アイカぱしられる
どうもみなさん、お元気ですか。亀です。いつもお読みいただきありがとうございます。
「タクト、サンドイッチちょうだい、一番高いやつ。上薬草入りのやつらしい。」
アイカが、たたた、と階段を降りて台所にやってきた。
「おまえ、なんで知ってるの、そんなメニュー。」
「ヘスティア様が御所望なの。それとアイスティーね。」
えええ、ティーかよ、めんどいな。
「早くして!」
「はいはい。」
どうもアイカは、パシリとして、使われているようだ。
俺が、サンドイッチを作っていると、急に、アイカが止める。
「ちょっと、ピクルスは抜いて欲しいみたいよ。」
うるさいなー。
俺が作り終わると、アイカがいそいそと、お盆を持っていく。どんな手下だよ。
俺が、常連さん達のかき氷を作っていると、また、アイカがきた。
「ヘスティア様も、それを御所望。でもミルク味にしてね。」
「今日はミルク味じゃねえぞ。」
「でも作って、ヘスティア様のためよ。」
うーん、完全にパシられている。
俺は、ため息をついた。
「おい、アイカさあ、なんでヘスティア様、出てこないの?」
「うーんよくわからないけどエネルギーが足りないんだって。」
やれやれ。俺は、かき氷を持ってヘーちゃん様のところに向かった。
「あ、アイカー、それ食べさせて〜。」
「へーちゃん様!」
「あれ?タクト、会いに来てくれたの。」
「ちょっと騙されたと思って、俺に抱きついてみてください。」
「えー、こんな昼間からー。まあ、いいけど。」
抱きついた瞬間、くわっと、ヘーちゃん様が目を見開いた。
「こ、これは、ち、力が戻っていく。はははははは!」
反対に俺は力が外に出て行ってげっそりだ。
「ふふふふふふ。はははははは!」
ど、どうしたんですか。へーちゃん様。
「人間よ、真に美味。褒めてつかわす。我が名はヘスティア、人の世の中心に座する神なるぞ。こい!」
いきなり、天井が吹き飛んだ。
片手をかざすと、空から、中心に巨大な火が燃えている船が降りてきた。
「さあ、このヘスティアが再生する新世界を見せてやろうぞ!ふははははは!」
アイカは、近くで、腰を抜かしている。あ、漏らしたか?
「そこの人間、来るがよい、ヘスティアの力の源として、永遠に生かしておいてやろう!うはははは!」
その瞬間、アテナ様とアルテミス様が現れて、ヘーちゃん様を抱えた。
「ふふふ。姉妹といえど、容赦はしないぞ。」
しかし、その瞬間、メータン様も現れた。
「メタトロンよ、貴様、そちらに与するのであれば、容赦はせぬぞ!」
更にミケも現れた。
「ミカエルまでもが。ええい、こんな世界、破壊し尽くしてくれようか。」
4人が、ヘーちゃん様を閉じ込めた。しかし、どうもヘーちゃん様は、抵抗している。すごい力だ。紅蓮の炎が4人が作ったエネルギー場を侵食していく。どんな力だ。
だが、エネルギー切れのようだ。その瞬間、全てが収まり、天井も元に戻った。船は、天へと帰っ行った。
「あぶなかったのにゃ!」
ミケが汗を拭う。
「相変わらずめちゃくちゃな力ね。」
メータン様が、ため息をつきながら言う。
「もう勝手なことしちゃだめじゃない!」「もう少しで、この世界が終わることだったのよ!」
どうやら、このヘスティアは張り切るとダメなやつらしく、のんびりしている時が一番いいらしい。
「だから、あなたが電池になるって教えなかったのに。まあ。いいわ。これから少しだけ、ヘスティアには魔力を分け与えて。自分で何かができるぐらいまでのエネルギーでいいから。黒竜の娘も、手伝ってあげてね。」
コクコクと壊れた人形みたいに、うなづくアイカ。
これで、騒動は収まったかと思ったのだが・・・・・・。
「ねー、アイスティーもってきて。」
「はい、ヘスティア様、ただいまお持ちします。」
なんだか、自分でもできるくせに、完全にアイカはパシリとしてこき使われている。
「どうなってんの、あいつ?」
サーシャは、首を傾げている。まあ、あれを見なければどうして、こうなっているかは。わかんないよな。
俺は、ため息をついて、アイスティーを作ってやるのであった。やれやれ。
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