第79話 吸引
※流石に自分のキャパがついて来なくなったので、
隔日ペースに戻そうと思います。
…戻せるかな?(汗) 頑張ります!(笑)
あと、大変なミスがありました。
第76話がのつもりが第77話という位置づけで連れてきていることに気付きました。
訂正します。
【送信先が見当たりませんでした】
「え――?」
何それ? つまり神様との交信は無理ってことか。じゃあ、何のための返信機能だ? ふぅ。まぁ、ダメ元で試したんだからボヤくのは筋違いか。
そんな事を思いながら返信画面から元のメッセージ受信画面に戻っている文面をぼーっと眺めていた。
〜追伸:その方が面白いかな? と思ったのです。
ふふふ♪ ルイくん優しですね。それではまた御逢いするまで元気でいてくださいね♪〜
僕の言葉は入ってないが、その時は僕のリアクションに合わせて神様の言葉が浮かび上がってきてたんだよな。ほとんど会話してる感じで感情をぶつけていたのが2年も前の話。時間が経つのは早いものだ。カティナが静かになった事にふと気付き様子を見てみると、背中に張り付いたカティナの口から涎が垂れて僕の右肩に滲みを作っていた。
「本当、カティナには癒やされるよ。その点、エレクトラ様は違う意味で癒やされるけど。ん〜癒やされるというかリアクションが可愛らしいんだよな。和む、がぴったりか」
とカティナを見ながら呟く。
ぴっ
ん? 何か視界の片隅で動いた気がして顔を動かすと。
「えっ」
そこは癒やされると言う処ですよ!
と続きに言葉が綴られていた!? え? どういう事!? は? 返信機能全く要らないじゃん。
「何と言うか、相変わらず出鱈目ですね」
む、そこはルイくんに言われたくないわね。
「メッセージ返信しても届かないし、受信ボックス内の最初のメッセージでそのまま遣り取りが出来るだなんて思いませんよ」
ああ、あのメッセージ機能はね転生者同士で使うものだから天界までは届かないのよ
と来たもんだ。紛らわしいにも程があるだろ。だったら最初からそうだって言ってくれよ。
「でも連絡が取れるって分かったから良かったですよ」
ふふふ あんまりこれ使ってるとわたしも怒られちゃうからたまにしか出れないけどね。それで? ルイくんわたしに何か用があったんでしょ?
「あ、そうそれです。眷属化した土地をこの国で領地として認めて貰えそうなので、旗が必要なんですけど、デザインにエレクトラ様の横顔を使いたいんです。使っても良いですか?」
何そのにやけるような話! わたしの横顔使ってくれるの!?
「あ〜とは言っても横顔をはっきり思い出せないからそのままのものではないにしても少し違ってくるかもしれないんですよね」
そ、それは困るわ! 使うんだったらちゃんとしてもらわないと!
「ですよね。だから一度顔を見せていただきたいんですけど。ダメですか?」
何となく釣れた感があるからダメ元で聞いてみた。
ちょ、ちょっと待ってて!
どうやら釣れたらしい。大物だ。と思ってたら、天井に黒い歪のような穴が開いてそこからぽとりとエレクトラ様が落ちてきた。えっと、今まで上から落ちてきてたあの姿は? 一先ず眼の前に降って来たから両手で受け止めるように手を出したんだけど、神様に自由落下の法則は関係ないらしくふわりと僕の膝の上に座るのだった。
「ノリ? ひゃん!」
思っていることが読めるようで、今までの登場シーンの事を思ってたらそう言われたので有無を言わさずチョップを落とす。
「聞かないで下さい。と言うか、何故膝の上に? 浮かんででも良いのでは?」
「む〜折角ルイくんの処に来たのに膝に座らなきゃ損じゃないか! あんまり長くは居れないんだから」
ま、来てもらえただけでも感謝なんだけど、つい、ね。
「それでデザインなんですけど」
「うんうん」
「僕の眷属に精霊が10人居るんですよね」
「うんうん」
「それに肖って十芒星の真ん中にエレクトラ様の横顔を浮かせて耳の部分をエレクトラ様の背中の翼にして羽耳みたいな感じにしたいと考えてるんです」
「おぉぉぉぉぉ〜♪ 良いではないですか!」
僕の説明に琥珀色の円瞳をキラキラさせながら両手を胸の前で両手の指を組み賛成してくれた。どうやらエレクトラ様の脳内で勝手に構図が出来上がっているようだ。
「で、それを絵に落として、街の職人に縫ってもらおうと考えていま」
「ダメです!」
いきなり拒否られた。さっきは乗り気だったのに?
「そんなイメージが伝わらなくてぶさいくな女の子が出来上がったらどうするんですか!?」
「え、許容範囲なら、そのまま利」
「却下です!」
「却下」
人の膝の上に小学生くらいの幼女が座ってぷんぷんと怒ってる姿を想像してみて欲しい。これは犯罪だ。しかも金髪が揺れて陽の光を反射するもんだから、可愛く見えるんだよね。
「そこは可愛いですよ、ルイくん。あた!」
「だから勝手に読まないで下さい」
「ふふふ 照れてるのですね。良いでしょう! 時間もないことですし、これはわたしの名誉が掛かった案件です」
「え、そんなに重要な事なんですか?」
「重要です! 女神を模して領旗とするのですから!」
熱く語るエレクトラ様の声で3人の意識が戻り始め……。
「「「えっ? あっ? エレクトラ様!?」」」
「まだ寝てていわよ。気にしないで」
驚く3人にそう言って神様は手をひらひらと振るのだった。そうは言うけど神様の手前寝ていられる訳が。あ、寝やがった。と言うか見なかったことに的な処理を今脳内でしただろ?
「ふふふ 皆良い娘ね。話は戻るけど、その領旗わたし自ら作るわ!」
「え? そんなことも出来るんですか?」
と聞き返したら可愛らしい右手の人差し指を立ててチッチッチッチと舌を鳴らしながら指を振るエレクトラ様……不覚にも可愛いと思ってしまった。
「これくらい何ともないわ! まずは領地に掲げるのとここに掲げる大きな旗が2枚!」
と言った途端にボフッと幅210㎝☓高さ140㎝大の長方形の旗が床に落ちた。金糸で縁取ってあり、中は青地で十芒星が旗の内枠ギリギリの大きさで描かれてある。
10の星は銀糸だ。十芒星の内側は黒字で眼を瞑った金髪の幼い少女の横顔が刺繍の要領で浮かせてある。肌は象牙色の糸で。金髪は金糸。耳に当たる小さな翼の部分は生成り色の糸で縫われていた。イメージ通りの完璧な出来栄えだ。
「凄いな、イメージ通りだ」
「でしょ! とは8枚ほど五角形の盾形の旗を作っておくわね」
というが早いか幅60㎝☓高さ150㎝の五角形の盾形の旗を8枚ボフッと出してみせるのだった。枠の縁型が違うだけで中身の意匠は同じものだ。チート過ぎる。これが神様なんだね。
「も、もう? 流石エレクトラ様。ありがとうございます。神様の作品の所為なのか神々しさがありますね」
「でしょでしょ〜♪」
と褒めたらデレました。でも本当の事なんだよな。気品があるというか厳かな気分になるのだ。褒められたことで気を良くしたエレクトラ様はアホ毛を揺らしながら喜びに浸っている。
領地に掲げるのは良いとして、これを王様に渡したらなんて思われるだろう。「余の国旗もこの職人に頼んでくれ」なんて言われそうだ。今の内に逃げ口上を考えておくか。
「あ、そうだもう一つ報告があったんだった。ちょっとカティナごめんよ」
「ん……」
カティナを背中から下ろしてベッドに横にならせ、アイテムボクスに旗を収めながらエレクトラ様に視線を向ける。僕が動くのに気が付いたエレクトラ様は膝から居りて宙に、僕の眼の前にふわふわ浮いていた。旗を収めて立ち上がると。
「ん? 何?」
くりっとした琥珀色の瞳で見上げてくる。……。もう何も思わないぞ。
「領地の名前も決めろって言われまして。名前を決めたんですが」
「ほうほう、どんな名前にしたのでしょう?」
「エレクトラ様の名前を使ってエレクタニアという名前にしたんですが、良かったですか?」
と恐る恐る聞いてみた。
「――ルイくん」
「はい」
あ、やっぱりまずかったか。
「ルイくんは天才ですか!?」
どうやら違ったようだ! さっきに増してキラキラ感が凄いことになってる。名前の付け方の選択も間違ってなかったようで僕としては一安心だ。と思ってたらとんでも無いことを言い出した。
「さ、行きますよ!」
「は?」
と言ったが早いかエレクトラ様が僕右手を取ったと思った瞬間、僕たちは領地の上空に浮かんでた。
「到着♪」
「はぁっ!? 今王都の部屋に居たんですよ?」
何だこれ、転移魔法か? いや、神様の力に理由を付けても無駄だ。人には出来なくても神様に出来ることは山のようにあるはず。こういう場合気にしたら負けだよね。
「ふふふ これくらは朝飯前よ♪ ささ、名前を付けましょう♪」
「え、土地にも名前付けれるのですか?」
「そうよ♪ 加護も名付けも、マーキングみたいなものだもん」
犬ですか。そんな事を思いながらゆっくり降下していくエレクトラ様と僕。ちょど池の真ん中に生えているトレントの真上だ。
[え? 父上? と、エレクトラ様?]
あ、神様の名前は覚えてるのね。
キャンキャンキャン『御父様ぁ〜♪』
翡翠色の羽根で身を着飾った大型の鷲が僕たちの上を旋回し始める。
[やあ、ベン。ちょっと急用で帰ってきたんだ。母さんたちを呼んでくれる?]
[畏まりました]
『アルマ、蜻蛉返りですぐに戻らなきゃいけないんだけど、ただいま♪』
『おかえりなさいませ♪』
「ふふふ 本当、ルイくんの眷属は皆良い子ばかりね」
「ありがとうございます。その分僕が楽が出来るので」
エレクトラ様の感想に僕は口の両端を左右に引っ張るように笑うのだった。そうこうしてると屋敷から居残り組がワラワラと慌てて駆け出てくる様子が見えた。帰ってくるとは思ってないだろうし、神様付きとは想像も付かないだろう。
「マスター!」「「「ルイ様!」」」「ルイ!」「ご主人様!」「我が君!」
「ふ〜ん、可愛い子ばかりよくもまぁこんなに集めたわね♪」
「偶然です。多分」
そう言うしかない。この世界は美少女と美女しか居ないのかと思ったくらいだもん。あ、名前つけたらささっと帰りそうだからやることやっておかないきゃ。
「エレクトラ様、すみません。名前を付ける前に少しだけ時間を頂いても良いですか?」
「何するの?」
「せっかく作ってくださった旗を渡しておこうかと」
「うんうん、そうしてそうして♪ それくらいは待ってあげるから♪」
ありがたい。皆の所に降ろしてもらって一通り居残り組を抱き締めておいて心のケアをしておく。最後にエレンを抱き締めてから大きな旗を取り出す。
「我が君これは?」
「この領地の旗だよ。エレクトラ様を模してデザインしてあるから後で掲げておいてくれる?」
「畏まりました!」
エレンは2mを超える大きな旗を受け取るとくるくるっと丸めて白いエプロンの前ポケットに入れ込むのだった。は? 何それ? 異次元ポケット? ドラ○ちゃんなの!? いや、待てまて待て。エレンの職がそもそもチート色満載だ。これくらいで驚いてちゃ駄目だぞ。切り替えよう。
「それと、食料庫に今すぐに案内して」
「はい!」
「皆はそのままそこに居てね。すぐ戻ってくるから! エレクトラ様すみません!」
「いいのいいの行ってらっしゃい♪」
自分たちが生活する屋敷なのに何処に何があるのかわからないというね。自分? の部屋と食堂、お風呂&隠し部屋くらいという。完全に色と食に偏ってると思われても仕方なのない記憶だ。僕に急かされてエレンがスカートの両側を摘み上げて駆け出す。結構な速度だけど。【解除】して後を追う。これなら問題ない。
屋敷の外周を周り裏手でにある厨房への入り口から中に入り、その厨房から下に続く階段を居りてく。まだ5分も経ってない。流石だね。階段を15m近く降り切った所に大きな引き扉が現れた。2階分くらいの深さがあるってことかな? エレンが引き扉を引くゴゴゴゴという音を聞きながら中を覗いてみるが確かに広い。ゼンメルが借りてくれた王都の倉庫の倍は奥行きがある。
「広いね。それに明るい」
どうやらエレンがお風呂に設置したものと同じ照明をこの倉庫にも設置してくれているようだ。
「エレン、ちょっと下がっててね」
「はい、我が君」
そして、アイテムボックスに王都で仕入れて収めておいた食糧を開放する。バラバラになるかな? と思ったけど。そのままの状態を収め込んでいたようで同じ様のまま現れた。ヘクセ、違うな。リューディアが使っていた家を収める方法もこれと同じ原理だから出したり仕舞ったりしても問題ないということか。
「これで暫くは持つだろう。皆に美味しいものを作ってくれ」
「あの、我が君は?」
「うん、すぐ王都に蜻蛉返りさ。6人の話は聞いてる?」
僕の質問にエレンが頷く。
「彼らの部屋のや住む所をよろしくね。恐らくだけど、料理長の部屋は厨房の傍が良いと思う。その辺りのアレンジはエレンに任せる。明日か明後日には一度連れて戻ってくるから、要望を聞いてからでも良いよ」
「はい、我が君」
本当はここでぎゅっとしてチュッとしたいとこだけど、生霊のままだしエレクトラ様を待たせてるので急いで戻る事にした。そんな強請る眼で見ないのエレン。ここは流されないよ。
「さ、皆待ってるから戻ろう。先に行ってるからね」
久々に壁抜け土抜けして屋敷の前に出る。これはこれで楽でいいんだよな。肉体にはない良さもある。でも、今は人前では見せられない。この領地ごと攻められたらどうしようもないからな〜。だから騒ぎにはしたくない。もう少しの間は【実体化】を多用しないといけないだろうな。
エレクトラ様と皆の所に戻って、ふわふと浮かんでいると急かされた。
「さぁ、ルイくん! 名前を付けましょう♪」
他の者は何のことだか分からないようで沢山頭の上に「?」マークが飛び出てきたような表情に満たされたので思わず笑ってしまうが、ゆっくりと地面に降り立つ。【実体化】はしてないけどこのままでもいけるはずだ。
試しに土地に【鑑定】を掛けてみる。
◆眷属地ーーーー◆
【備考】ルイ・イチジクの眷属化に伴い眷属となった大地。眷属主の成長に合わせて成長する。また眷属主及び眷属のHp・Mpの回復、状態異常の回復を早める力を持つ。自我はない。
なる程。本当に眷属地になってるよ。さてと、やってみるかな。
「お前にも名をあげよう。眷属になってるのに気が付かなったんだ。女神エレクトラ様の名を冠してこの地の名を今より“エレクタニア”とする! ぐあっ!! 吸われる!?」
「ちょっ、ルイくん!?」
名を付けた瞬間大地がドクンと大きく脈打つように淡白く輝き、それと同時にものすごい勢いで吸い取られ始めた!? エナージープールの中身もドンドン吸われていく。これがなければ危なかったんだけど、今も危ないのは変わらない。
エレクトラ様も状況が飲み込めたようで声に焦りの色が聞こえたんだけど、僕の体がどんどん薄くなっていき、しゅぽっと大地に吸い込まれてしまった。
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
「ルイくんっ!?」
最後まで読んで下さりありがとうございました!
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ご意見ご感想を頂けると嬉しいです!
相変わらず稚拙な文ですが、これからもよろしくお願いします♪




