ系ケバブ風マヨネーズ丼、親子丼風マヨネーズ丼、豚の生姜焼き風マヨネーズ丼などを考案して毎日食べさせたら太ったらしくグーで殴られた。ぐーだよ、ぐー。痛いんだよ!それにしても困った。
手軽に食べられて、しかも安くて美味しい。そんなものあったっけ?
ちょっとローカルだが、オランダ焼きは、どうだと思ってサーシャに食べさせたら、また殴られた。ちょっとは、マヨから離れろ、ということらしい。どうしてだ!うまいのに。
ちなみに、限定で、カフェで出したら、みんな争うように食べているぞ。おかしいな?
そこで仕方がなく、ぜんぜんひねりはないが、アメリカンドッグを出してみた。するとどうであろう、なぜか男どもには大好評だった。しかし女性は、手が汚れる、ケチャップが垂れるなど、散々な評価だった。
そこで、綿あめを作ったら、女性には大人気だが、男性には、受けが悪かった。どうすればいいちゅうねん!
オムソバは、男女共微妙な反応だった。特に俺の焼きそばがまずいというイメージがあるのか、オムレツの中から焼きそばが出た瞬間みんなのテンションがだだ下がりで、涙目になったのは内緒だ。
とりあえず、街中の広場で、アリー、リース、アイカに、それぞれ、オランダ焼きとアイス、アメリカンドッグとかき氷、綿あめとマンゴーシャーベットの屋台を出してもらい、その売り上げで、どの屋台を出すか決めることにした。
しかし、なぜか、3人のテンションが異常に高く、しかも競争意識が強い。なぜだ?
「タックン、私、絶対負けない!」「かみさま、私が勝つから!」「タクト、私が一番だからね。」
俺は、よく分からないが、とりあえずばんがれ!と声をかけておいた。
3人が出て行ってから、やっと店も落ち着いたので、ハンモックで寝ていると、サーシャが肘を落としてきた。
「ぐえ、何すんだ!」
「何すんだじゃないわよ!あんた、なんで私たちを呼ばなかったのよ!」
すると、スネたり涙目の女性たちが、こちらを恨めしそうにみている。はあ?
「あんた、この勝負に勝ったやつが、一番の正妻になるって言ったらしいわね!一番は、私なんだから!」
「何を言っておる。妾に違いないだろう!」
王女がサーシャを睨む。
「私だにゃん!」
ミケが薄ら笑いを浮かべている。怖い。
「わけのわからないことを。私に決まっております。ねえ、ご主人様!」
ミリカが嫣然と微笑む。
「ボクだってば!」
シェールの鼻息が荒い。
「何言ってるの!ランちゃんなのー!」
ランちゃん、あんた9歳だろうが!
「店長は、私のものなの!」
ケチャが大声で叫ぶ。下ごしらえの途中だったのか包丁を持っている。やめれ!死人が出る!
「タクト殿、俺も参戦するぜ!」
ケイト、お前は呼んでいないぞ!
あわや一触即発だ。くわばら、くわばら。俺は、女性たちが睨み合っている中、こっそり抜けようとしたが、再び肘打ちをくらった。グエ。
「あんたー!あんたを巡っての争いなんだから、あんたが逃げてどうすんのよ!」
「えええ、俺、関係なくね!」
「ふざくんな。」
「ぐえ。」
すごい肘打ちが決まった。
そこに、すごい勢いで、ヘーちゃん様が現れた!
「えー、私抜きで、タクトラブラブ嫁いじりがあるってきいたからすっ飛んできた!」
はああああ?
「この問題とかけまして、釣りの生き餌と解きます!」
うお、アテナ様、俺の後ろから大声を出すのはヤメテ。そのうち、心臓とまるから!
「そ、そのこころは?」
「どちらもごかい(誤解・ゴカイ)でしょう!」
ふえ!みんな海のゴカイを知らないからポカーン状態だ。
「ええと、アテナ様、どういう意味でしょうか。」
「この戦いは、私たちの神殿で供する食事を決める戦いです。」
「はあ?じゃ、正妻を決める戦いでは?」
「もちろんそうではありません。」
みんな、ほっと溜息をついた。涙目のシェールが飛んで来て、ちゅっちゅっした。
ずるーい、という声とともに、ちゅっっちゅっ大会になってしまい、唇ふやけたわ!やめい!
結論からいうと、屋台の3人は涙目で帰ってきた。売り上げは、ほぼ同じ。しかも、売り上げは、メインの料理ではなく、全部デザートだったそうだ。綿あめは売れそうだったのに、布団の材料だと勘違いして、誰も食べなかったそうだ。うーん。色をつけるべきだったか。
その後、3人に、これを行った主旨を説明したら、泣かれた。そして、なぜか、こちらからもちゅっちゅされた。もう、ちゅっちゅはええねん!いらんねん!
それにしても何を食べさせたらいいんだろう???
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