胸の大きさで人の価値は決まりません!
亀です。いつもありがとうございます。
「で、あんた、何人嫁がいんのよ!」
アイカが俺に詰め寄る。
「嫁だぁ?俺は独身だ。結婚していないぞ!」
「だって、あんたのこと、旦那とか主人とか呼んでるやつがここにゴロゴロしているじゃない!」
「あ、それは、単なる自称だから気にすんな!」
「アホー!気にすんなって言われて気にしないやつがどこにいるーっ!」
「アホっていうやつがアホじゃ!」
俺たちは大声でどなりあった。
すると久しぶりに引きこもり超人ヘーちゃん様が現れた。
へーちゃん様を見て、アイカが氷ついた。
「ん、どした?」
「し、信じられない美人。」
「およよ?ここに私の価値を知る子が現れた?うーん。褒めて褒めて!」
たしかにヘーちゃん様は、美人だ。アルテミス様ほどではないが、胸も大きいし。
ぽかっとヘーちゃん様に殴られた。すみません。俺はサンダルをペロペロした。ああ、味が違う。
そんな俺を気色の悪いものでも見るようにさげすんでいるアイカ。ばーか。これ、結構おいしいんだぞ!女神様のサンダルだぞ!
「あなた名前は?」
「ア、アイカともうします。」
なぜか敬語だ。俺にも敬語使えよ!
「私は、ヘーちゃんよ。一応、そいつの妻。」
それを聞いて、がくんとアイカの顎が下がった。
「う。嘘!」
そして、ヘーちゃん様の胸を見る。そして、ギギギ、と自分の胸も見た。
うえーん、と泣き出すアイカ。
「あらあら、どうしたの?」
「だって、だって!」
アイカが泣きじゃくる。
「ととのいました!」
うわ、なぜこのタイミングで?
「ヘスティアとかけまして、大切な判子と解きます。」
「そ、その心は?」
「どちらもぼいん(ボイン・母印)でしょう。」
はあああ?なにその品のないギャ、う、うそです。素晴らしいです。
俺は、アテナ様に睨まれて、サンダルをペロペロした。うーん。こっちは、甘さの中に、ちょっと苦味があって、うまい!
「あらあら、もう、なにやってるのかしら。」
アルテミス様が降臨した。それを見て、アイカは更に泣きじゃくった。まあ、アルテミス様は、破壊的な胸をお持ちだからな。
「たかが胸のことで、ぴーぴーなくんじゃありません!」
「それだけじゃないんです。3人とも見たことのない美しさで、もう絶望してるんです。あーん。」
「なにを言ってるの、黒竜の娘よ。私たちが美しいのは当たり前です。私たちは女神ですから。」
パタっと希望を持った目で泣き止むアイカ。
「で、では、タクトを夫にはしないのですね。」
「それはするけど」「え、もちろんするけど」「なに言ってるの、するわよ」
3人が、即座に答えると、またアイカが泣き出した。
「なにを泣いているのです!」
「タクトを取られちゃう、あーん。」
呆れたアテナ様が続けた。
「別に、みんなで分け合えばいいではありませんか。それに胸なら、大きくしてあげてもよい。」
ちらっとアテナ様の胸を見て、更に泣き出すアイカ。
「あーん、うそだ!うそだ。他のお二人と違って、あなたの胸大きくない!あーん。」
ぐっと天罰を与えそうなアテナ様を押しとどめて、俺は、アイカに話しかける。
「ア、アホー!アテナ様ができるっていったら、できるんだ!それに、胸の大きさなんかで人の価値は決まらないぞ!」
俺が言うと、アイカは泣き止んだ。
「本当?」
「アテナ様、お願いです。じゃ、大きくしちゃって下さい!」
「よいが、後で、揺り戻しがあるがいいか?」
そして、アテナ様が何かを言うと、アイカがぐんぐんと成長した。すると、胸もすごいことになった。
「あああああ、すみませんでした。すみませんでした。」
アイカがアテナ様に土下座した。
「あああ、あの乳女に、見せに行ってくる!」
そうアイカは行って、部屋を出て行った。
「あーあ。間に合わないと思うけど。」
「え?アルテミス様、どういうことですか?」
「すぐにわかるわよ。」
10分後、胸どころか、ちんちくりんの5歳児程度に縮んだアイカが泣きながら帰ってきた。
「揺り戻しが思ったより早かったわね。」
え?どういうこと。
「未来の姿を先取りすると、それにかかった以上の長さで過去の姿になっちゃうの。」
「アテナ様、そ、それってどのぐらいですか。あーん、あーん。」
アイカが聞く。
「一週間ぐらいかしら。ふふ。」
可愛く言っても無駄です。
その後、アイカは、仲良く1週間ぐらいヘーちゃん様と一緒に引きこもっておりました。おかげで、どうもアイカはヘーちゃん様の手下となったようです。
めでたし、めでた・・・・めでたいのかな???
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