リリー告白する
ちょっと短めです。
リリーが俺をバックヤードに呼び出した。バックヤードって言っても、ハンモックが吊ってある庭に続く裏口なんだけど。
「おま、俺をこんなとこに呼び出して、カツあげとか考えてねえよな。」
「はあ?何それ?頭腐ってる?」
「言っとくけど、俺はつええぞ!まあ、俺ゃなくて猫ちゃんだけど。俺の猫ちゃんの戦闘力は58万超えてるからな。しかも108式以上あるぞ。」
「わけわかんないこと言ってないであんたも協力しなさいよ!」
「面倒なことはいやだかんな。」
「簡単なことよ。コ、コ、コ、コ」
「鶏?」
「ちっがーう。コ、コ、コ、コ」
「こだまでしょうか?いいえ誰でも?」
「何それ?そうじゃなくて、コ、コ、コ、コ」
「コケッコッコー?」
「さっき言った。鶏じゃないつーの。コ、コ、コ、コサブロー様のことよ。」
「ああ、それか、俺は、協力せんぞ!」
俺は、あほらしくなって、猫カフェに戻ろうとした。サンドイッチつくんなきゃ。
「お、お金なら、払うわ!」
「言っとくけど!」
俺は釘を刺した。
「お金なら、セリーヌからたんまりもらってるし、お前らに彼女が払っている以上の金は無理だから!それになあ・・・・・」
俺は、最近のコサブローの様子を思い出して、言った。
「あいつ、完全にセリーヌに調教されてっから。もうあいつ、セリーヌに心を奪われてっから。」
「そそそそそそそ」
「そは青い空?」
「そそそそそそんなことは知ってるわよ〜〜〜〜〜〜!!」
なぜか涙目。
「ででででででででで」
「デーモン閣下?」
「ででででででででで」
「まさか、デデンネ、って知ってるわけないか。」
「でも、好きなのよ〜!コサブロー様のことが!」
うん、知ってた。おまいら、完全にショタだし。セリーヌもお前らも同じ穴のムジナだし。
「まあ、頑張れ!」
俺はポン、っとリリーの肩を叩いた。
「あんたに、次期筆頭召喚士の地位を譲るから!助けてよ。」
あー、そんなのいらないし、なりたくないし。
「タックン!女の子泣かしちゃダメー!手伝ってあげるの!」
えーとアリーよ、まとまりかけた話をめちゃくちゃにすんな。
「そうですよ!店長!助けてやってください!」
シェール、お前もうるさい。ってーか、俺の耳を噛むな!
「あー、わかったわかった!ちょっとだけ連れ出してきてやっから、待ってろ!」
俺は、セリーヌのところへ、頼まれていたサンドイッチを2つ届けた。
あいからわず、コサブローは、セリーヌにペロペロされてる。前は嫌そうだったのに今はうっとりしている。うーん、この。
「ところで、すみません。コサブローをちょっとお借りしてもよろしいですか。」
「もちろんだめ。」
「ええ、それはわかります。でも、なんと、コサブローに、新しいチョーカーをつけようかと思いまして。セリーヌ様とお揃いの!」
「よし、わかった!」
というわけで、俺は、コサブローを連れ出した。チョーカーをこっちで負担するのは痛いが、まあ、セリーヌからは、死ぬほど金貨をもらっているから、いいか。
「ほら、連れ出してきたぞ。お前の思いの丈をぶつけるんだ!」
俺は、リリーに言った。リリーは、顔を真っ赤にして、コサブローに言った。
「コサブロー様、お慕い申し上げております。ぜひ、私にもペロペロ、ハムハムさせてくださ〜〜〜〜〜い!」
えーと。そんな告白でいいのか?リリーよ?
「オレノココロモ、カラダモ、セリーヌノモノ。セリーヌ、オレペロペロスル、セリーヌオレ、ハムハムスル、セリーヌノケンリ、オレ、セリーヌノモノ」
うーん、完全に洗脳されてる。ちょっとロボットぽいし。ラムダの方が人間らしいぞ。
よよよ、と、リリーは泣き崩れた。まあ、そうだろうな。
俺はコサブローにチョーカーをつけて、コサブローにチョーカを渡した。
「お前、これ、セリーヌにつけてやんな。」
すると、コサブローは、にっこりして、るんるんとセリーヌの方へ帰って行った。
「つーわけだから、よろしく。」
「あんた、セセセセセ」
「切腹?」
「違う、責任とって、私に、美少年んを紹介しろー!!!!!!」
魂の叫びだ。あーあ。いっちゃった、自分の性癖を。恥ずかしいったらありゃしねえ。
ところが、なぜか、アリーも、シェールもうんうんと涙を流して聞いている。この話のどこに泣く要素があったんだ、教えてくれ、プリーズ!
「タックン、紹介してあげて!」
「店長、私からもお願いです。」
「わーった!わーったよ!」
というわけで、なぜか、リリーのあほに、美少年を紹介することになった俺だった。どうしてこうなった?
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