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評価の日

いつもお読みいただきありがとうございます。

今日は珍しく猫カフェが忙しい。いつもの常連さんに加えて新しいお客さんがたくさん訪れてくれたのだ。うーん、嬉しいけどこんなに忙しいのはどうなのかな。


「あ、あれがタクトさんか。一緒に写生してもらってもいいですか」

「タクトさん、こっちもお願いします。」


俺、まさかの大人気???


どうしてか、新規のお客さんに尋ねたら、新しいガイドブックにこの『猫カフェたま』と『うさかふぇうさみーる』、そして『メイドカフェミケ』が紹介されていたらしい。


そこで、俺は、実際の本を入手して読んでみた。どれどれ。ふーん。どう書かれているんだろうか。俺は、ちょっとページをめくった。星5つが最高か。なるほど。


スミス殿の金物屋も載っているのか。どれどれ。


スミス金物店 星4つ ここは、現在、王国で大人気のミニチュアドールと家、家具をデザインしたロバート・スミス氏が経営している。そのため、店の一角に新作のドールなどのコーナーがあり、ミニチュアドールファンの聖地として知られている。これだけなら星5つだが、謎の金物類が多く売っているため星4つとさせていただいた。


えーと、スミス金物店って、もはや金物屋さんっていう認識は誰も持っていないんだ。かわいそうに。そっちが本業だってみんな知らないかもね。


へえ、騎士団についての言及もあるのか。


騎士団駐屯地交流部門 星3つ この騎士団の駐屯地にある交流部門では、騎士団の仕事について学ぶことができる教育的な施設である。月に一度、騎士団第1隊、隊長セオドア氏、第2隊ケイト氏、第3隊アーサー氏のいずれかから説明を受けることができる機会が設けられている。特に冷静沈着なケイト氏の説明は分かりやすいとの評判である。以前は、アーサー氏にあたった日は罰ゲームとの噂もあったが近年、その評価は変わりつつある。セオドア氏の日には、模擬的な戦闘指導があるため腕に覚えがない諸氏は避けるのが賢明である。星4つでもいいのであるが、交流会の後の騎士団への執拗な勧誘を考え星3つとさせていただく。


ケイト、人気があるのか。セオドア、やっぱり、脳筋だったな。


あ、カフェってこのセクションか。どれどれ。


うさカフェうさみーる 星4つ 癒される空間。落ち着いたインテリア。そして、店長のサーシャさんの癒しのトークが素晴らしい。そして店員のアンさんの接待もレベルが高い。しかし、特筆すべきは、店長の特製サンドイッチ。本格カフェ。おすすめ。向かいに建つ猫カフェたまにも劣らない品揃え、そしてメニューの数だが、惜しむらくは値段が少し高めなことか。そのため星4つとした。


サーシャ。お前、守銭奴なのバレてるぞ!お、次はメイドカフェか。


メイドカフェミケ 星4つ 最高のサービス、最高のメイド達。この店に行って間違いはなし。特に店長のミケ氏は、この街一番の至福の時をあなたに与えてくれること間違いなし。女性も、健康的なドリンクなどで楽しめるので、是非一度は訪れて欲しい。本来星5つだが、楽しめるのが残念ながら男性中心となってしまう可能性もあるため泣く泣く星4つとした。


これ書いたやつ、絶対メイドカフェにはまってるだろ。


猫カフェたま 星5つ 文句なしのこの街一番の店。カフェとしてのサービスも最高点。朝メニュー、ランチメニューも非常に充実しており楽しめる。特筆すべきは、猫を眺めならが癒しの時間を過ごせるのはもちろん、猫と遊ぶための遊具も完備していること。特別な遊具も貸し出し可。この店の常連として、騎士団長セオドア氏、ケイト氏などが常にいるためVIPが訪れても安心である。王女様もここの常連であるとの噂あり。ここで受けられる占いは、占い街でのものより上質である。さらには、限定ショータイム時に、有名シンガーの歌なども楽しめるのも好印象。また看板娘のラン氏を始めとして接客スタッフのコタロー氏、コジロー氏、シェール氏なども全て最高点。唯一の欠点である店長のタクト氏とその謎のクラシック冒険者飯を除けば欠点は存在しない稀有な存在である。


えーーーと。俺は何も見なかった。見なかったぞ。俺を写生したかったのは、絶対、こいつがダメ店長だって、みんなに話すためだな。もう、俺は何も見なかった。ちぇ。これが終わったら寝るか。


またお越しください。

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