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猫のゆりかごになったった

亀更新で本当に申し訳ありません。猫ちゃんが好きなのに、本人は亀です。どん亀です。

アリー、お前いい加減に自重しろ!俺は、なんだかわからないが、また他の星の上にいた。どうも元いたところに似ているから、どこか別の場所に移動したのかと思っていたのだが、どうやら、違うらしい。また、太陽がたくさん見えるよ。トホホホホ。


違っていたのは、そこに人がいたことだった。見え麗しい女性だ。アテナ様やアルテミス様にも遜色しない美人だ。驚いた。


「こんにちは。あなたが、アーちゃんたちがいっていた猫さん育て名人ね?」


はあ?


「私はこの星の女神、ヘーちゃんって呼んで。」


えーと、あのう。どうも人間にしては美しいと思ったけど、女神様がどうしてこんなとこに?


「あ、今回は、私が、アーちゃんたちから直々にあなたをレンタルしました!」


えーと、アーちゃんたちって誰?


「もちろんアテナちゃんとアルテミスちゃんよ。」


あんたらでしたか。それにしてもレンタルってなんぞ?


「うーん会えばわかるけど、ここ猫さんの星なのよ。で、私がここを任されてたんだけど、誰も神様にならないから辟易としてたわけ。そしてら、アーちゃんたちが、猫さん育て名人がいるっていうから、私のへそくりと引き換えにあなたをレンタルしたのです!どや!」


ジャジャーンとヘーちゃん様はドヤ顔をした。え、じゃ、これ、アリーのせいじゃないの?アテナ様、アルテミス様、そんな殺生な!ちょっと待って!レンタルってどのぐらい?


「聞いて驚け!無期限です!」


ひえええええ。え、じゃ、俺、ここで永遠に暮らすの。魂ぬけるわ!そんなん。


「心配ご無用!あなたは、歳もとらないし、元の時間線では3分もたってないから。カップララーメンだから!」


よくわからないが、俺はここに島流しになったようです。仕方がないから、散歩に出かけると、確かに猫ちゃんたちが、たくさん住んでいます。


「どや!すごい数でしょ!しかも、ここの猫さんたちは、私の力で歳をとりません。あんたと同じよ!ふふ、すごいでしょ!崇めよ、平民!」


うーん。このへーちゃん、ちょっとテンション高いな。


「いやあだって、こんな可愛い子がきたら、テンション、あげあげでしょ!じゅる。」


うわ、この神様もショタでした。ボスケテ。


すると、黒猫ちゃんがトトト、と俺に寄ってきました。俺は、猫ちゃんに力を注ぎ込みました。すると、びっくりした猫ちゃんが一声なくと、なんということでしょう!たちまち、俺、猫ちゃんまみれ。こうなったら、やけだ!


俺はどんどん力を入れました。


「わあ、神様!すごい。話せるようになったの!」

「神様、ありがとう!すごい!話せるよ!!」


それを聞いて、へーちゃん様は、ドヤ顔になった。


「ふふーん、そうでしょそうでしょ。崇めなさい。」

「えーと、おばちゃんじゃないの、この方なの。」


黒猫たちは、俺に向かってお辞儀した。


「お、おばさんですと・・・・・・・」


へーちゃんは地味に精神攻撃を受けたようでへたりこんだ。なんだか、笑っている。怖い。


「ククク、この私が、高貴な私が、精神的ダメージをうけるとはな。もうこんな星などいらーん!」


まて、あれは、ギャ・ック砲。おま、ベジー・かよ!


俺は、へーちゃん様をどついた。はっと正気に戻るヘーちゃん様。


ぶるぶる震えていた猫ちゃんたちが、俺をわっと取り囲んだ!


「神様ありがとー!」「悪は滅びたのー!」「あれ、邪神に違いないのー!」「ありがとーなのー!」


俺は、猫ちゃんたちに、抱え上げられ、猫ちゃんたちの住居に運び込まれました。そして・・・・。


アテナ様、アルテミス様、あれから10年経ちました。お元気ですか。俺の日課は、神様もうでしてくる猫ちゃんたちに力を与えることです。もう毎日、ぐーすかねて、おきたら、猫ちゃんたちに、力を与えています。もう、どっちが猫かわかりません。俺は、毎日ねて暮らしています。力を与えると、疲れるので、ねて暮らしています。へーちゃん様は、10年も経つのに、まだ、俺の部屋のすみで、暗くなっています。


猫ちゃんたちは、なぜか俺のちからで、邪神が抑えられていると勘違いして、ますます、俺への敬意が高まっているようです。よくわかりません。


もうすっかり、猫カフェのことも過去のことです。


さらに、10年経ち、ついにその日がきました。全ての猫ちゃんたちが神様になったのです。


「神様、ありがとー」「りっぱに仕事してきまーす。」「神様ばんざーい」「ばんざーい!」


なぜか、猫ちゃんたちは、俺をたたえて、一柱、一柱と、いろいろな時代、場所、次元に旅立ちました。そして、ぽつんとヘーちゃん様と俺が残されました。


「あんたは、いいわね、あんなにたたえられて!私がこの星の神なのに!」

「えーと、ヘーちゃん様、もう誰もいないので、神様をやらなくてもいいかと思うんですが。」


それを聞いて、ヘーちゃん様は、更に絶望の顔をしました。


「しまった!!!それを考えていなかった!」


えーと、ちょっとお間抜けな神様なんでしょうか?


すると、ととととと、と最初に俺に触れた黒猫ちゃんがやってきました。


「あれ?まだ旅立っていなかったの?リース?」

「あたし、神様と一緒に行く!」


えーと。


「じゃ、あたしもついてく!どうせ行くことないし!」


なんですと!


「それに、アテナちゃんとアルテミスちゃん、あたしの姉妹だし!」


はぁあああああ?


「ま、あんたの子をいずれ私も産んでやるか。」

「ええええ、ずるい、私も神様の子供が欲しいの!」


えーと?


すると、アテナ様とアルテミス様が現れた。


「ヘスティアー!あんた、なにやってんの!ちんたらちんたら、20年もかかって!あっという間に、タクトだったら神にできたのに!やり方教えなかったの!」

「あ、落ち込んでいて忘れてた。」


な、なんですとー、俺は、20年を単に無駄にしただけですかー!!!!


「いやいやいや、あんた、ヘスティアと、リースを手に入れたでしょ!予定調和よ。さ、帰ろう!」


そして、俺たちは、飛翔した。


懐かしの我が家。あ、あれは?だれだっけ?


「あ、タクト!あんた、なにさぼってんの?」


俺は、サーシャにしがみついておいおい泣いた。なぜか、涙が後から後から流れてくる。


「あんた。どうしたの?」


そう言いながらもサーシャは優しく俺を抱きしめて、撫でてくれた。家ってやっぱりいいな。

秋の優しい光が俺をやわらかく照らしてくれた。


いつもお読みいただきありがとうございます。ブックマーク、本当にありがとうございます。ただただ感謝です。これからもよろしくお願いいたします。

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