猫神様の秘密
いつもお越しいただきありがとうございます。
「知らなくて当然よ!」
えっへん、と女は胸を張った。
「ま、ちょっとここでは話せないこともあるから、関係者だけで、もうちょっとプライバシーがあるところで話せないかしら。
そこで、俺は二階の俺の作業部屋で話すことにしようとした。
「いやよ!あそこクモいるし!」
サーシャが反対する。お前、クモ山さん、ディスんなよ、シメルぞ!
最終的に、神殿の神官長室を使うことになった。
「でさあ、君誰なの?」
俺は女に聞いてみた。
「これを見て!」
すると、耳がにゅっと生えた。猫?
「そうなの。」
目の前には美しい黒猫がいた。なんか、引っかかった違和感てこれだったのか。いやはや、なるほど、だからケイトのやつこの猫ちゃんラブになっちゃったんだな。
「なる。」
コジローも変身をといて猫に戻った。
シェールが腰を抜かしている。
「あわわわわ。」
しかし自分以外誰も騒いでいないのを見て不思議に思ったらしい。
「ど、どうしてみなさん驚かないんですか」
「それって、ねえ。」
しかしランちゃんも驚くと思っていたのに、意外だ。やはり相当敏い子なんだな。
「ランちゃん、なんだか知ってましたのん!店長さん、すごい人ですのん。占いのお姉さんは実は女神様で、店長さんは、神官長様をやってらっしゃるの!」
シェールはちょっと涙ぐんで俺を見た。
「や、やっぱり僕の目に狂いはなかった。好きになってよかった。すごいひとだったんでうね。」
「いや、こいつがすごいんじゃなくて、幻獣のコジローとかがすごいのよ。こいつにはむしろ何の力もないの。ようするにオマケね。」
ひどいぞサーシャ。
「このことみなさん知ってるの?」
「まあ、ミリカは薄々感づいているわ。何も知らないのは、王女様ぐらいかな」
「ま、いつも買い物三昧だし。」
「違いない。」
そうなのだ。王女は、結構買い物好きで、特にこっちに来てからは庶民の小物にはまってしまっているのだ。コレクターアイテムのドールハウスがお気に入りで集めている。実は作っているのスミス殿と俺なんだけど。まあ、夢を壊しちゃいけないよね。デザイナーの方は、どんな素晴らしいおねえさまなのかしら、とか言っているの聞いちゃったし。
「ま、それに、王様に全て筒抜けになってるだろうから隠しておかないと困ったことになるだろうし」
さすがサーシャ、そこまで考えていたとは。コジローと、猫ちゃんは話し込んでいる。
「タクしゃま。この子、猫神様の娘!」
「な、なんですとー」「ええええええー」「ちょっと!」「???」
たちまち、みんなが声をあげた。猫神様!一体何があった?????
「パパから言われたのよ、ここに私にふさわしい夫がいるって。その主人はヘタレで役に立たないけど、その幻獣の特にコジロー様は、すごいって」
猫神様の俺への評価ってひどいぞ。悪かったな、ヘタレで。まあ、コジローが凄いのは本当だけど。
「だから見にきた。そしたら確かにすごいわ、コジロー様、これならいずれ、神様にもなれそう。」
うお、それは嬉しいぞ。
「私たちは強い子を得るのが目的。だからコジローの子を産みたい。生まれたら、帰って自分だけで育てるから、何の迷惑もかけない。だから・・・・」
「そんなの許すことができるはずないだろう!」
思わず、声を荒げてしまった。
「俺は、コジローに愛のない結びつきなんか許すことができない。それ以上に、コジローが自分の子供に会えなくなるなんてダメだろ。俺の猫ちゃんが不幸せになるのだけは絶対ダメだ」
「タクしゃま」
「タクト、あんた。」
黒猫ちゃんはちょっと理解ができないとでもいうように首をかしげた。
「でも半神たる私とコジロー様の子なら、いつか必ず神になれる。それ以上の幸せなんてないわ!」
「アホー、そんなの幸せでもなんでもねー、帰れ帰れ!」
俺がいうと、黒猫ちゃんはちょっと涙目になった。ううう、なんかいじめてるような気がして心が痛いぞ。
「いやっ!!!コジロー様の子供を産みたい!」
猫ちゃんがいやいやする。かわええのぉー。はっダメだダメだ!
「タクしゃま、かわいそうなの」
「そうねえ、なんだかいじめているような気になってきたし。」
うーん、どうすればいいだ。
「ここにおいてあげれば!」
うわああーびっくりした。アルテミス様、急に現れたから心臓とまった。猫ちゃんも驚いている。
「ア、アルテミス様、ど、どうして。」
「久しいの、猫神の娘よ。息災であったか。」
「は、はい、アルテミス様。ありがとうございます。ところでどうして、ここに」
「どうしてもこうしてもここは私と姉様の神殿ゆえ。お前らが騒いでいるから覗きにきた。」
猫ちゃん固まっている。そりゃ、普通、神殿にきても神には会えないしな。流石会えるご当地女神様。
そんなことを考えていたら、ちょっと怒ったアルテミス様に魔力をごっそり抜かれた。ふぇ。
「まあ、ここに住んで、お互いのことをよく知れば良い。それでコジローくんもいいかな?」
女神様、コジローには優しいな。
ということで、なぜかうちに居候が増えることになった。
これからもよろしくお願い致します。