変態は変態を呼ぶ
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朝の喧騒が終わって一息つく間もなく昼のサービスの準備をする。結構、この時間は、忙しいので、俺もカフェに、かかりきりになる。昼の忙しさが終わるとやっと人心地つける。
カラン、ドアが開いて、背が高い女性が入ってきた。
ここのところ毎日来てくれる人だ。なぜか、あまり猫ちゃんと遊ぶことなく、紙を前にうんうん、うなっていることが多い。コーヒーを飲んで、うんうんうなって、何かをシャカャカ書く。そして、疲れたら、ぼーっと猫ちゃんを眺めるといった感じだ。
ほら、また、うんうんが始まった。コーヒーを準備しておくか。
「マスター、コーヒー!」
ほら来た。
俺は、コーヒーを入れると、持って行った。
「うん、いいね。強めなのがいい。」
彼女は、この世界では珍しいメガネをすちゃっとあげてこちらを見た。なんだか俺が前にいた日本の宝塚俳優の男役見たいだ。ま、髪は長いので、あくまでも印象だけど。
俺は余計な詮索をせずに、仕事に戻った。もうすぐハンモックタイムだ。我慢我慢。
「マスター、おかわりを頼む!」
おやおや。今日はペースが早いぞ。
持っていくと一心不乱に何かを書きなぐっている。
俺は邪魔しないようにはじにコーヒーを置くと、その場を離れた。
「マスター、私が何をしているか、どんな人間なのか聞かないのかね。」
彼女は、カリカリペンを走らせながら、こちらも見ずに話す。
「もし、どうしてもお話なさりたいなら伺いますが、そうでなければ、特には。」
「ふむ。興味がないということかな。」
「いえ、お客様のことを詮索するのはどうかと思いますし、それに。」
「それになんだ?」
「ここを気にいって来てくださってるのです。ご不快な思いをさせたくはありません。」
「ふむ。」
ここで、彼女は、手を止めて、俺を見た。そして、手招きする。
俺は、その手招きに従って、近くに寄った。
「ふふふふ。かわええのう、かわええのう。」
彼女はいきなり俺を掴んで無理やり膝の上に乗せてペロペロし始めた。
「お、お客さま、ここは、猫カフェでして、猫を愛でるところです。少年を愛でるところではありませぬ。」
「くくく、そんなことは承知。だが、私は、少年が好きだ。かわええのう。ペロペロ。」
とんだ変態でした。
サーシャが駆けつけてくれて、おれを救出してくれた。
「お客さま!困ります。こういうことをしていただいては!」
そうだそうだ、言ってやれ、サーシャ。
「こういうことには別料金がかかります!」
ええええええええ!!!!!
「ふむ。なるほど、いかほどだね!」
「そうですね。銀貨1枚、いや、3枚!」
「買った!!!」
そして、俺は、午後、ハンモックタイムを楽しむことなく、ペロペロされた。
店が終わってから、俺はサーシャに文句を言った。
「何考えてんだ!頭、つばでベトベトだよ!もう!」
「いいのよ、あれ、太い客よ。有名なショタ作家、セリーヌだし。」
「はあああ?あいつ、作家なの?」
「ほら、覚えてない、あのラシーヌのために。」
くそ、あ・い・つ・か。あいつのために前ひどい目にあった!いつか復讐してやろうと思っていたが。ふははははは!復讐の時はきた!!!!
俺が、ふはははははは、していたら、サーシャにぽかっと殴られた。ひどいよ。
「あいつ、有名なショタ好きなのよ。そいで、あたしに考えがあんだけど!あんたもあいつにひどい目にあわされたんでしょ!せいぜいむしり取ってやりましょう!」
「いいアイディアだな。でもどうやって?」
「あいつの作品、読んだでしょ!でてくんのは、みんな美少年。それをあいつに差し出して・・・・」
そして、俺は、コサブローを呼んだ。
「おい、俺に用って、なんだよ!いたっ!」
コジローがぽかっと猫パンチする。
「明日から、お前、人間になってもいいぞ!」
「ほ、ほんとかよ!やった!この時を待っていたぜ!」
翌日、セリーヌに、死んだ目で撫でられている人間に戻ったコサブローがいた。こいつ目つきは悪いが、ものすごい美少年なんだよな。
「おうおう、こんなかわいいショタを差し出してくれるとは。あああ、天国!ペロペロペロ。」
「ええ、この個室で、撫で放題、そのコサブローちゃんはセリーヌ様の専属ですわ!」
「せ、せんぞく。」
タラーっと鼻血が流れた。きたない。コサブローの金髪が赤く染まる。
「ええ、しかもお得です!!今なら、金貨50枚で、1年専属契約!!」
「買ったぁあああああああああああ!!!!!」
こうして、俺たちのカフェにまた1人、変態、もとい常連客が増えましたとさ。
皆様のおかげで、気が付いたら150話を突破していたようです。ありがとうございます。皆様のコメント、ブックマーク、大変励みになっております。ありがとうございます。これからも末長くよろしくお願いいたします。