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スミスの誕生日

間違えて強いモンスターを配合してしまいました。鍵をかけていなかったなんて。

吐き気がします。とほほ。もう死にそうです。ううううううう。

もうすぐスミス殿の誕生日だ。そこで、俺は、冒険者飯のゴージャス版と、製図板を送ることにした。


「あ、店長、何作ってんのぉー」


ランちゃんが俺を見つけて走り寄ってくる。危ない!もう少しで倒れそうになった。俺が支えなきゃ確実に転んでいたな。何故かランちゃんは、うっとりとして、上目遣いでこちらを見ると目を閉じた。唇を少し突き出している。いやいや、そういうんじゃないですよ。


俺はランちゃんをそっと立たせた。もう、いくじなしぃーというランちゃんのつぶやきが聞こえたような気がするが、気のせいだな。うん。


「これは、製図板だよ」

「製図板?」

「そう。何か設計図を書いたりデザインを考えたりするのに最適な机なのさ」

「へんな形。店長さんが使うの」

「いや、スミス殿」

「ふ、ふーん、じゃ、頑張って」


ランちゃんは、そそくさと店の方に帰って行った。どうもまだランちゃんはスミス殿にトラウマがあるようだ。


さて、ラムダ、悪いけど、この木を加工してくれ、こんな風に。


ラムダに組み立てをお願いしているので作業効率が以前と比べて格段にあがっている。しかも、精度が恐ろしく高い。


「さて、完成、っと。あれ?」


組み上げてから気がついた。どうやってこの重い机を運べばいいのだろうか。そこで、俺は以前から考えていたものをラムダと一緒に作ることにした。それは、オートバイだ。自動車は、この街のガタガタで細い道にあまり合わないだろうが、オートバイは別だ。そして、幸いなことに、俺は以前からソーラーオートバイが作れないかと色々考えていたのだ。まあ、20kmほどしか出ないような自転車に毛が生えたオートバイだけど。


幸いなことにフレームなどは作成していたので、あとはモーターだけだったのだ。そこで、ラムダに組み立ててもらうことにした。ついでにラムダが分けてもらっているエネルギーのおこぼれが来るように調整してみた。まずは試運転だ。


俺はスイッチを入れた。その瞬間、俺は風になった。俺は振り落とされないようにしがみついた。涙で前がよく見えない。なんだか、風で顔がぶるぶるする。ひえ。すぐに高原に出た。後ろを振り返るとみるみる街が点になっていく。


ちょっと待て、これって20kmしかでないはずだよな。速度計をみたが振り切れている。そこで、俺は以前に将来飛行機を作った時に使おうと思って作っておいた速度計をなんとか鞄から出して調べてみた。すると800kmを示していた。これって、もしかして世界記録???それだけではない。ぐんぐん速度があがってついに俺は音速を超えた。しかし、まだあがっていく。


「ア、アテナ様、ア、アルテミ様〜〜〜〜〜〜!!!た、助けて!」


「もう、ちょっと、今テレビみてるから助けてあげるけど、自分で帰ってね。」


アルテミス様が俺をつまみ上げて地上に降ろしてくれた瞬間オートバイはバラバラになった。うお、危機一髪。


「ありがとうございます。ありがとうございます。ペロペロ」

「じゃあ」


つ・め・た・い。


俺はマッハ2をオートバイで超えてしまった。茫然自失としていたが、帰ろうと思い立ち歩き出した。帰りは2日かかった。


結局1日遅れの誕生日でスミス殿にプレゼントを渡した。泣いて喜んでくれたからまあ、よしとしよう!


「で、それで2日も姿を見せなかったわけ?」

「ひどい目にあったよ。」

「でもさ、最初からラムダに机運んでもらったらよかったんじゃない?」

「あ・・・・・・・・・」


俺はしばらく布団の上でむせび泣いた。とほほ。


いつもありがとうございます。

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