アイカ襲来!
亀です。皆様お元気ですか。リア充は滅びるべきだとは思いませんか?
精霊王さまと姫さまからは、たくさんお土産をもらった。すると、コジローが、ぱっと、それを猫カフェに送ってくれた。どうも神の力で物質を瞬間移動させることができるようになったらしい。コジローまじ有能。
帰り道、コジローはいつものようにスルスルっと俺の頭の上に登って四肢をふんばりあたりを睥睨している。
帰り道は大変で、みんなが貢ぎ物を持ってきた。
「かみさまー。これ、今年とれた木の実。おいしいよぉ。」「かみさまー、これ、私たちの村で作ってるトマト、サラダにしてー!」
次から次へとくる贈り物を、もらったはしから猫カフェに送ってくれる。
すると、遠くの空に黒いしみのようなものが現れたと思ったらみるみる大きくなってくる。うわ、まさか。
「おお、タクト殿、そして、かみさま。」
「黒竜のおじいしゃま、お久しぶりなの。」
「元気そうでなにより。すまんが、わしの家に来てくれんかな。」
有無を言わさず拉致された。すごい勢いで飛ぶから、俺は気を失ってしまった。
気がついたら、もうついていた。絶対音速超えたぞ。俺はふらふらになりながら、背中からおりた。
しかし、大きな城だな。まあ、こんなに体が大きいから、住みかも自然大きくなるんだろうな。
俺とコジローは、客間に通された。
「で、あいつは元気だったかの?」
「姫さまですか。もちろん、幸せそうでしたよ。」
それを聞いて、ちょっと忌ま忌ましそうだった。しかし、思い直したのか、話し出した。
「あいつは、しっかりしているように見えて少し抜けているところがあるから最初精霊王と付き合ってると知って嬉しかったのじゃが。」
黒竜は首を振る。
「まさか、あんな謎のラップとかいうもので身を立てるとか言い出したから反対したのじゃが。で、そのラップ道場なるもの、流行っておるのかの?」
「ええ、生徒さんもたくさんいましたし、多分、問題ないかと。」
「すぐ失敗して、あいつに愛想尽かしをして、逃げかえってくると思っていたのにのう。」
黒竜は、寂しそうだった。
「まあ、今日はその話ではないのじゃ。実は・・・・・・・」
「パパ、そこからは、あたしが話すわ!」
おお、姫さまと瓜二つの美しい女性が現れた。プラチナブロンドの髪、そして、緑の目、美しい女性だ。だが少し、ちんまりしている。
「私は、アイカ。黒竜お父様の次女よ。私、旦那を探してるの!それで」
「はあ、お前みたいな小娘にコジローは、やらん!アンダスタン?」
俺はアイカとやらを遮った。
「はあ?何言っちゃってるの?アホなの?バカなの?」
あ、こいつ多分残念美人だ。顔はいいけど性格が破綻してるパターンだ。しかし、黒竜さま、にこにこして見てるだけだ。あ、多分典型的なだめな親だ。
「お前なあ、バカっていっている奴がバカなんだぞ!」
「何言ってんの。あたしが結婚したいのは、あんたよ、あんた!何後ろ見てんのよ!あんたのことよ、タクト!」
「はあ、アホか。俺の名前は、タクトじゃねえ。俺は、ラップゴッドだ!」
はてながアイカの顔いっぱいに広がった。そして助けを求めるように、黒竜さまを見る。
「つーことで、この話はここまで、じゃ!帰ろう。コジロー!」
しかしコジローは動かない。
「タクしゃま、ちゃんと話をきいたげて!」
コジローに言われちゃしかたがない。
「じゃ、聞くだけだかんな。」
俺は腰を下ろした。
「この娘、お前も見たように、長女と違い、口が悪い。お見合いをしてもいつも相手を泣かすか怒らせるかで、ついに誰も話すら持ってきれくれなくなった。」
「そんなとき、お姉さまと精霊王のお兄様に聞いたら、あんたのことを勧めるから興味を持って、遠目魔法であんたを見たら、私の好みだったの!おねがいです。結婚して。」
「というわけじゃ!」
何が、というわけで、だ!全然わかんないよ。っていうか、こいつもショタコンかよ。
「タクしゃま、この子、すごい力。多分、神様を育てるのに役に立つ。」
あー、そっちだったのか。仕方ない。
「わかった、結婚はともかく、連れて行って、仕事を手伝ってもらうぞ、そこから始めよう。」
そして、俺たちは、猫カフェに帰った。
俺にデレデレベトベトするアイカ。
「タクトー、あんた!また、女を連れてきたの!」
サーシャが俺を睨みつける。怖い。しかし、アイカは、ふん、と鼻で笑う。
「何、この女、嫉妬しちゃって。まあ、私の方が百倍もかわいいし、綺麗だから、嫉妬するのも当然ね!」
サーシャが怒りで、声も出ず、口をパクパクさせている。
「あーら鯉みたい。おほほほほー。」
こいつ性格悪いぞ。でも、実はサーシャもこいつに負けないぐらい綺麗なんだがな。
そこに、ミリカが通りかかった。
「あら、ご主人様、新しい女性ですの。ふーん。」
アイカは、息を飲んだ。それはそうだろう。こんな綺麗な女性を見たことがないんだろう。でも、まあ、いい勝負だよな。一点を除いては。
ミリカは、勝った、というように胸を突き出した。
アイカは、ミリカの胸を信じられない、というように見て、自分の胸に目をやった。ちんまりだ。ささやかだ。
うわーんとばかりにアイカがかけて行った。気の毒に。
ふん、勝った。とばかりに俺の額にキスするミリカ。
ケチャが小声で、言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「あの娘とは仲良くなれそう。」
たしかにささやかさ加減ではいい勝負だ。
俺が、ベッドに行くと、ランちゃんが、贈り物に埋もれて足をバタバタしていた。
「助けてー!」
「るーたんが助けるのん!」
るーたんが、勢いよく食べているので、順調にランちゃんは出られそうだ。
「パパ!うまうまなの!」
うーん、普通にどかして出してやればいいのに。俺はため息をついて、ランちゃんを出してあげた。
「て、店長!上から、ものが降ってきてランちゃん怖い!」
そして、ひしっと俺にしがみつく。すると、下からダダダダダ!とシェールが駆けてきて、あたしもーっといって、抱きつく。もう、なんなんだ!!
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