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コジローのデート

あらすじ:「というわけで!」

「なにが、というわけなんだ?」


唐突に話しかけられてジローは戸惑った。それより、こいつは誰なんだ。


「デートと遠出は似ていると思わんかな?」

「音だけじゃねえか。」


ジローは思わず突っ込んだ。それにしても、変な奴だ。どうして、

こいつは、頭にパンツをかぶっていて、シャツを履いているんだろう。


ジローは、これが運命的な出会いてあるとはまだ知らなかった。

それをジローが思い知るのは、ハレーすい星が軌道を変えて、人工衛星と

衝突するという大惨事があった年のことであった。

「コジローさま〜!」


プリンルがコジローの後を追いかけていく。コジローはそっけない感じだが、けして、振り切ろうという速度ではなく、追いつける程度に歩いている。


ああいうところが女性の子の心をうつんだろうな。


「店長〜。」

「し、声が大きい。」


俺とランちゃんは、コジローとプリンルのデート(?)を追跡中だ。


「店長、お腹すいたからあれ買って〜。」

「わかった、わかった。」


俺は、屋台の串焼きを買った。やっぱり屋台は串焼きに限るな。


「あらー、かわいいカップルだねぇ。はい、これおまけ。」


屋台のお姉さんが、俺たちに串焼きを3本渡してくれた。3本ともランちゃんに渡す。それどころじゃない。最近のプリンルは、カフェで働き出したせいか、どんどん神に近づいている。そこに来て、このデート。二人とも次のステージにあがれるかもしれない。まあ、コジローが嫌なら、プリンルとの交際には反対だが、どうも、コジローもまんざらでないようなんだよなぁ。それがここに来てデートとは。


「あ、タクト様〜、なにされているんです。あ、ランちゃん!もしかして、私を出し抜いてデートもがもがもが」


俺はシェールの口を塞いで、茂みに隠れた。


「ああああ、タクト様、こんな強引な。」


何を勘違いしたか、シェールはうっとりと目を閉じてキスを待っているような格好をしている。ちがう!俺はシェールの頭を両手で掴んで、コジローたちの方に向けた。


「あれを見ろ、あれを。」

「あ、あれは、コジロー君とプリンルさん?」

「そうだ!俺たちは、あいつらのデートを追いかけてるんだよ!」

「そうなんですよ、シェールさん。もぐもぐ」


ランちゃんはすでに2本目に取り掛かっている。


「はい、シェールさん」


ランちゃんは、半分食べかけの串をシェールに渡す。結局2本半食べたらしい。


「うーん、ほれで、どうひてほんなほとに!」


おい、シェール、食べながら話すなよ。


「どうもコジローくんからさそったようですよぉ。」


ランちゃん、よく何をシェールが言ったかわかったな!


そうなのだ。このデート、コジローから誘ったらしいと聞いたから後をつけているのだ。


二人は店に入っていった。どうやらアクセサリー店のようだ!まさか、アクセサリーのプレゼントか!やるなコジロー。


「あ、いいなぁー。私もほしいー。買って〜てんちょう〜。」

「私もほしい!タクト様、かって〜。」

「あ、わかったから、でかい声出すな。」


すると、後ろから声がする。


「タクト!あんた、店サボってなにやってんの!」


サーシャか。俺は同じようにサーシャの口を覆ってしゃがんだ。


なぜか、サーシャも勘違いして、唇を突き出している。あのなぁ〜。


「な、なによ!べ、べつに、キスをせがんだんじゃないからね!」


どんなツンデレキャラだ、お前は。


俺たち4人は、コジローとプリンルが出てくるのを待った。お、何か買い物をしたらしい。そして、2人は、おいしいと評判のレストランに入っていった。うん、追いかけなければ。


「いらっしゃいませ〜」

「しぃー!声が大きい!」

「は?はぁ?」

「あの2人の近くで目立たないところに席を頼む!2人からは見えないところがいい。」

「は、はぁ・・・・・・」


俺たちは、奥のテーブル席に座った。ちょうど、植物が俺たちを隠してくれる。


「なにをご注文なさいます!」

「コーヒーを頼む。」

「じゃね、私は、このスペシャルセット。」

「サンドイッチをお願いします。」

「じゃね。ランちゃんは、ステーキセットと、デラックスケーキ5つ。」


なんだか変なものが聞こえた。というか、お前ら俺に払わせる気かよ。そんなに頼むなよ。


2人は、なんだか楽しそうに話している。コジローは、アクセサリーの袋を大事そうに抱えている。


コジローは、お茶を、そして、プリンルは、クッキーを頼んでいた。


「タクト、これ、おいしいわよ!ほら!」

「あ、あつい!」


サーシャ、俺にあつあつの肉を押し付けやがった。あついだろ!


「へんちょう、ほれ、ふごくおいひいよぉー。へえーひぇーるひゃん!」

「ほんろうですろ。はくろさま〜、うまうまれす〜。ひぇー、りゃんひゃん。」


なんだか、シェールとランちゃんは、モグモグいって聞き取れないが、お互いの会話は通じているらしい。器用だなお前ら。


あ、2人は、出て行った。でも、3人は、まだ食べている。もう!仕方ない。こいつらは置いて追わなくちゃ!


しかし、ガッチリサーシャとシェールに抑えられた。


「あんた、払わずに出て行く気!」


サーシャ、お前、そんな場合か。


「タクトさまー。もう2人は放っておいて、私たちもデート楽しみましょう!」

「ちがうのー!店長は、ランちゃんとデートなのん!」

「なに言ってるの!タクトは私のものよ。」

「いえいえ、タクト様は私のものです!」


お前ら、大きな声でやめてくれ!


「なんなのよ、あのグループ?」「わからない。新たな出歯亀?」「あんなに女の子、はべらせちゃって、不潔よね。」


料理人や給仕の人たちがこそこそと俺たちのことを話している。俺は頭を抱えた。勝手にしてくれ。


俺はすっかり嫌になって叫んだ。


「俺にもケーキ3つ持ってきて!」


すると、ここぞとばかり、みんなお代わりを始めた。


食いに食って、銀貨3枚も取られた。


「なに、あれ?」「食べ過ぎだろ!」「ブタだよ、ブタ。」「お楽しみの前に精力つけてるのよ!」


ひどい言われよう!


カフェに帰ると、俺の机の上に、コジローが買った紙包みがおいてあった。


「あ、タクしゃま。これ、プレゼント!」

「私がコジロー様に頼まれて、あんたたちに合うアクセサリー選んであげたんだから、感謝しなさい!」


プリンルは偉そうだ。


包みをあけると、そこには、腕につけるアクセサリーがみんな分あった。


「じゃ、こ、これを買いに出かけていたんだ、今日。」

「うん、タクしゃま。今日はお休みありがとう!」

「あんた、コジロー様が、わざわざ休みを潰して探したアクセなんだから、ありがたくつけないさい。」


俺はどっと疲れた。なんだったんだ、今日は。俺の銀貨と時間を返せ!


しかし、みんなにアクセを渡すと、すごく好評だった。それに俺もコジローから、プレゼントがもらえてすごく嬉しい。ありがとう、コジロー。


いつもありがとうございます。皆様の励ましのお言葉、ブックマーク、大変励みになっております。

これからもよろしくおねがいいたします。

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