ケイト恋に落ちる??
なんだか変な話です。
カラン、とベルが鳴った。ドアが開いて入ってきたのは、背がすらりと高い若い美しい女性だ。長く艶のある黒い髪に、吸い込まれそうな黒い目、そして、なんだか不思議な雰囲気をまといそれがなんとも魅力的だ。しかし。俺は違和感を感じた。何かとは、わからなかったが、なんだかよく知った違和感だ。俺は、店の後ろの正面から見えない席から彼女を見て、これはなんだと考えていた。
するといきなり、ガタっと誰かが立ち上がった。
「う、うそ!」
ケイトだった。お前これが誰かしってんの?
「な、な、なんだ!」
ケイトがだらだらと汗を流している。
こっちがなんだといいたい。
「そ、そんなバカな。お、俺はコタロー様ラブのはず。な、なんでこんなに心動かされるんだ。」
は?????何が起こっているんだ。
ケイトは、苦しそうに、はあはあいっている。胸を掴んで苦しそうだ。まるで辛い恋をしているかのようだ。そして。いきなり、頭をかきむしって外に走り出した。
「く、お、俺はノーマルだーーーーー!!!!!けして女性がすきなわけではない!」
そんな謎のセリフを叫んで走っていくケイトを見て、みんな見てはいけない不気味なものでもみた、というような感じで目をそらしていく。うーん。ますます、あいつ腫れ物になってるよな。そもそも、つっこみどころ満載だ。お前がすきなコタローは人間ですらないしなぁ。猫だし。
女は、店の真ん中にくると、声を張り上げた。
「私、ここにダーリンを迎えにきたんだけど」
女が口を開くとガタっと店にいたサーシャ、ランちゃん、シェールが立ち上がった。サーシャに到っては顔を青くしている。
「ま、まさか。タクトのやつ、また女をひっかけたんじゃ」
すごく人聞きの悪いことをつぶやいている。失礼な!
「ダーリンって、まさか店長さんじゃないですよね!」
シェールがおずおずと聞く。
「店長って誰よ!」
「タクトさんです」
「そんな名前じゃないわ!」
それを聞いて、みんなほっとしている。信用ないな!
「私が探しているのはコジロー様よ!」
「ふぇ!」
変な声が出た。すると、女がこっちを見た。
「あら、なんか変な魔力を感じるわね。コジロー様の魔力も。あなた、何か知ってる?」
うーん、教えるべきか教えざるべきか。
その時、ケイトが再び入ってきた!
「くっ!こうなったら、お、俺はお前に決闘を申し込む!!!!」
ビシっと、ケイトは女に指をつける。
「あら?結婚じゃなくて?」
妖艶に微笑む女。それを見て、なぜかケイトはダラダラと汗を流している。なんなんだ???
ケイトは、クっと目をそらした。
「ふ、ふぇえええええええん。覚えてろよ〜〜〜〜」
そしてまた、外に出て行った。一体何をしに来たんだあいつ。
その時、人化したコジローがおつかいから帰ってきた。
「タクしゃま。これ。」
その瞬間、女が飛びつこうとする。
「ダーリン!!!!」
しかしコジローは、さっと避けて首を傾げて言った。
「誰?」
お前も知らんのかーい。俺たちは全力でつっこみを入れた。
いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。