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アリー・マイ・ラブ

おしごとばんがろー!おー!

俺が目を覚ますと、アテナ様とアルテミス様が俺を見下ろしていた。


「ふぁあ」


変な声が出た。な、なんなんだ。いつもベッドではなく、階下のカウチに一人で寝かされていたようだ。もうあたりはしんと静まりかえっている、いや、違うな。ここは、閉じられた空間のようだ。アテナ様とアルテミス様の力のようだ。


「あんた、とんでもないの召喚しちゃったわね。」


アルテミス様が俺に言う。えーと、アリーのことかな。


「あれ、将来、最強の神の一人として君臨するのよ。っていうか、あんたが生む神は、全員、そうなんだけどね。」


アルテミス様が、少し呆れ顔で俺に言った。


「あんたが召喚することは、もう実際に経験していたし、見ていたから知っているんだけど、何度経験しても慣れない。」


アテナ様も、ちょっと呆れている。うーん。どんだけヤバイことをしたんだ、俺。


しかし、アリーが最強の神の一人って、どういうこと?


「まあ私たちはいいのよ。でもメーちゃんがね。」

「そう、メーちゃんがねえ。」


すると、キラキラと光りが収束し、メーちゃん様が現れた。


「あんた、何してくれてんのよ!もう!」


え?メーちゃん様までやってきた。俺、ヤバイことしちゃったのかな?


「あんた、しかも勝手にアリーとか名付けて、ちゃんとサンちゃんって名前あるんだから。」


はあ、まあ、アリーで行きますが。すみません。


「まあ、いいわ!あんた、きちんと、立派な神にしたてなさいよ!まったくもう!」


それだけいうとメーちゃん様は掻き消えた。まったく何をしに来たんだか。


「サンちゃん、いえ、アリーは、ミーちゃん、あ、ミケと同じかそれ以上の力を持ってるんだからね。もう、じっくり育ててよ!」


アルテミス様も、消えた。


「まあ。がんばれ」


ぽふっと俺の頭にアテナ様が手を置いた。そして、アテナ様まで消えた。うーん、なんだかキナ臭い!


「えへえ、るーたん、おならしたん!くちゃくてごめんなん!」


るーたんが言った。気がつかなかったが、神となった、ミケ、るーたんも控えていた。


「タクちゃま、ぼくたちもいます、にゃ!」「タクしゃま、ぼくもいう!」


コタロー、コジローもか。気がつくと、もうこの2人も神化していた。どうもずっと半神に偽装していたらしい。


「タクちゃま、ゴメンなさになの。」「なの。」


まあ、いいさ、どうせ、神デパートに行きたくないとかそういう理由なんだろ。


「タクちゃま、神デパートはいったの!」「たの!」


ほらとばかりにポイントカードを出してきた。アテナ様もアルテミス様もポイントには目がないようだな!


「タクちゃま、もっててよかった、ポイントカード!」「なの!」


うーん、完全に感化されている。



しかし、たしかに、俺には何の取り柄もないが、神を育てることだけは才能があるらしい。でもそんな才能あっても、10円にも足らん!


「10円なら、るーたん、もってん!」


ええええ、って本物の10円硬貨じゃん!さすが、神!るーたん恐るべし。でも、ここは10円に足りないっていうジョークで、9円、くえん、という意味じゃん!まあ、いいか!


どうやら、俺は、こうやって神を生み、育てることが使命のようだ。まあ、やりましょうか。


その時、ドゴオオオ!という音がしたと思ったら、アリーが入ってきた!


「ああああん。タックン、ここにいたー!」


アリーが入ってきたと思うと、俺に抱きついた。勢いがすごすぎて空を飛んでいる。ひえー!


「うわ、噂には聞いていたけど、すごい妹だな。」「閉じられた空間に入ってくるなんて」


そんなこといってないで、タスケレ!俺の命が危ない!


いつまでも飛んでいるぞ!ひえ。気が付いたらぐんぐん上昇している気がしないでも。まてこのままだと、重力を振り切って衛星になっちゃうぞ、ひえ。


すると、いきなり、ミケ、コタロー、コジロー、るーたんが現れた。そして、優しく俺たちを止めてくれた。


「とんでもない妹にゃ!」「タクちゃま、大丈夫?」「タクしゃま?」「パパー、お腹すいたん!」


そして、4人というか4柱は、俺たち2人をそっと、連れ戻してくれた。


「タックン、今度は、もっと楽しいデートがしたいなぁー。」


こいつ!反省していねえ。っていうかこいつも俺狙いかよ!


ミケがはあ、とため息をついて、アリーにゲンコツを食らわせた。


「もう、無茶しちゃダメにゃ!」


アリーはちょっと涙目だ。


「わーん、年増がぶったー、タックン、いたーい。慰めて〜」

「にゃ!失礼にゃ!年増じゃないのにゃ〜!」


うるさくて、迷惑な家族がまた1人増えたようだ。はぁー。


いつもお読みいただきありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。

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