猫道中がやってきた。
千葉のチュパチュパワンダーランドのロケを見かけました。
どうやら、この猫道中、ミーちゃんのスチャラカな能力を生かして、撮影してから時間の巻き戻しをして全部なかったことにするらしい。よく分からないでしょ。俺も分からない。でも、撮影した事実は残る。放映もする。でも出演者は全部忘れているし、出演料もいらない。どういうこっちゃ???わかった人は、俺に説明してください。
緊張しているのは、ケイト(さん)だ。ケイトは、なんと、凛々しく着飾っている。もう、いつもの常連さんには、趣旨を説明している。
「それにしても参った。この幻獣様たちが、タクト殿の召喚能力でここに存在しているとは。」
いつものめちゃくちゃな感じではなく、ケイトさんは、凄く凛々しい。騙される人が多いはずだ。ちなみに、ケイトさんは、白猫ミーちゃん様を一撫でしてあげるという約束で出演を快く引き受けた。ちょろい。でも、多分撫でられる前に、時間巻き戻しされるんだろうな、不憫な。
「タクト殿が偉人であったとは。召喚士としてのレベルが、ここにいらっしゃる伝説のガウラン様より高いとは」
セオドアさんも、困惑気味だ。坊主がタクト殿だもんな。俺も出世したぜ。
隣に座っているガウラン様も、にこにこだ。だって、白猫様とお知り合いになれるんだもんな。さすがだぜ、レベル30越え。
どうせなかったことになるんだからと、ミーちゃんに言われたが、ちょっとみんなに自分の秘密を知られて落ち着かない。
そんなこんなでミーちゃんの番組が始まった。ところで、メインキャスターは、何人かで回しているらしくて、ミーちゃんは一番人気があるキャスターらしい。とはいえ、みんなレベル30越えだ。すげえよ、猫道中、恐るべし、猫道中。
「というわけで、ここ猫カフェたまにきております。そしてこちらにいらっしゃるのは、ここの常連さんたちです。」
うわ、営業スマイルすげえ、尊敬だよ。全然昨日と違ってかわいらしいよ、ミーちゃん。人気があるのもわかるよ。
「では、この国の王立騎士団第2分隊の隊長であるケイトさんにお話を伺います。ケイトさん、この猫カフェのことを」
「は、はい!それでは、ケイト、演武をいたします!!!!」
はぁ?ミーちゃん困惑気味で、カメラを止めるべきかディレクターみちゃったよ。ディレクターは、太ったおっさん猫だ、そのまま撮影しろとの指示のようだ。
うわ、ケイトさん、すごい、それに剣筋がすごすぎて、剣の刃が見えない。それにしても、猫道中でなんで演武??????
みんなの頭の上にもハテナマークがいっぱいだ。やらかしているな、ケイトさん、相変わらずだ。
「ぶわっかもーん、やめいやめい!」
セオドアさん、さすがだよ。こんな暴走気味のケイトさんを止められるのはあんただけだ。もう一生ついていくよ!!!
そこの足運びは違うらだろ!こうだ!
この筋肉ダルマ、自分も演武を始めたよ!バカかとアホかと!
なんだかハチャメチャな感じで撮影が進んでいった。
演武を終えたケイトさん、いきなりご乱心、ミーちゃんを抱きかかえた。
「うへへへへかわええのう、かわええのう。」
よだれがきちゃない。ミーちゃんの上にだらだらと。あ、あれはキレてるだろ。でもディレクターは嬉しそう。なんだかなぁ。
「はい、23番、アン、歌います。」
どうしたアン!お前そんなキャラだっけ、しかも音痴じゃん。だめじゃん。あ、歌いながら、ミーちゃんを撫でている。こいつもよだれがすごい。2人でダラダラよだれをミーちゃんにかけている。ミーちゃんの目が死んでいる。
そんなこんなで撮影が終わり、ミーちゃんはカンカンになって帰って行った。おわった、俺の人生。
でも猫神さまによると、近年ないぐらいの、視聴率で、記録を打ち立てたらしい。時間の巻き戻しで、全てなかったことに、ここではなっているのだが、小さな変化がおきている。それは…。
「おーいタクト殿、今日のゲスト猫様を早く紹介してくだされ!」
よだれダラダラのケイトが叫ぶ。
「拙者にも、ゲスト猫殿をお願いじゃ!坊主、いや、タクト殿。」
聞こえたぞダルマ!
アンは、コタローに夢中だ。いやそうだな。コタロー、すまん。後で魚をやるからな。
そうだ、あれを見た一部の変態、ゲフンゲフン、変わった嗜好をお持ちの幻獣様たちが、ケイトやアン、そしてセオドアのファンになって、ゲストとして撫でられに来るようになったのだ。
おかげで店の売り上げは少しあがったが、変態的な常連がうるさくて、まったりできやしない。
俺の静謐な時間をかえしやがれ!
チュパチュパワンダーランドのおねえさんが元気でした。キャプテンCもいました!