コサブローの逆襲!
あらすじ:あっと1ポイント、あと1ポイントで、優勝だ。悲願の優勝を目指してここまで頑張ってきた。しかし1ポイントが遠い。前回もそうだった。前々回も。優勝したら、結婚しよう。そう決めたのが悪かったのかもしれない。ここ2年ほど結婚できずにいる。そして、昨日、ついに彼女から、もし、今年中に結婚する気がないのであれば、別れると言われてしまった。
どうしてもこのビジャチューラの試合で優勝しなくてはならない。最後の足運び、そして、卵の位置が重要になってくる。彼は演舞を思い出し、卵を空中にスプーンで放り投げた。さあ、あとはキャッチして、定位置に置くだけだ!その時、ほんの僅かに彼のドラトータの足運びが鈍った。いけない、ここはボラグリダだ!しかし、無情にも、卵は地面に落ちて割れてしまった。そして、リカバリーのつもりでしたパンブーラもむなしく、彼の優勝はまた、彼の手をすり抜けて行ったのだ。まるで卵のように。
俺は、仕事をしながらもるーたんと遊ぶことを忘れていなかった。前のように、スネられても困るからね。
「パパー、これ食べてもいいん?」
「食べ過ぎないようにね」
「ぽちにもやるのー」
明らかに、ぽちにやる分より多く取っているよな。ぽんぽん痛くならなきゃいいんだが。
それにしても、前の失敗で学んだことを生かした俺、偉い!天才!天才!大切なので2回言わせていただきました。というのも、俺以外、誰も言ってくれないからです。
ダダダダっと可愛い顔をしているが目つきの悪いコサブローが俺を呼びに来た。
「おい、コジロー様がお呼びだ!」
えらそーだな、こいつ。すると次の瞬間、コサブローが急に一点を見つめたと思うと、俺の袖を引っ張った。
「お、おい、お前。あ、あれ誰だ!」
「あれ?紹介しなかったっけ?お前の先輩だぞ。」
「し、し、紹介してくれ。」
「そんなに言葉が悪い奴には紹介できないなぁ〜」
「しょ、しょうかいシテクダサイ!!」
俺はるーたんを呼んだ。
「なにーパパー」
「るーたん、こいつ、後輩のコサブローだよ。よろしくね」
「よろしくん」
「おおおおおおおおお、おれの天使?」
コサブローどうした?
「ぼぼぼぼっぼぼっくコサブローだ!俺の彼女になりやがれッス!」
お前、言葉遣いがめちゃくちゃだ。そしていきなり抱きついた。
「いやん、やめてん!」
「俺のてんしやー!へぶううううううう!」
コサブローが吹っ飛んでいく。あ、ぽちが、体当たりしてそのまま噛み付いたのか。
「ううううう、な、なんなんだ、この犬!俺が!いたたたたたたたたた!」
ビシと鼻先に人差し指をぽちの前に突きつけたら、ぽちに人差し指を噛まれたようだ。
「な、なんなんスか、この犬!」
コサブローは俺の後ろに逃げて来た。
「だ、旦那。やっちゃってください!俺は、俺の天使と逃げるっス!」
俺は、優しくコサブローを抱き上げてぽちに献上した。ぽちに追われて逃げるコサブロー、あ、またお尻を噛まれた。さ、じゃ、コジローのところへ行くか。なんか、遠くから、やめてーって聞こえるな。ま、頑張れ!
俺は、道を渡って、カフェを覗いた。お、コジローいるな。
「コジロー、何かあったの?」
「タクしゃま」
すると、そこには、大勢の女性がいた。
「えーと、お客様ですか?」
「私たち、ミリカ様がこちらにいると聞いて、やってきたんです!」「私たち、ミリカ様の大ファンで、失踪されてからずっと探していて」「ミリカ様はどこですか」「ミリカ様、ラブ!私を捨てないで!」
なんか変なの聞こえたけど大丈夫か?
すると、そこへ、ボロボロになったコジローが走ってきた。猫になっている。ちょろちょろ、っと俺の肩の上に駆け上った。その後をぽちが付いてきた。俺の下をぽちがうろうろしている。さ、ぽちに献上しようとしたところ、可愛いいいいい!という悲鳴が起こった。
そして、コサブローとぽちが抱き上げられて、もみくちゃにされている。うん、コサブロー俺たちの犠牲になれ!ごめんなぽち!
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