ドリームキャッチャー
リア充滅せよ!
レベル120になってから取得したスキルがあるのだが、それの使い方がいまひとつわからなかったので、試してみることにした。そのスキルの名前は夢補足というのだが、厨二病的には、ドリームキャッチャーとでも言っておくといいのだろうか。なんだか、横文字にすると、スタンド、ゲフンゲフン、のような気もするが。
まあ、なにはともあれ、夢補足のスキルを使ってみることにした。ところが、なにも起きないのだ。なんだ、このクズスキル。
そう思ったこともありました。よくよく考えてみたら、相手が寝ていないと効力を発揮しないんだったな。
俺は、明け方に、皆がまだ寝ているところで、この夢補足を使うことにした。
まず、るーたんの夢だが、論外だった。るーたんの夢では、るーたんが、お菓子の家に入って腹一杯お菓子を食べまくるというたわいもない夢だった。
「うまうま、るーたん。お腹いっぱいなん。もう食べられないん!」
うーん。夢の中まで食い意地が張っていたのか。
次は、ミリカの夢に入ることにした。ところが、これが失敗だった。俺が嫌いなお化けの夢だった。大きな洋館に一人入って、幽霊に追いかけられるのだ。
「助けて。誰か助けて。」
ミリカは全力で走っているようだ。しかし、どうも速度がでない。ぐんぐん幽霊が追いすがって来る。仕方がないから、飛び出して行って、幽霊をやっつけてやった。どうせ夢だ。俺は、自分が超人であると言い聞かせて、次々と、幽霊をちぎってはなげちぎってはなげ。そして、ミリカをお姫様だっこして、飛んで、洋館から抜け出した。そして、星空の中、散歩としゃれこんだ。みると、現実世界のミリカも苦しげな顔から、ほっとした、楽しい顔に変わっている。俺はミリカはもう大丈夫だと判断して、飛び去った。なんでもありだ。
次の夢は、シェールだった。なぜか、夢の中でシェールは俺に抱きついていた。しかも、シャツをクンクンペロペロしていた。夢の中でもやることは同じだ。
「あああ、いい匂い、くんすか、くんすか」
全くの変態だ。これで、満足しているんだからと思い、俺は、見つかると、俺が2人いるややこしい状況になるだろうと思って、夢を離脱した。
ランちゃんの夢は、なぜか日常世界の夢だった。ランちゃんは、夢の中で、掃除や洗濯をしているのだ。夢の中までせっせと働いてかわいそう。そう思っていたら、なぜか、俺が帰ってきた。
「あ、あなたぁ〜。ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」
あほらしいから、直ちに離脱した。
次の夢は王女の夢だ。なぜか発売もされていない、新作フィギュアがそこにあった。おお、なるほどさすが王女、これは、いいアイディアだ。
王女の夢のなかには、働く人々のシリーズが存在し、王女はまさにパン屋さんの家とフィギュアを前にしてにやにやしていた。
幸せそうなので、そのままにして、次の夢へと渡った。次はミケだった。なぜか、ミケの夢の中では、俺との子供がたくさんいて、野球チームを結成していた。さすが、猫神になっただけのことはある。この世界に野球はないもんな。それにしても、にゃんこーず、というのは、いかがなものか?俺が夢の中でホームランを打つのを見届けたあと、俺は別の夢に入っていった。
コタローの夢では、コタローは、近所の子供たちと遊んであげていた。夢の中まで優しいやつだ。
「あ、タクちゃま!」
「俺も入れてよ!」
俺たちはひとしきり、楽しい時間を過ごした。
コジローの夢では、なぜかコジローは、ダンスをしていた。もしかして、秘めたダンスへの思いがあるのだろうか。なぜか、そこでは、コジローは、バレエで苦労しているようで、何度も何度も同じ動きを確認していた。これ、どういう心理状態なのかな?
コサブローは、かわいそうに、夢の中でもセリーヌにペロペロされていた。唯一違うのは、なぜか、コサブローは、陶然とちゅっちゅっされていることだった。絶対こいつ、癖になりつつあるな。
ケチャの夢では、ケチャは、なぜか、ものすごい料理人で、みんなが涙を流して食べていた。ケチャは、ふふん、と威張っている。夢の中ではみんなケチャにペコペコしている。うーんいつもいじめられすぎたのが悪かったか。
最後は、サーシャの夢だが、ここでは詳しく書けない。あいつ、相当ムッツリだったんだな。夢の中で俺にちゅっちゅっしまくって、ごろにゃーんして、次に犬みたいに、はあはあしていた。しかもなぜか全裸だった。あいつ、変態だったんだな。
そして、この夢補足のすごいところは、他の人の夢の中に出てきたものを取り寄せることができることだった。俺は、早速、サーシャの夢の中から、ムチを取り寄せた。
朝、ミリカは、いきなり、目覚めると俺に抱きついて、頭を撫でた。
「ミリカ、お散歩、楽しかったな。」
「ああ、ご主人様、やはり、本当のご主人様だったのですね。ミリカは嬉しいです。」
朝からちゅっちゅっされた。
ケチャには、料理もっと頑張ってみるかといったら、大変感謝された。やはり、料理がしたかったらしい。王女には、今度、新しい働く人シリーズが出るよというと、夢が正夢になったと本当に喜ばれた。
最後に、気取ったサーシャにムチを見せると、サーっと顔が青くなって赤くなった。そして、いきなりハンマーを持ち出して、俺を叩こうとする。
「あんたの記憶を消し飛ばす!」
俺は、サーシャに追いかけられながら、なぜか、笑いが止まらなくなった。それは、サーシャも同じようで、ハンマーを投げ出して、笑い出した。そして、俺に抱きつくと、こっそり、耳元でささやいた。
「私を調教してみたいの?」
そして、ちゅっちゅっされた。どう転んでもちゅっちゅっされる運命のようだ。やれやれ。
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