第94話 悪いレイスじゃないよ
※2017/2/16:本文誤植修正しました。
「お主の“眷族”じゃよ」
「なっ!?」
眷族、ダークエルフ、女性と言うピースで当て嵌まる者は1人しかいない。ナハトアだ。眷族欄に名前だけあるものの時折【スキル譲渡】したり【経験値譲渡】したりしてたから全く放置してる眷族ではない。でも名前は分かっても顔を見たこともないんだけどな。
僕の眷族と聞いて食堂の面々も「そう言えばーー」と気付き始めたようだ。だけどこの映像はどういう仕組みだ!?
「あんまり悠長にしてる時間はないぞ?」
「どういう意味ですか?」
「この映像は遠く離れた所で起きてる現実じゃよ。本来であれば洟垂れ小娘を寄越すんじゃったが、あのおっちょこちょいがちとやらかしてしもうての。儂が来たというわけじゃ」
は? 今、エレクトラと言ったのか? そう言えば、と【眷族化】を行った時にエレクトラ様が話してた言葉が浮かんできた。
◆
「【強奪阻止】って随分な名前のスキルですね」
もう少し柔らかい言葉もあるでしょうに。
「裏を返せばそれだけ危険視されてるってことよ。それにわたしが創ったスキルじゃないしね。じじぃ作だから折紙付。間違っても奪われることないわ」
じじぃ作って、時々出てくる神様だけど誰なんだろうね? それより、僕専用って?
「これって完全に口止め料的な流れですよね?」
◆
「じじぃ作・・・【強奪阻止】・・・? って。えええっ! 神様!? しかもエレクトラ様より上位の!!」
「「「「「「「「「「「ええええええっ!!!!」」」」」」」」」」」
殺伐とした雰囲気が一気に霧散してしまった。逆に怯えてると言ったほうが良いのでは? という空気感に変わったぞ。
「ふぉっふぉっふぉっ、聡いのぉ。お主らを見て居ると飽きんのじゃが最近マンネリが続いておっての。不評なのじゃ」
は? マンネリ? 不評? 状況がよく飲み込めないから問い返す。
「それは今見せてもらってる事と何の関係が?」
「有無を言わさずに今からお主だけこの“眷族”の元に飛ばす。洟垂れ小娘の頼みでもあるしの。じゃが、それだけでは面白ぅない。それでじゃ、お主がここに返ってくるまで制約を掛けさせてもらうぞ」
「は?」
制約? 能力を使えなくするってことか?
「1つ、【エナジープール】と【エクスペリエンスプール】の使用不可制限。1つ、【実体化】は【再使用待機時間】を72時間とし、1度の【実体化】の最大効果時間を24時間とする。ただし、【実体化】を最大効果時間内に解いた場合、【再使用待機時間】をそれに合わせて短縮するものとする。以上2点じゃ。何か質問は? ほれ、早くせんと危ないぞ?」
待てまて待て。それはつまり基本行動は生霊でって事か!? くそう、波風立てるつもりがないのに波風を立てたがる奴が居るのか。これ確定だ。この世界の神様はギリシャ神話の神々みたいに娯楽が必要な種族だって! 四の五の言ってる場合じゃない。「有無を言わせぜず」ならばそうなのだろう。
「エト、アイーダ、シンシア、リーゼこれを頼む」
アイテムボックスから4枚の五角形の領旗を取り出して投げ渡す。
「聞いての通り、非常事態だ。この領内の全権はリーゼに任せる。それぞれに渡した旗は必要な時に各自の判断で使っていい。ただ、僕が誰かの下に就くという決定はないからそこは忘れないように。冒険者になるもよし、旅に出るもよし、組織を造ってもいい。出来れば戦争は回避してくれ。だからといって命を粗末にして欲しくない。ここに居る誰かの犠牲が必要ならここが持たなくても戦えばいい。でも希望は戦いを避けることだよ。リーゼもここに残る必要はない。好きに動けばいいから。その間は“管理者”のエレンが代理だ」
矢継ぎ早に出す僕の言葉に返す間もなく、一同は僕を凝視している。不安な色が浮き上がっているが仕方ない。完全に神様たちの善意と悪巫山戯が働いている以上どうすることも出来ないんだから。
「ふぉっふぉっふぉっ、ここぞという時の判断の冴えは眼を見張るのぉ。では送るぞ」
「お願いします」
空中に浮かんだ映像と老人姿の神様、それに僕の体が食堂から同時に消えたその瞬間。
◇
ゴアァァアァァァァァァァッ!!!
洞窟のだだっ広い空間で巨大な黒竜が咆哮していた。
「皆しっかりして! こんな所で終わりだっていうの!? Mpも残り少ないーー」
ダークエルフの女性のよく通る声に彼女の周囲で呻き声が聞こえる。まだ息はあるようだが次の攻撃が竜の息吹だった場合全滅は免れない。死ねばそれまでの冒険者家業。偶然に出逢った者達が意気投合し、危険は大きいが見返りも大きい地下迷宮に挑む文化がこの世界には息づいているのだという。
ダークエルフの彼女もその中の1人であった。1年程前から始めた冒険者家業だったが、自分を肌の違うエルフと忌み嫌う者たちばかりでなく受け入れてくれる者も居ることが分かったのだ。そういう者達と旅を続けていれば共に挑みたくなる依頼もある。今回もその1つだった。
だが、迷宮に入り階を攻略し迷宮の奥深くの扉を開けて入った先に居たのがこの巨大な黒竜だったのだ。誰の口からも「有り得ない。勝てるわけ無い」という絶望が紡ぎだされていた。経験を積んだ冒険者たちは自らを過信することはない。
自分自身、仲間のコンディションやレベルを考慮して依頼を受けるものだ。つまり、彼らも事前に準備をして入ったにもかかわらず、想定を超える敵と対峙しなければならなくなったのだ。“罠の部屋”とも呼ばれる冒険者たちの命を刈り取る迷宮の仕掛けに嵌められてしまっと言えよう。迷宮で命を落とした者たちは迷宮の餌になる。暗黙の了解というか、冒険者たちの間での常識だった。
巨大な黒竜の顎がゆっくりと開かれ、大きく息を吸い込み始める。竜の息吹の前段階だ。喉の奥でチロチロと黒い炎が蠢いているのが見える。
「もうこれでお仕舞いね。ふふ。皆と一緒に旅できて楽しかったわ。(心残りといえばルイ様と一度も顔を合わせずに死んじゃうってことかな。あの時、遠くで見ただけだったから正直顔もよく憶えてないけど)」
「俺もだ」
「わたしもよ」
「僕もです」
「悔しいけどね」
彼女の周りから男の声が2つ。女の声が2つ返ってくる。意識もあるようだ。
「ごほっ、ここで一発逆転みたいな切り札無いのかよ」
俺、と言う声を出した男が咳き込みながらダークエルフの女性に声を掛けた。
「あるわけ無いでしょ。Mpもすっからかん、召喚も出来やしないわ」
それを彼女は鼻で笑う。ジリ貧に変わりはないのだ。
「けど、僕たちはナハトアさんの機転でこれまで沢山助けられましたよ」
「あのね、それはあんたたちが無計画過ぎるからでしょ! 今回もデニスが言うこと聞いときゃこんな事にならなかったのに。何が扉は開けるためにあるんだ! よ。前に宝箱でえらい目にあったんだから学習しなさい!」
「け、最後の最後まで説教かよ」
「ははは、面白かったな〜。もう皆と少し旅したかったな〜」
「「「「……」」」」
ゴウッ!!
5人が最後の分かれをし終えた瞬間、黒竜の口から竜の息吹が吐き出され眼の前が漆黒に包まれる!
「ルイ様助けて!!」
ナハトアは無意識にそう叫んでいた。この場に居るはずのない“眷族主”の名を。
最初は気にも止めなかった。よく知らない男が“眷族主”で、さらに“生霊の君”だという。死霊魔術師である自分が生霊の“眷族”だなんて笑えない。そう思っている時期もあった。
その恩恵でランクアップしたというのも頭では理解っている。でもある時、気が付いたら【スキル】の種類やレベルが増えたものがあったのだ。ランクアップ時に確認した時にはなかったものばかり。しかもその【スキル】はこれから旅をする自分にはどれも必要なものばかりだった。
顔もよく思い出せない“眷族主”に気遣って貰えている。長い時間1人で旅をしてきたナハトアにとって新鮮で新しい感情が芽吹き始めていた。もっとも本人は気付いていないが。だが、その気持ちが大きく花咲く前に命の灯火が消えようとしたのだ。
「【闇の外套】! ふぃっ、間に合った! 後は任せて!」
「「「「「えっ!?」」」」」
5人は突然眼の前に立ち塞がった男に目を奪われ、自分たちを包み込む薄黒い膜に二度驚くのだった。黒竜の竜の息吹が自分たちを避けるかのように後ろへ逸らされたのだ。ナハトアの白く長い髪が竜の息吹の風で後ろに靡く。
「良かった、この竜の息吹は闇属性だけか。今の内に動けるようにならなきゃな。【治癒の雨】」
「「「「「【治癒の雨】!?」」」」」
温かい光の霧雨が5人の体を包み込む。体が動く様にはなったのだが、明らかに魔法レベルが可怪しい。治癒魔法に範囲魔法など無いはずなのに。
「ほら、ぼさっとしてると次が来るよ! 【魔力回復補助の泉】」
「「「「「【魔力回復補助の泉】!?」」」」」
魔力回復補助の魔法も範囲魔法があるとは聞いたことも見たこともない。5人を覆うほどの薄銀色の波紋が足元の中心点から円を広げながら波打つ。
「ああもう、驚いてばかりじゃいい的になるだけだぞ?」
男はそう言いながら5人を残して素手のまま黒竜の方に駆け寄っていく。何が起きてるのか4人は完全に混乱していた。ただ1人を除いて。
「ううっ」
ナハトアは泣いていた。その紺色の瞳に映っていたのは無意識に呼び掛けた1人の男の後ろ姿。その姿を見て皆にも見せたことのない涙が溢れてきていたのだ。嗚咽を漏らすまいと両手で口元を覆ってはいるが誰の眼にも彼女が泣いていることを隠せなかった。「まさか!? そんな事が!?」という驚きと「声が届いた!?」という嬉しさ、「助かったの!?」という安堵が入り混じって彼女の心を満たしていたのである。
「見ろ! クリチュカあれ、【聖なる矢】じゃねえのかよ!?」
デニスと呼ばれていた男が指差す。黒竜に駆け寄る男の周りに無数の光の針のような物が現れたのだ。
「嘘っ!? 信じられない! なんて数なの!! それにあの細さ!」
クリチュカと呼ばれた若い女性が身を乗り出して叫ぶ。
「え、何? クリチュカ? どういう事? あたっ」
「あんたね、魔法の密度を上げることがどれだけ大変な事か分かってるの!? 【聖なる矢】1本でも普通の矢と同じ大きなのよ? それをあんなに小さくしてあんな数放てるなんて化物よ」
もう1人の若い女性に手にした杖で頭を殴られて幼さの残る年若い青年がしゃがみこむのだった。しかし杖を持つ若い女性の手はその強気な言葉と裏腹に震えていたのだ。得体の知れぬ男の登場を、恐怖していたのである。
「ねえ、ナハトア! あんたあのとこのこと知ってるんでしょ? 誰なのさ!」
「ーー」
「よせ、マーシャ。こんな状況だナハトアも混乱してるんだろうよ。俺達だってそうさ」
マーシャが杖をナハトアの顔に突き付けながら問い質すのだったが、ナハトアはただ首を左右に振るだけで答えようとしなかった。それを察したデニスが仲裁に入ったのだ。
ドォォォォォォン
「「「「!!!」」」」
轟音と振動に思わず視線をナハトアから黒竜に戻す。あの男によって黒竜がどうやってかは知らないが転ばされていたのだ。
「この部屋ってさーっ! 黒竜倒さなきゃ出れないのーっ?」
離れた所から男が尋ねてきたので、4人が高速で頷き返す。自分たちでは間違いなく迷宮の餌になる処だったのが一転生還できる望みが湧いてきたのだ。嬉しくもなるだろう。しかし、その返事を見ても男はすぐに動かなかった。それを遠くで見たいた者たちは訝しんだが、そんな事を気にも留めず、マイペースに黒竜と意志を通わせていたのだ。
ー だってさ。命を取るのは忍びないんだけど、この部屋から出るのに別の方法がないかな? ー
ー 無駄だ。我は迷宮に縛られている。死しても迷宮の力でまた蘇る。そして我の命が鍵だ。鍵がなければ扉は開かぬ。さっさと殺すがいい ー
ー そうか。じゃあ、殺して体をアイテムバッグに収めて外に出したら本当に死んじゃうのかい? ー
ー 莫迦な。そんな事が出来ようはずがない。だが、その方法であれば我も安らかに眠れる ー
ー なる程ね。僕も初めて試す事だけどダメ元でやってみるかな ー
ー ふっ、竜の言葉を話す面白い男だ。ならば我を殺すがいい! ー
ー 了解! ー
「おおーいっ!! この黒竜、僕が倒しちゃってもいいのーっ? 称号とか欲しいんだったら抵抗しないらしいから来て殴るかーいっ!?」
「「「「「はぁっ!?」」」」」
完全に5人は言葉を失った。裏返せば黒竜は眼の前の男に屈服して命を差し出したということなのだから。途中からぱっと現れて、あれよあれよという間に自分たちを助けた武器を保たない1人の男に。「英雄・・・」そんな言葉が彼らの脳裏に浮かんでいた。神話に出てくる英雄はこのような人物だったのではないか、と。
お互いに顔を見合わせながら黒竜に近づく5人の表情は恐怖と緊張で彩られていた。近寄ることが出来たのは、黒竜を下した男が傍に居るからに他ならない。
10分は殴り続けたり、魔法を放ったりしただろうか。
ずぅぅぅん、という地響きと共に黒竜の巨体が地面に倒れ伏すのだった。
「「「「やった!」」」」「もう無理」
「はい、お疲れ様。ちょっとごめんよ。遺体は回収する約束だから」
「「「「「え? 約束!?」」」」」
「そ、この黒竜とね」
「「「「「は? 竜と話せるの!?」」」」」
「あ、まずかったか。出来れば内緒でお願い」
男はそう言うと口の両端を広げるように歯を見せて笑うと、止める間もなくアイテムバッグの中に今倒した黒竜の遺体を収納するのだった。本来は倒した者が遺体の素材収集権を主張できるのだが、彼らも理解っているのだ。そこを求めるのは命を縮めることになると。
『あ、あのルイ……様』
ナハトアが消えいるような小さな声で男に呼び掛けた。普段とは違う彼女の様子に4人も注目する。これから何が始まるかと。しかも聞き取れたのは自分たちが普段使っている言葉ではないようだ。
『やあ、ナハトア。間に合って良かった。それとお互い顔を見るのは初めてかな?』
男はナハトアの事を知っていた。そして彼女と同じ言語で話し始めてではないか。恋人か?いや、耳を見る限りでは自分たちと同じ人間だ。エルフではない。
『あ、い、いえ、あの時、わたしは遠くから御見掛けしました。あうっ』
しどろもどろになりつつ男の質問に答えたのだったが、男が軽く頭に手を振れてもしゃもしゃっと乱暴にあたまを撫でられたに驚いて顔を赤くるるのであった。モジモジするナハトアの姿は新鮮だったが、恋人とはちょっと違う気がすると4人は思うことにしたのだった。また教えてくれるだろうと耳打ちしながら。
「あ、そう? 気付かなかったよ。詳しいことは後で話すとして、しばらく一緒に行動することになると思うからみんな宜しく」
その様子に気が付いたのか、男が共通語を使って自然な形で宣言したのだ。
「「「「「えっ!?」」」」」
思わず耳を疑った。今「一緒に行動する」って言ったの? と互いの視線が交錯する。
「え、あ、着の身着のままでここに放り出されちゃったからな。行くあても頼る人も居ないんだ。だから宜しく。えっと、こっからどうするんだい?」
男が拒否されたと思って慌てて言い繕う。単に驚いただけだったのだが、そこまで読めないようだ。
「え、あ、迷宮に入ったこと無いんですか?」
クリチュカが思わず突っ込んでみた。嘘を付いているようには見えないのだが、それにしても緊張感が全くないのだ。ここがどういう場所であるのかを知っていれば決して取ることのない態度なだけに違和感が拭えなかったのである。
「ああ、これが迷宮か。話には聞いてたけどね。これが初めてだよ。いきなりナハトアが危険だからってぽいっと放り出されてここに居るんだ。だからこの迷宮が何処のなんて言う迷宮で、何階層目に今立っているのかすら分からないというね」
「え、放り出された? それって転移魔法ですか?」
同じ言葉を男が使ったのが気になって、マーシャが魔法使いとしての知識から何とか情報を引き出そうと食い下がる。
「(参ったな。登場の仕方から何から派手にやり過ぎたか? というか、そもそも放り出したのは神様だしな。なんて説明するか)」
「待てまて待て。お前ら勝手に話を進めるな!」
男が黙っているとデニスと呼ばれていた若い戦士風の男がその会話に割って入ってくるのだった。このパーティーのリーダーなのだろうか。
「何よ、デニス。あんただって気になるでしょ!?」
マーシャが赤茶色の髪を掻き上げながら仲間の男に詰め寄るのだったが、デニスは軽く肩を押して道を開けさせると得体の知れない自分たちより少し年上であろう男の前に立つのだった。デニスの視線は強く、男の双眸を捉えてる。
「助けてもらったことには本当に感謝してるが、肝心のことを何も聞いてない。あんたは何者で、ナハトアとはどういう関係だ?」
「(う〜んーーここで騙しても【実体化】には効果時間を付けられちゃったから、いずれバレちゃうんだよな。どっかで見てる神様たちの思惑に乗るのは癪だけど、腹を括るか)それを説明する前に、ナハトアに手伝ってもらおうかな」
「え? わたしに?」
「そそ、あの時僕を見てたのなら、僕のこの姿は可怪しいと思わないかい?」
「ナハトア、どういうことだ?」「説明してよ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ! わたしだって混乱してるんだからすぐに分からないわよ!」
パーティーメンバーに急かさせるも、ナハトアはそれを突っ撥ねるのだった。左手を胸の真ん中に当てて深呼吸してからもう一度自分と向かい合ってる男を見詰めるのだった。
「(あの日この男に【鑑定】を掛けた時何と出た? 眼の前に居るのに違和感があるのは何故?)あーー!?」
「良かった気が付いて貰えたようだね」
「肉体があるーー!?」
その一言に4人の表情に緊張が走る。「ある」ということは「元々無い存在」だということだ。それを意味することろを知らなくて冒険は出来ない。
「ご名答。正確には【実体化】というスキルがあってね。3日に1回しか使えないんだけど、いつもはこっちの姿だよ。襲いかかることはないから安心してね? 【解除】」
「!!」「げぇっ! 生霊!?」「死霊!?」「悪霊!?」
「待って! アンデッドなら“穢”があるはずよ!」
ナハトアは自分の眼の前で背景が透けてくるのを言葉も出せずに見守っていた。眼だけ大きく見開いて。だが他の4人はそういう訳にはいかなかった。討伐対象が眼の前に居るのだ。仲間が攻撃姿勢を取るのを見てナハトアがその前に立ちはだかる。
しかしその好意を無駄にし、火に油を注ぐ様な一言をこの男は口走ったのだった。
「初めまして。僕はルイ・イチジク。悪い生霊じゃないよ」
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