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レイス・クロニクル  作者: たゆんたゆん
第五幕 王都 
68/220

第67話 面会

※2017/4/4:本文記号修正しました。

 

 「一刻を争います。僕を奥様の部屋に案内してください」


 「は? ルイ、何を言ってるのだ?」


 「瀉血(しゃけつ)自体を悪い治療法だとは言いませんが、血を失い過ぎです! もしご自分でもこっそり瀉血をしていようものなら命の危険があります! 人の体の中の血の量は限りがあります。一定量失われると気を失って死んでしまうのはその所為ですから!」


 いつものゆったりした口調だと緊急性が伝わりにくと考えて、少し語気を荒める。


 「!? アガタ!」


 「はい、旦那様! こちらでございます!」


 (ようや)く只事ではないということが理解してもらえたようで、デューオ様に促された初老の侍女(メイド)長がスカートの右を摘み上げ先導して小走りに案内を始める。廊下の火は既に消されているので、今明かりはアガタと呼ばれた侍女(メイド)長の左手に在る油灯(カンテラ)だけだ。真夜中の屋敷の廊下を複数の走る足音が屋敷の奥に在る部屋に近づいていた。


 ばん!


 ノックして扉を開けようとするアガタを押しのけてデューオが乱暴に扉をあけて飛び込む。


 「エルマーッ!?」


 「奥様!?」


 アガタさんの油灯(カンテラ)に照らされたのはベッドに横たわったまま右手をだらりとベッドのに外に垂らした女性の姿だった。ベッドの横には金盥(かなだらい)が置かれていて、手首から流れ落ちる血を受けるようになっている。だが、自分の夫の声にも反応しない。


 「すみません、どいてください!」


 迷ってる暇はない。まずは治療してそれからだ!


 「うおっ!? ルイ、何を!?」


 「【治癒(ヒール)】!」


 僕の右手の掌から暖かい光が放たれて横たわる女性全体を包み込む。その内に空いた左手の指で左頸動脈を触診する。


 とくんとくんとくん


 脈が在る!


 「え、あ、治癒師(ヒーラー)様!?」


 「聖魔法の【治癒(ヒール)】だと!?」


 「ふ〜危なかった。これで一先ず安心です。それと、(しばら)瀉血(しゃけつ)を中断して頂けませんか? 詳しいことは夜が明けてからでもお話します。まずは身体を休めましょう」


 そう僕は会釈して2人の間を擦り抜けて部屋を出ようとしたんだけど。


 がしっ


 デューオ様に手首を掴まれた。あう。2人がベッドで待ってるのに。


 「モナークでもあり、治癒師(ヒーラー)でもある、他にも何を隠してる!? 目的は何だ!?」


 う、デューク様の視線が痛いし、怖い。


 「目的は、引き籠もり生活を誰にも邪魔されずに過ごすための基盤作りです。世情に(うと)いとつけ込まれますし、家人を鍛えなければ僕のする仕事が増える、家や庭が荒れる。そのくせお腹は減る。だから僕が引き籠もり生活を満喫するためのスキルを家人に教え込むためと、食糧確保のために王都くんだりまでわざわざやって来たという訳です。そしてこれは(・・・)完全な御節介です。何かを求めるとすれば温かい朝食を振る舞って頂ければそれで十分です。では」


 さらっと眼を見ながら早口で自己中心的な理由を並べ立て、ぺこりとお辞儀をしてあっけにとられて握る力の緩んだデューオ様の手から逃れるのだった。あ〜怖かった。威圧とは違う凄みのようなものが在るね。


 王都くんだりまでとか言っちゃったけど、この国の人たちからすればここには下ると言うより上るが正解なんだろうね。僕の生活の中心は王都じゃなく“森”だから、王都に下らなきゃいけなかった訳となる。都合の良い解釈だよね。さて、ジルにはまた別の時に埋め合わせてあげるとして、今夜はカティナとシンシアを♪


 「あ……迷った――」




             ◇




 僕が出て行った後で部屋に残された2人はただ呆然としていた。


 「アガタよ」


 「はい、旦那様」


 「今見たことは内密に頼む」


 デューオの言葉にアガタは一礼して応える。その動きに油灯(カンテラ)の火が揺れる。


 「心得ております」


 「この金盥(かなだらい)を片付けて、朝一番に医師の所へ遣いを出せ。また呼ぶまで顔を出さなくて良いとな」


 「畏まりました」


 「それと、すまないが酒と軽い食事を頼む。エルマーの横にいてやりたいのだ」


 「承知致しました」


 アガタは優雅に一礼すると、手元の油灯(カンテラ)の蓋を開けテーブルの燭台にあった蝋燭に火を灯す。それから辺境伯夫人のベッドの横に置いてあった金盥(かなだらい)を持ち上げ、部屋を後にするのだった。部屋を出る際に再度会釈をして扉を閉める。しかしデューオの視線は愛する妻の寝顔に注がれており、気付かれることもなく、ぱたんという静かな音がアガタの去ったことを伝えていた。


 「ふ〜何が何だかさっぱり分からん。思えば助けられたと聞いたのはジルからだったな。シェリルに後で聞いてみたがその瞬間はそのような人物は見ていないと言った」


 独り言を呟き始めたデューオだったがやがて思考の池に沈み込んでいく。


 あのような緊急事態の中で冷静に物事が運べるとは思えん。その時もたまたま出喰わしたということか? その後の報告に目を通したが、盗賊はどれもLv1でスキルすら持ち合わせていなかったとあった。そのような事があるのか? 騎士たちも襲われ重傷を負っていた者も居たのだ、つまりそれだけのスキルを持つものに襲われたということになる。おまけに傷が癒えていたのだぞ?


 とんとんとんとん


 癖なのだろうか、デューオは無意識の内に椅子の肘掛けを右手の中指でリズミカルに叩き始める。いや、思考が深くなって行く時の合図なのかも知れない。


 スキルを抜き取る術を持つものが居たのか、あるいはルイが抜き取った(・・・・・)のか。以前にそういうスキルを持った者が現れたという話を耳にしたことが在るが。普通、そういう輩は己の力に酔って見境なく行動するものだ。だがあの時の件は違った。盗賊だけだ。


 ん? 待てよ。カンゼム討伐の報告書にも似たような事が記載されていたな。傭兵崩れや盗賊全員がLv1でスキルを持っていなかったと。200名程も捕縛されたのに。レベル1では烏合の衆だ。金を積むのであれば俺ならそんなヘマはせん。


 ぞくり……


 デューオの背中に悪寒が走る。


 どれもルイが絡んでいるではないか。何者だ? 何をした? 何の目的が。


 こんこん がたっ!


 扉が小さくノックされ、その音に驚いてデューオが椅子を揺らす。


 「旦那様、アガタで御座います。お食事をお持ちしました」


 「入れ」


 がちゃり


 扉が開き、アガタが木製のキッチンワゴンを押して部屋の中に入ってくる。縦80㎝☓横40㎝の台が乗った使い勝手の良さそうなワゴンだ。デューオの前のテーブルに料理と酒、ナイフとフォーク、グラスを置いて一礼した。温かい料理の薫りが鼻腔に吸い込まれ食欲を(くすぐ)る。


 「すまないな。もう遅い少しでも休んでくれ」


 「ありがとうございます。それとルイ様ですが」


 「ルイがどうした?」


 「屋敷の中を泣きそうな顔で歩いておられましたので、お部屋まで案内しておきました」


 「ふ、そうか。泣きそうな顔か」


 「ふふ、はい、旦那様。では失礼致します」


 「ああ」


 ぱたん


 「本当によく分からんやつだ。一つ言えることは、あれ(・・)を敵に回してはならんという俺自身の(・・)に背かぬことだな」


 アガタの報告に思わず吹き出してしまう。想像できてしまったのだ。笑いと共に自分自身の中の毒気が抜かれてしまったことに気付き、デューオは運ばれてきた酒をグラスに注ぎ口に含むのだった。


 今は疑わずにルイという男をもう少し見てみるか。


 そう思えたのだ。


 安らかな寝息で確かな生命を感じさせてくれる妻の横で、デューオは独りグラスを揺らすのだった。




             ◇




 チチチッ チチチチッ チチチッ


 小鳥の(さえず)りでふと気がつく。


 夜が明けたみたいだ。しかし昨晩は酷い目に逢った。お節介をしたのは良いのだけど帰り道を忘れていて広い屋敷で迷子になったのだ。アガタさんが通ってくれなければ僕はきっと玄関エントランスのソファーの上で寝てたに違いない。


 両腕が重い。カティナとシンシアに挟まれているのだ。昨夜は二人共疲れてるだろうから何もしてない。腕枕をしてあげたくらいだ。それだけでも僕には嬉しいんだけどね。さとそろそろ起きるか。


 こんこん


 「はい」


 「アガタで御座います。ルイ様」


 あ、昨夜の。早起きだね。僕には無理だな。


 「どうぞ」


 がちゃり


 「お食事の御用意が出来ましたので御呼びに参りました」


 扉が開き、昨夜逢った初老の侍女(メイド)長が会釈して、声を掛けてくれた。彼女の眼には映っていたと思う今だ横たわる全裸の女性たちの真ん中で呑気に座る男の姿が。


 「ありがとうございます。まだ起きてない者が居るのでもう少し後で行ってもいいですか?」


 「畏まりました。では案内の者を御傍につけておきますので、御声をお掛けください」


 と優雅にお辞儀してアガタさんは去って行った。動じないね。流石だ。


 その30分程して4人で食堂に降り、温かい食事を美味しく頂いた。昨夜の経過を()ておきたいところだけど、あれは完全に変則的(イレギュラー)な事故のようなものだったからね。さて、どうするかな。とそんなことを思っていたら、アガタさんに呼ばれて僕だけ奥様の部屋に行くことになった。皆にはそのまま食堂で待っててもらうことにする。




 こんこん


 「旦那様、ルイ様をご案内致しました」


 「入れ」


 がちゃ


 アガタさんが先にお伺いを立ててくれ、扉を開いてくれた。どうすれば?と思いながらそのまま先に部屋に入ることにする。


 「来たか。屋敷の中で迷子になったそうだな」


 「あ……」


 そこ!? そこ弄るんですか!? だって広すぎるんですよ! “森”の屋敷も広いと思ったけどここ程じゃない。


 そりゃあ医者になるため勉強はしたつもりなので、文字で整然と並んだ知識や医療ネタなど興味のあるものは問題なく覚えてきたつもりだ。だけど、基本興味のない(・・・・・・・)専門外の知識を蓄えるのとでは向き不向きもある。観光で見る景色はその場で楽しみたいからと予習していかない人間なのだから。勿論、興味が新たに湧いてくれば話は別だ。ま、それは僕に限った話でもないはず。


 見ると、優しげに微笑んでいる女性が半身を起こしてベッドの上で座っていた。奥様だね。


 「貴方、ルイ様が困っておられますわ。初めて訪れた屋敷で案内もなく暗がりを歩けば誰だって迷子になりましょう」


 あうっ。フォローというかそれ、追い打ちです奥様。


 「御初に御目にかかります。ルイと申します。急に押しかけてしまいましたのに、温かく御迎え下さり感謝しております」


 「ほらな」


 え? ほらって何を話されたのですか!? 辺境伯!?


 デューオ様の言葉にえ? っという表情で顔を上げると、奥様も「まぁ」と驚いた様子で口元を右手で覆っていた。奥様まで。


 「いや、そこらの貴族より見栄えが良いぞと話をしたのさ。お前の事をあれこれ聞かれたからな」


 「ははは。それは御耳汚しでございましたか」


 「(しばら)く居て下さるのでしょう? 今日はルイ様の御蔭で気分もすごく良いの。できればこのまま居て欲しいくらいだわ」


 「おいおい」


 「うふふふ、冗談ですよ」


 御馳走様です。僕もこういう風に見られてたんだろうな。あの(・・)死霊(スペクター)に。


 「奥様」


 「まぁ、奥様だなんて他人行儀だこと。エルマーと呼んで下さいませ」


 奥様の言葉にチラッとデューオ様に目を向けると肩を(すく)める。構わないということだろう。


 「では、エルマー様。御加減が良いということでしたが、少し腹部と眼を診させて頂いても構いませんか?」


 「脱げば良いのかしら?」


 「ちょ、ちょっと待った!」


 あうっ、素が出た。いきなり脱ぎかけたので慌てて止めに入る。


 「うふふふ♪ 冗談ですよ、ルイ様。でも、そっちの話し方がわたくしは好きでしてよ?」


 ……疲れる。この夫婦疲れるぞ。でも、お許しが出たことだし。出たのか? デューオ様の言質は取ってないぞ?


 「御冗談はそれくらいにして、ちょっと失礼しますね。僕の指先を顔を動かさずに眼で追ってもらえますか?」


 エルマー夫人が頷いたのを確認して彼女の顔の前に右手の人差し指を立てる。それからそれを左右に動かして眼の白い部分が最大限現れるように誘導する。……黄色い。黄疸症状が現れてる。


 「デューオ様御尋ねしたいことが」


 「なんだ?」


 「エルマー様の肌の色です。昔から黄味がかっておられるのですか?」


 「!? なぜそれを?」


 デューオ様だけでなく、エルマー夫人もアガタさんも驚きの色を浮かべた。当たりだ。ほぼ100%で黄疸症状が出てると言い切れる。後は原因が何処か…特定できればね。


 「いえ、コネリア様の肌は白くて綺麗でいらっしゃるのに、エルマー様は黄味がかっておられます。子は親に似ると言いますので、エルマー様の肌に似るのであればコネリア様の肌の色が違ってくるのでは? と思ったのですが」


 「その通りだ。2年前まではエルマーもコネリアと同じように澄んだ白い肌をしていたのだ。しかし初見でそこまで言われたことはないのだぞ?」


 2年前。大変だったでしょうね。ん? あれ? もしかしてこっちの世界の医療レベルはそんなに高くない?


 「肌の色の違いを診立てた医師は何と診断していましたか?」


 確認作業は必要だよね。


 「悪い血が内蔵に溜まってるので」


 はい、終了!


 「瀉血(しゃけつ)しましょうという話の流れですね?」


 直ぐに言葉を引き継ぐ。これは本当に中世のヨーロッパレベルだぞ。だけど魔法文化が在るだけでも延命率は格段に跳ね上がる。魔法、あれ?


 「――その通りですわ」


 「大体わかりました。昨夜、アガタさんがヒーラーと言われていましたが、どういった方なのでしょう?」


 「ヒーラーとは治癒魔法が使える者の総称だ。聖魔法が使えるからと行って誰もが【治癒(ヒール)】を使えるわけではない」


 アガタさんの代わりにデューオ様が答えてくださる。あれ?


 「では、【治療(キュア)】は?」


 「【治療(キュア)】だと? 王宮治癒師でもなければそんな高度な魔法は使えん。使えたとしても王と王族の為にのみ許されたものだ。ぎりぎり上級に踏ん張っている辺境伯程度ではどうにもならん」


 はい。静かにしておきます。そうか、基本3桁のレベルで感覚が麻痺していた。人間のレベル帯はもっと低いということか。


 「そうですか。ですが、例え【治療(キュア)】が使えたとしても奥様の病は治らないでしょうね」


 「!? どういう意味だ?」


 「【治療(キュア)】は簡単に説明すると状態異常を癒やす魔法です。つまり外から体内に入って作用するものを癒やすので、身体の中で自らが創りだしたものには効果が期待できない、ということです」


 「まて、その言い方は可怪しい。エルマーの(やまい)は自分自身が起こしたものだというのか?」


 デューオ様の言葉にエルマー夫人が息を呑むのが分かる。勘違いをさせてはダメだ。


 「少し違います」


 「どう違うのだ?」


 「エルマー様の病はエルマー様の身体の中で起きているとは言え、ご自身の意志とは無関係に発生してしまったものなので、エルマー様に非はありません」


 そう言っておいて夫人に笑いかけておく。少し涙目だ。まあ、責められると思われても仕方ないものね。ただまだ確認しないといけないことが……在る!


 「エルマー様、お答えにならなくても大丈夫なので、首を振るか頷くかでお返事下さい」


 夫人が僕の眼を見て頷く。


 「脂っこい物を食べた時に右の脇腹が痛くなったり、背中や右肩に痛みが出たりしたことがありましたか?」


 「!!」


 頷く。胆嚢(たんのう)結石の疑いあり。ここまでだと黄疸(おうだん)はでない。一応触診を。


 「少し横になって頂けますか? お腹を一箇所押させて下さい」


 エルマー様に横になってもらい、右側の肋骨の無くなった直ぐのポイントを軽く押してみる。痛そうにしていない。


 「このまま抑えておきますので深呼吸して頂けますか?」


 「すぅーっ……つぅっ!!」


 深く吸い込もとする瞬間に痛みで呼吸が止まった。マーフィー微候(びこう)有り。なら。


 「すみません。ありがとうございました。そのまま横になってお答え下さい。お腹、特に鳩尾(みぞおち)が痛くなることが増えましたか?」


 「!!」


 頷く。


 「最近、高熱が出ることが多くなりましたか?」


 「!!」


 頷く。まずいな。


 「おしっこの色がお茶を煮詰めた色のようになっておられませんか?」


 「!?」


 答えにくそうなので、アガタさんの方に視線を向けると頷いてくれた。決定的だね。胆嚢結石だけじゃなく胆管結石も併発してる可能性大だ。肝臓機能も落ちてるだろうけど、数値を調べるすべはない。なら、今優先すべきことは胆嚢と胆管の治療。


 「ルイよ、お前は一体何を聞いているのだ?」


 デューオ様が堪りかねて僕に問い尋ねてきた。恐らくこういった問診や触診はされていないと考えるべきだね。


 「エルマー様の身体のどの部分が悪いのか目星を付けていました」


 「「「!!??」」」


 「身体というものは自分の調子が悪くなった時に必ずここが悪いんです! とサインを出します。たまたま僕はそのサインの幾つか(・・・・)を見分ける知識を持っています。今回は運が良かった」


 僕を除く3人の眼が完全に驚きに染められていた。うん、やっちゃった感は拭えないけど、ここまで来てはいさようならは人として出来ないよね。


 「わ、わたくしの身体は……な、治るのですか?」


 エルマー夫人が勇気を振り絞って聞いて来た。瀉血(しゃけつ)治療で限界を感じていたのだろう。だから、あんな危険な行為をしてまで回復を望んだのだ。だけど変な期待を持たせてもいけない。


 「今のままでは無理です」


 「で、では!?」


 「道具と助手が揃って回復の見込みは1割。それに加え、見たこともない治療法を受け入れる勇気が在るのなら3割まで可能性は高まります。今のままでは命に関わります」


 「頼む。エルマーを治してやってくれ! そのための協力は惜しまん! 何でも言ってくれ!」


 「貴方……」「旦那様……」


 上級貴族のデューオ様が無位無冠の僕に頭を下げてきた。この人はこういう人物なのだ。だから前回逢った時も好感が持てたのも頷ける。アガタさんやエルマー夫人が感動して泣き出してるのも良い証拠だ。それにここで断れば男がすたるってもんさ! 失敗しても【治癒(ヒール)】でやり直しが利く!


 「分かりました。では腕の良い鍛冶屋へ僕を連れて行って下さい」








最後まで読んで下さりありがとうございました。

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