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タクト敗北を知る

感謝祭ってどうもセールのようなきがしてなりませぬ。

感謝祭の日が近づいてバタバタする日が続いている。忙しいな。もう。まったりスローライフが楽しみたいのに。どうしてこうなった。


時々、アテナ様とアルテミス様が興味深げに覗きにくる。これがうまくいったら、こっちでもやろうと画策しているらしい。とほほ。


とりあえず、『うさカフェうさみーる』と『猫カフェたま』は、合同で冒険者飯とうさちゃん、猫ちゃんの散歩、『メイドカフェみけ』では、写生会と握手会をやることになった。うん。いつもと同じで代わり映えしない。しかし、だ。違うのは、冒険者飯がくじ付きであること。そして、くじで当たった場合、豪華商品がドドーンと提供されるという点だ。


アテナ様とアルテミス様の神殿で出店してお守りを売ることも考えたが、別の宗派(?)なので、やめておいた。


「で、これは何?」

「うん。これは焼きとうもろこしというやつさ。」

「じゃこれは?」

「綿菓子」

「こんなわけのわからない食べ物で本当にもうけられるの?」


サーシャよ、見ていろ。俺を崇めろ!奉れ!おれは食物の革命を起こす!


「ま、頑張んなさい。私とアンは、いつもの串焼きだけどね〜」


かつる!そう思っていた時代もありました。蓋を開けて見れば、無残な結果でした。やはり、串焼きは大正義でした。1本5銅貨もするのに、飛ぶように売れていきます。それにひきかえ、焼きとうもろこしは3銅貨だったのに全然うれず、結局2銅貨にして、やっとうれ始めたというていたらく。綿菓子の方はそこそこだったのですが、値段が値段でしたので、それほどうれませんでした。とほほ。


お散歩の方は相変わらず順調で、セオドアやケイトがたくさんお金を落としてくれました。アンもなぜか、屋台で手伝っている間に、お散歩の列に並んでいました。


で、おれはといえば、女性たちに囲まれて、皆のうらみを買っております。


「あいつ。確か神官だよな。」「聖職者がなにやってんだ。」「これが本当の生殖者か」「性職者かもしれん」「リア充、死ね」「くたばれ」「あの女の子供がにくいわーん」


なんか野太い怖い声が聞こえたような気がしたが無視に限るな。うん。


「タクト、これ買って。」


サーシャが俺の屋台のとうもろこしを指差した。うーん俺を嘲笑いたいのか!ちくせう。


「ほらよ」

「うーん。いまいちねえ。」


サーシャは一口食べるとそういいましたが、食べ続けました。その次に、綿あめも買いました。よく考えたら、こいつなりになんとかしてやろうということだったのでしょうか。俺たちが食べていると、人も集まってきました。なるほど。これはいい方法だ!そう思った矢先に、俺たちをうらめしそうに見ていた男どもが叫びました。


「騙されるな。こいつらはサクラだ」「これ、こいつらの店だぞ!」


するとサーっと潮が引くように、人がいなくなりました。なんてこった!!!


冒険者飯とお散歩は結構稼げましたが、屋台ではサーシャに大きく水をあけられました。しかしそれ以上に稼いだのは……。


「ええええ!金貨300枚」

「一体どうやって!!!」

「ふふふ、写生会と握手会、それからこっちもメイドお散歩やったのにゃ!」


俺たちはただただ、ミケの前にひれ伏すのみでした。


いつもお越しいただきありがとうございます。

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