アンの痩身術
すみません、全然、更新できません。ううう。
今日は、朝から猫カフェが忙しい。あまりにも忙しいから、アンにも手伝ってもらっている。
ところが、久しぶりの猫カフェ勤務で、うさみーるの時のキビキビした動きとは対照的に、まったりゆっくり、ほっこりの猫ちゃんめでつの仕事ぶりで、どうも、効率が悪い。しかも、機嫌がいいのか、時々、ふんふん鼻歌を歌っている。それが下手すぎて、最初、お経でも唱えているんじゃないかと思ったほどだ。
「おいおい、アン、頼むから、このサンドイッチ運んでくれよ!」
「わかりましたわ。ちょっと猫ちゃん撫でてから、うへへへへ。」
お前、昨日も、お客として来て、散々撫でて行ったろう!働け!
これじゃ、神殿には顔が出せないな、そう思って、とほほと、仕事をしていたら、珍しく午前中に先生が、顔をのぞかせた。
「あれ?先生、お珍しい。こんな時間に。」
「いや、少し、奥さんと喧嘩をしてしまってねえ。」
どうも話を聞くと一方的に、奥さんのほうが悪いのだが、まあ、黙っておいた。夫婦喧嘩は、猫ちゃんも食べないし。
そんなこんなで、先生を慰めながら、サンドイッチを作っていると、カラン、とドアが開いた。
お、奥さんキター!そう思っていると、奥さんが、先生を見つけて急に抱きついた。
「ごめんなさい。」
「いや、いいんだよ。」
先生は、どこまでも優しいな。
常連も、まったりと、生暖かく二人を観察・・・眺めている。
「実は、できちゃったの。」
「何が?」
「あなたとの子が。」
な、なんですとー。これは一大事!!
するとなぜか、アンが、すっと二人の間に、割って入った。
「先生、そんなに、きつく抱きつくと、奥様のお腹の子に差し障ります。それと、これは、当店からの、プレゼントです。」
そう言って、アンは、プレミヤが付いているコジローストラップを差し出した。アホー、それ、残り少ないんだから、ハンカチにしておけー!
それを見た、ケイトが立ち上がった。
「アン殿!実は私も、お腹に子供がいるのだ!」
「へー、どなたのお子ですか?」
アンは、疑いの眼差しで、ケイトを見た。
「そ、そ、そ、それは、ひみつ!」
「ほー、本当ですか。では、この当店特製の痩身茶を差し上げます。」
「はい?あ、あのう、コジロー様、ストラップは?」
「これが最後でした。でも、そのかわりといってはなんですが、どうぞ。痩身茶!飲んでてよかった痩身茶!」
アンは、ボトルに入ったお茶を差し出した。えええー、アン、それ最高にゲキマズのお茶だから。誰もそんなの欲しくないから。バツゲーム狙いの人だっていらないから。
案の定、ケイトの頬がひくひくしている。
「さ、いかがなされました。お子さんのいらっしゃる方には、滋養強壮、最高のお茶です。ささ、ぐいっと!」
「スミマセン、嘘です・・・・・・」
「そうですか。でも許しません!そんな悪い嘘をいう方には、この痩身茶を!」
ケイトは涙目で、呑み下して、青い顔になって、トイレに駆け込んだ。吐くよな。あんなの。
「さ、お二方にも、痩身茶がありますよ!いかがですか。お祝いに!」
アンのアホー!ケイトがトイレに駆け込んだの見たろ!
案の定、先生たちも青い顔で断った。
「もちろん、冗談です!メイドジョーク!」
そんな冗談うれしくもないわ!何がメイドジョークだ!
しかし、その心の声が聞こえたのか、アンに無理やり俺は痩身茶を飲まされた。
ゲッソリしたケイトと入れ違いに、俺はトイレに駆け込んだ。こうやって、ゲッソリするから痩身茶って呼ばれているんだよね。毎日飲んだら、本当に痩せるぞ!何はともあれ、おめでとう、先生。
しかし、怖いのは、アン、あのお茶結構好きなんだよな。飲んでから、トイレにいって、また痩せた、と嬉々として呟くのが怖い。
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