秋の気配とさぼった俺と
あらすじ:そうだ。犯人はわかっていたのだ。最初から指摘しておけば、誰も死ななくてはすんだものを。ケンゾーはギリっと奥歯を噛み締めた。奥歯が欠ける。唇からも血が流れている。法律に従って今まで生きてきた。だが、許すことはできない。法律の網をうまく潜り抜けた犯人に、今こそ鉄槌を下さなくてはならない。それができるのは自分だけだ、とケンゾーは決意した。ついにケンゾーは自ら犯人と対峙することを選んだのだ。
秋の気配がしてきた午後、相も変わらずハンモックで思索にふける俺。御神体もラムダのおかげで軌道に乗って、完成も近いし、休んでもいいよね。ぐぅ〜。
まだまだ夏の空だが、秋がそこまで迫っていることを感じさせるような寂しさもそこはかと感じさせる。夏を惜しむかのように、夏を押しとどめるように蝉がないているが風がもうすぐ秋がくるよ、と告げている。ぐぐぅ〜。
すると、影が落ちた。誰か来たのかな。でもまだ寝ているし、このままでいいか。
「タークートさ〜ま!」
この声はシェールか。うーん、めんどい、まだ寝ていていいか。俺がすっかり寝ていると思ったのかシェールはいきなり抱きついてきた。
「ボクのタクト様〜、えへへへへ」
うーん、シェールがすりすりしてきた。暑苦しいぞ!
「はぁ〜幸せ〜う〜ん。」
ちょっとしたら、満足したのか、離れていった。
「もう仕事に戻らなくちゃ〜。最後の充電〜。」
ぎゅっとして去って行った。やっとか〜。
しばらくぐぅーっとしていると、また誰かやってきた。
「ご・しゅ・じん・さま〜」
この声はミリカか。うーん、めんどい。寝ておくか。ぐぅー。
「ふふふふふ。かわいい。」
おや、このふかふかした感触は。どうも俺の頭を掻き抱いてくれているのだが、胸が頭にあたっている。ふっかふかだ。うーん。これは、寝やすい。ぐぐぐぅ〜。
ミリカは、俺の頭を撫でて満足したのか帰って行った。ぐぅー。
「あ、タクトにゃ!にゃんにゃん!」
俺が寝ていることを悟ったミケは、ちょっと俺と添い寝をしていった。
「落ち着くにゃ〜うにゃ〜。天国にゃ〜にゃ〜。」
そして、俺を出しきしめて去って行った。
次はランちゃんだった。
「あ、店長、寝てちゃやーなのーもう〜。起きてなの〜。」
でも俺が起きないのを知ってもーもー言って出て行った。
「店長、今度はもっとちゃんとしてくださいね。ちゅっ!」
俺の額の上にキスして出て行った。かわいいね。ぐぅー。
少し風が涼しくなった。ああ、もうすぐ秋がやってくる。あーあ、ぐぅ〜。
「パパー、お腹すいたん!」
お、るーたんか。
「パパ寝てんの。うーん。じゃ、後でくんの。あ、プレゼントなん!」
るーたんは、俺の胸の上にたくさん花を置いて行ってくれた。
「あーあ、花が食べられたらいいの〜。蜜ちゅーちゅーなのー。」
るーたんも諦めたか。ぐぅー。
「あ、タクト、こんなとこで油売って!もー!なにやってんの!」
ちょっと思索にふけっております。ぐぅー。
「もうしょうがないわね。」
俺は寝ているのだ。ぐぅー。
急に俺の唇を濡れた感覚が襲った。なんだ。
「タクト、タクト、あたしだけ見てて。ちゅっちゅっ」
おおおおおお、お前、サーシャ、なに言ってんだ!お前こんなキャラか!!!
ヤバイ。起きていたと気がつかれたら殺される。ぐ、ぐ。ぐぅー。
しばらくちゅっちゅして満足したのか、サーシャも去った。
「またね。あたしだけのタクト。」
俺は休んだはずなのに、ゲッソリしてしまった。なぜか疲れたおやすみだった。とほほ。
いつもありがとうございます。これからもよろしくおねがいいたします。




