るーたん満腹になる
いつもお越しいただきありがとうございます。
俺はメニュー改定のために、もう一度みんなに次の日の仕事の後で集まってもらった。
「つまり、定番の他に、日替わりを始めたいのね。」
「さすが、サーシャ、わかってるね。」
「でもそれなら、似たようなことやってたじゃん。」
「確かにデザートではね。でも今回は単に、上にかけるシロップを変えればいいかき氷と違って、毎日違ったものだからね。大変さ。」
「だったら、かき氷の時みたいに曜日で固定の日替わりにしたら。それが飽きられたら、月ごとに変えるということで。」
なるほど、それだったら、お客さんの意見も聞ける。評判がよければ、次の月にもリピートして、それでも評判がよければ、正規メニューに加えることができるな。
「サーシャ、まじ天才。それで行こう!」
やった、と小さくガッツポーズを取るサーシャ。ちょっと可愛い。
「で、その日替わりメニューに加えられそうな一品をみんなにも考案して欲しいんだ。俺も何品かは頭にあるんだが……」
というのも、俺の舌とここの人の舌では、おいしさの定義が少し違うことがわかってきたからだ。ここの人たちは大味でパンチの効いたものを好む。だから、俺はパンチの効いているであろうたこ焼を用意したのだが…。たこ焼きのだしなどの繊細さが受け入れられない要因なのだろうか。うーん。俺はもっと繊細な味付けの方が好きなんだが。というわけで、やっぱりみんなに聞いた方が早いよな。
「るーたんなんでもたべるん!」
るーたんまじ天使。でも。るーたんは本当になんでも食べるし、参考にはならんな。
「そうですね。冒険者の方がたが中心でしょうから、もっと塩が多い方が喜ばれると思います。」
おお、乳魔人も結構まともなことをいう!
「料理なんて、一流の料理人に任せれば、最高の料理がでてくるものよ。」
あ、王女様はだめだ。参考にならん。
串焼きはテリ焼を中心に出していたが、塩味も出してみるか。あと、タルタルソースの魚フライってのもよさそうだ。こっちの人はマヨネーズ好きだしな。まてよ、ケチャップも好きそうだよな。だったらハンバーガとかポテトもいけるんじゃないか?おおおおお、み・な・ぎ・る!
「もしみんな時間があったらちょっと今から簡単に試作してみてくれないか。料理しない人たちも食べて感想を聞かせて欲しい。」
ということで、試作をしてもらってみた。とりあえず手持ちの材料で作ってもらったのだが。
「おいしい!」「これはいける!」「なにこれ!」「す、すごい!!!」
一番食いつきがよかったのはなぜかフライドポテトだった。塩、ケチャップ、マヨを用意したらみんな、うまうまと食べている。
次に食いつきがよかったのは、乳魔人のサラダだった。意外だ。しかし、確かに女性の視点を忘れていたな。カット野菜なんかにマヨ添えたら、男でも食べそうだしな。採用!
というわけで次々にメニューが埋まっていった。これ、毎月やったら、楽しそうだな。
るーたんは、満足するまで食べられて幸せそうに倒れている。一番楽しんだのはどうやらるーたんだったようだ。
これからもよろしくおねがいいたします。