みんなでピクニックの巻
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俺がグラスを磨いていると、頭の中で声がした。急だったんで、グラスを落としちゃうところだったよ!
『あータクトよ、聞こえておるか』
「猫神様、もう、猫道中の撮影はこりごりですからね!」
『いや、今日はそれではなく、プリンルのことじゃ。』
どうも猫神様は、コジローとの関係が進展しているかやきもきしているらしい。
『それに、二人の子であったら、猫神になるのは間違いないからお前たちの目的とも合致するぞ』
「うーん、でも俺としてはコジローが一番ですからね。コジローが嫌なら、この話はなしですから。」
そこで、俺はコジローを呼んで聞いてみることにした。
「なあ、コジロー、お前プリンルのことどう思う、えーと、将来の伴侶として」
「うーんタクしゃま、まだ、わからない。」
「だよねー。」
「でも嫌いじゃない。もちろん、あのうー」
あ、あのクリスさんの娘さんか。
コクコク頷くコジロー。うーん、可愛い奴め。
「ま、じゃ、ゆっくり行くか。でもちょっとだけでも意思表示した方がいいのかな?」
そこで、俺は、ピクニックを画策した。コジローとプリンル、ナディア、そしてナディアの兄、ショーン。そして、関係ない人もいた方がいいというので、アンも誘ってみた。
ふたを開けたら、大人数だ。まず、ピクニックに俺も行くということを言うと、サーシャが、アンの監督をするといってついてくることにした。すると、ずるいというので、ミケ、ランちゃん、王女、シェールもついてくるということになった。るーたんとぽちも参戦だ。
ところがだ!
「なんでお前らまでいるんだ!」
そこには、食べ物を食い散らかすセオドア、ケイト、そしてガウラン様、タール爺、リリーまで来たのだ。
「タクト殿、もっとサンドイッチを所望する!」
「うーん、うまいのーこの肉のサンドイッチ。」
「ガウラン様、それはキャベツにございます。」
ワイワイガヤガヤ、うるさい。そのうち食材がなくなったということで、セオドアとケイトが出かけて行って、山ほどの果物をとってきた。
それをスライスして刻み、氷と混ぜてスムージーを作る。
「おいしいの、このスープ。」
「ガウラン様、それは、ジュースにございます。」
楽しそうだな。で、結局、例の3人はというと。
「プリンルー。ぽちがあっち、いっちゃったの。」
「あ、あそこですよ、るーたんちょっと待って!」
なぜかプリンルとるーたんが親交を深めていた。
「でさ、にいちゃん、森の外れに、おいしいナッツがあるんだよ」
「あ、そのナッツうまいね」
ショーンとコジローが絶賛親交を深めていた。
ナディアといえば、なぜかぽちとかけっこしている。うーん元気だ。
完全、別行動。目論見が外れた。そして、俺はといえば。
「はい、あーん。」「こっちこそあーん。」「何言ってんのこっちよ!あーん。」「あーんなのー」
という具合に、なぜか俺たちの親交が深まったとさ。
これからもよろしくお願いいたします。