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カリカリタイムは永遠に

あらすじ:東京の帝大の学生の左之助は、旅館の女中であるよねに、心を奪われた。


身分違いの2人。だが、2人の恋は激しく燃え上がった。よねは、左之助が忘れていった本を胸に抱いて、左之助を思うのであった。


左之助は、東京に許嫁がいるが、好きにはなれない、君と一緒になりたいと、よねにいった。その言葉を信じた。その言葉を胸に、よねは懸命に働いた。左之助の子供を身ごもり、出産したが、その間働けずに、大変な思いをしたが、友人の助けでなんとかしのいだ。しかし、蓄えも底をついた。


そして、よねは東京に左之助を探しにいった。立派なお屋敷があった。よねは気後れした。すると、家から誰か出てくる。あの声は左之助さん、そう思って、駆け寄ろうとしたが、隣に、美しく着飾った女性がいることに気がつくと足が止まった。


まだ若く美しい乙女であった。それにひきかえ、自分は、化粧もできずぼさぼさの髪、みすぼらしい身なり。急に、自分が恥ずかしくなった。そして、踵をかえして歩き出した。


左之助は、うんざりしていた。こんな子供に付き合わなくてはならないなんて。ふと。よねの後ろ姿が見えたような気がした。角を曲がった女性がにていたのだ。だが、こんなところにいるはずはないし、赤子を抱いているはずもない。見間違えだ。左之助は、よねを思った。これが2人があえた最後の日となった。


なぜなら、その次の日、巨大な隕石が地球にぶつかり、人類は絶滅してしまったからである。

今日も終わった。最後の客を送り出して、ドアを閉め鍵をかける。とたんに、猫ちゃんたちも立ち上がって伸びをする。いや、今日もご苦労様。さ、ご飯だ。


カリカリタイムなんて言うけど、うちの幻獣様たちは、いつもおいしいものを食べ慣れているので、カリカリタイムにカリカリ音がしない。嘘みたいな本当の話です。


で、奮発してこの世界でも美食中の美食と言われている、最高級の魚を出したら、なぜかみんな、うにゃうにゃ言って食べましたよ。おいしいものを食べると、どうしてうにゃうにゃ声が出るんだろう。不思議。


で、もっとついでやろうとお皿を引き寄せようとすると、パシって、猫パンチですよ。取り上げようというわけじゃなく継ぎ足しなのに。そんなに最高級の魚がうまかったのだろうか。本能丸出しですよ。怖いね。


俺は、猫パンチでやられた手をさすって、新しい皿に盛るわけですよ。すると、もうそこは戦場ですよ。おー、こわ。


で、それが終わると、やっと俺たちのご飯なわけです。やはり一番働いている猫ちゃんたちが最初で、それから俺たちなんですよ。ま、仕方がないね。クモ山さんたちも、最初は猫ちゃんたちと食べてたけれど、あんまりうちの幻獣様たちが殺伐としているんで、最近は、俺たちと一緒か、そのちょっと前に食べます。クモをびびらせるって、どんだけだよ。


で、俺が2階に行って、ベッドを見ると、なんと!金貨が300枚も積み上げてあったんです。嘘みたいな話でしょう!嘘です。そうであればいいなという俺の願望です。すんません。いや、そうじゃなくて、そこには、ガーガーいびきをたてて寝ている、るーたんとぽちがいました。ぽちはかわいそうに、るーたんの腕の下敷きにされて、うなされています。悪い夢でも見ているんでしょうか。時々、くぅーん、くぅーんと鳴いています。こいつこれでも魔王なんだよな。忘れていたけど。


ダイナミックなのは、シャツが捲り上がっておへそが出ているるーたんの寝相です。俺は、そっと布団をかけてあげました。ぽんぽんいたくなったら困るから。そしたら誰かが後ろからひっついてきました。


「タクトさまぁ〜」


シェールです。


「ボクたちもいつかこんなにかわいい子供が欲しいねぇ〜。」


シェールは匂いフェチなのか、俺にひっついてシャツの匂いをすんすん嗅いでいます。本人はばれずにやっているつもりらしいですが、時々、ああ、いい匂い、これ好きぃーとか言っているんで、丸わかりです。


俺はひっついているシェールを、ものともせずに、次のお部屋に向かいます。そこには、スミス殿のフィギュアを前によだれダラダラの王女がいます。はたから見ると変態です。


俺は、ご飯だよ、と小さく声をかけて、ミリカが使っている声楽の練習部屋兼、俺の元事務室に向かいます。


その間もずっと、シェールはくっついたままです。くっつきながら一緒に移動しています。なんて器用なやつだ。


ミリカが使っている部屋をノックしてドアを開けます。


すると、なんということでしょう。メロン、いや、スイカが目の前にありました。まあ、俺の身長が低いので、その位置に胸があるだけなのですが。しかし、なぜか、着替えをしていたようで、ほぼ、すっぽんぽんです。でも恥じらうことなく、俺に寄ってきます。


「むぅー」


後ろのシェールがミリカの巨大スライムを見て、不満なのか、胸を俺に押し付けてきやがります。ミリカといえば、俺を抱きしめます。胸のせいで息ができません。


ギブギブ、俺は窒息しそうになります。前門のミリカ後門のシェールです。


サーシャが通りかかって、俺を救ってくれます、と思いきや、俺の口に吸いつきました。息ができなかったのに、更に息を奪われます。俺は、窒息寸前です。


すると、ランちゃんが飛びついてきてくれたおかげでなんとか逃げ出します。


やっと階下で、ご飯の準備と、猫ちゃんたちのご飯の片付けを並行して行います。クモ山さんたちも今日は一緒に食べるので、クモ山さんが手伝ってくれます。子供達は、もう席について、今や遅しと待ち構えております。


なんだかんだでやっとご飯が始まります。


その日に起こった出来事なんかをガヤガヤ話しながら食べます。時々、猫ちゃんたちが、通りかかり、あんなに食べたのに、俺の皿から食べ物を盗んでいきます。おかずはいいけどデザートには手を出して欲しくないものです。


なんだかんだで、終わったら洗い物、そして、洗濯をします。洗濯箱に入れて、ガンガン回します。


それが終わったら、温泉ですが、たいていゆっくりできません。みんながなぜか乱入してきて、怖いです。羨ましいという方がいるかもしれませんが、もう毎日だと恐怖です。いつ、乳で窒息するかわかりません。乳で窒息したなんてことになったら、末代までの恥です。あ、あいつ乳で窒息してしんだんだぜーと100年経っても言われそうです。


るーたんのシャンプーを手伝ってあげると、なぜか、ミリカが俺の頭を洗いたがります。楽だからといってまかせてはいけません。みんなが乱入してひどいことになります。この間は、頭に除毛クリームを塗られそうになり、本気でびびりました。まだ、髪の毛は惜しいです。長い友達で居たいものです。


それが終わると、もうベッドタイム。時々るーたんにサーシャが本を読んでくれます。ミリカが子守唄を歌ってくれることもあります。でもミリカの子守唄は凄すぎて、みんな寝てしまうので、要注意です。なぜかおやすみのキスということで、みんながちゅっちゅしにきます。うざいです。面倒です。


ああ、明日はもっと楽な日でありますように、と毎日のように考えるのが、日課になってしまっているようです。

いつもお読みくださりありがとうございます。コメント、ブックマーク、大変励みになっております。これからものろのろとゆったり進んでいきますが、温かい目で、見守っていただければと存じます。これからも、よろしくお願いいたします。

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