第65話 アッカーソン辺境伯
「誰が来たのかと思えば、ジルではないか。どうしたのだこんな夜分に」
背後の暗闇から聞き覚えのある声が聞こえてきた。カティナは別として、僕もシンシアもエトも気付かないくらい見事な気配の消し方だ。下手をすると気付いたら首が飛んでいる可能性もあった。僕ではなく他の者の。それを想像した瞬間、背筋に冷たい汗がたらっと滑り落ちるのを感じた。
「デューオ様!」
ジルがその声と姿を確認して暗闇から現れた人物に駆け寄る。その後を油灯に火を灯して応対に出ていた執事が追うようにやって来た。
「おお、ジル。息災か? む……こう暗くては顔がよく見えぬな」
「はい、元気に過ごしております。このような夜分にお願いしたい議があり主と共に罷り越した次第でございます」
執事から油灯を受け取ってジルを照らす伯爵。ジルの要件を聞いて漸く僕の方に視線を移して来た。
「その方はいつぞやの。ルイ・イチジクと申したな」
「ご無沙汰しております、辺境伯。いきなり背後を取られて肝を冷やしました」
「ふっ、やはり喰えぬ男よ。ジルよ、今はこのルイ殿がお前の主という訳だな」
僕の答えに伯爵はにやりと笑うのだった。僕の顔を見ながらジルに確認を取る。相変わらず眼光が鋭い。
「然様でございます」
「立ち話も無粋だな。フィデリオ。客人を案内せよ」
「畏まりました、旦那様。では皆様こちらへ」
「ルイ様。わたくしはこちらで馬の番をしておきたいのですが、宜しいでしょうか?」
「と、申しております。お許し頂けますか? 辺境伯」
「構わぬよ。綺麗どころだけ一緒に来てもらおう。ジル、屋敷の中を自由に歩くことを許す。コネリアに声を掛けてやってくれぬか? お前が去ってから少し元気がなくてな」
「……」
辺境伯の依頼にジルが僕の顔を見る。エトの件を許してもらった手前ダメとは言えない。と言うか、言うつもりはないけどね。ジルににっこり笑いながら。
「辺境伯のお許しが出たんだ、ゆっくり話してくると良いよ」
「ありがとうございます、ルイ様」
「あの時も不思議な雰囲気を纏っていると思ったが、なんのなんの今や貴族だと言っても信じてしまえるくらいだな」
辺境伯はそう言いながら屋敷に戻るために歩き出す。その後ろに執事のフィデリオさんと僕。僕の後ろにジル、カティナ、シンシアの順に続くのだった。エトはその場でお辞儀をして見送ってくれる。馬がただの馬ではないだけにその方が安心できるよね。
数分後。
僕たちは応接室に通されていた。ふかふかなソファーに僕とカティナが座っている。僕の左隣りにカティナが腰を下ろし、僕の背後にシンシアが立っている。これは馬車の中で打ち合わせていた座り方だ。
「それで? こんな夜中にわざわざ訪ねて来たのだ、顔を見せに来たという訳ではあるまい?」
「これを御覧頂けますか?」
ことん
僕は懐から1枚の金貨を取り出してテーブルの上に起き、辺境伯の前に指で押し出すのだった。怪訝そうに金貨を取り上げて意匠を確かめる辺境伯だったが、その顔が次第に驚きに彩られる。
「これは――古代ファティマ金貨これを何処で――!?」
やっぱり価値のあるものだった。シンシアの守っていた財宝は相当の価値があると踏んでいたけど、まさか旧世代の遺物だったとはね。つまりそのままだと使えない公算が高いというわけだ。
「やんごとなき事情で遠くの大陸に連れて行かれることになりまして、運良く持ち帰れたものです」
「ああ、聞いているよ。何でも巨大な鷲に連れ去られたのだとか。良く生きていたものだ」
「運が良かったのです」
その言葉に辺境伯の双眸が細められる。部下に不意打ちを撃たれるくらいだからと思ってたけど、伯爵の評価を上方修正した方が良さそうだ。あの時は娘に気を取られて過ぎていたということかな?
「ルイ殿はこのファティマ金貨の価値をご存知なのかな?」
「お恥ずかしながら、金貨であることは分かるのですが、先に砦で手にした金貨とデザインが違うと言うくらいしか分かりませんでした。同じくらいの価値なのかな?という程度です。そもそも金貨ですら見た事がなかったのですから……」
それは本当だ。無一文でこの世界に来たし、その後も路銀を稼ぐ術がなかったんだから。おまけに生霊ときたもんだ。ウチの娘たちはもう問題ないけど、人間は別。討伐対象に指定されて逃げまわるもの、街を滅ぼすのも面倒臭い!だったら今は【実体化】して胡麻化す。
「その眼を見る限り嘘を言ってるように見えないな」
「ははは……。怖いですね」
「それはこっちのセリフだルイ殿。わたしは今も君の後ろに立つ麗人にいつ斬られはしまいかとヒヤヒヤしてるのだぞ?」
辺境伯はそういってソファーの背もたれに背中を預けるようにもたれ掛かり、両手を肩の前辺りて持ち上げるような仕草をする。
「それは大丈夫です。僕に何もなければ何も起きません」
「やれやれ、どっちが主導権を握ってるのか分からなくなってしまうな。ただ男としては恨ましい話だよ。ジルだけでなくこう美しい者たちが君を慕っているというのを見るのは」
「ははは」
そこはもう笑うしか無い。そう見られることに慣れなけれないけないね。否定する訳にもいかず、逆に卑下した見方をすると彼女たちに怒られてしまうのだから。
「時にこの金貨だが。交換しないかね?」
きぃん
辺境伯が指先で金貨を弾いて宙に舞わせながら提案してきた。自分の目の前でぱしっと握るように受け止めると、僕の反応を見るように眼を見詰めてくる。蛇に睨まれた蛙ってこんな感じなのかな?
「参考までにどれ程の額で交換して頂けるんでしょうか?」
僕の眼の前に金貨を握った右拳を突き出し、人差し指を立てた。
「1枚だ」
「1枚?金貨と?」
「いや、普通の金貨であれば100枚分の価値がある金貨だ。白金貨1枚とこの1枚を交換してもらいたい」
おっと!? 金銭感覚が阿呆になるぞ? まてまてそもそも異世界の貨幣価値を把握してない状況で白金貨とか言われても驚けないんですけど!?
「そんなに頂いても良いのでしょうか?」
「欲しい物はもっと値を付けるだろうな。その分狙われるだろうが……」
止めます! そんな危険なことはしません! 眼を付けられたら静かな生活が遅れないじゃないか!
「ではそれでお願いします」
「ほぉ、吹っ掛けてくるかと思ったが?」
辺境伯、眼が笑っておりませんよ?
「い、いえ。相場がよく分かっていないのにそんな愚かなことは出来ません」
「そうか。では、白金貨を持ってこさせよう。フィデリオ」
「は」
僕が首を振ると辺境伯はにやりと笑って、後ろに控えていた執事さんに声を掛けるのだった。一礼してフィデリオさんは応接室を出て行くのだった。
「さて、本題にはいろうじゃないか」
この人は何処まで見通してるんだ!? 手のひらで踊らされてる感が半端ない。冷や汗が止まらないぞ。
「ふ〜やっぱりお見通しだったのですね」
「まぁな。流石に初手がファティマ金貨だったのには驚いたが」
心配そうにカティナがこっちを見てることに気が付いたから、ぽふぽふと頭を撫でておく。カティナは嬉しそうに眼を細めるのだった。
「兎の獣人とは、珍しい種を連れて居るのだな。しかも奴隷では無いというのが驚きだ」
裏を返せば、珍しい獣人は奴隷として珍重されるということ。早急に身を守る術を身に着けさせる必要があるよね。更に僕は【実体化】できる規格外生霊。何処まで騙し通せるか。
「そうですか。わたしも獣人はあまり多く見たことがないのです。珍しいというのなら、攫われないようにしなければなりませんね」
「そうだな。ああ、ありがとう。そこへ置いてくれ」
僕の言葉を聞きながら戻って来たフィデリオさんが布貼りのトレイを僕の横に置き、一礼して辺境伯の後ろに戻る。見ると金貨より一回り大きな、名前の通り白い金貨が1枚載せられていた。これが白金貨。金貨100枚の価値ね。
「本題というか、お願いしたい事があって今夜は伺いました」
「ほう、ものによっては手伝えるだろう。なにせ君は命の恩人だからね」
え!? という驚きを左隣りと後ろから感じます。うん、知ってるのはジルとシェイラとサーシャだけだもんね。言ってないというかもう忘れてたし。
「1つは、人を紹介していただきたいのです」
「ほう、そう来たか。面白い。続けて」
僕の言葉ににやりとして辺境伯が身を乗り出してくる。
「60歳以上の老人で、宮仕えの侍女と執事の経験がある男女、大貴族の庭の管理をしていた経験がある者、貴族の厨房を預かっていた者、どの分野でもできれば人を教えていた経験がある者と家庭教師の経験がある者を探しています」
「60歳以上とな。また面白いことを言う」
「各1名ずつで、可能ならば雇いたいと考えています」
「ふふふ、面白な。そんな衰えて後進に道を譲らなければならない者を探すというのか。が、居るな。燻っておる奴の顔が何人か浮かんでくるぞ」
「では」
今度は僕が身を乗り出すが辺境伯が左手を上げて制す。どうやら話には続きがるようだ。
「だが、その者たちはどれも王都に居る。そして今も息災かどうかも分からぬ」
「わたしは王都に行ったことが無いのですが、この街から王都までどれほどの距離があるのでしょうか?」
「馬車で1ヶ月」
それは掛かった時間です、伯爵!それもよく分からないんだよな。1日で歩きだとどれくらい進めて、馬ならどれくらいという基準が僕の中にまだないんだ。だから「ああそうなんですね」と直ぐに相槌が打てないで困ることになる。一拍考えてしまうからだ。
「距離で言えば……1000キロと行った所か――」
そんな僕の反応に気が付いたのか、伯爵が言葉を続けてくれた。ありがたい。こちらも距離がキロなのは、僕の中で変換されているからなのだろうか? 違う言い方なのかも知れないけど解かりやすくて助かる。東京を起点に考えれば、大まかに北は北海道、南は種子島辺りまでが凡そ1000キロの目安。飛行機で羽田から千歳まで90分前後だった記憶がるから、今夜の内に行けるか? とちらっとシンシアを見上げるとこくりと頷いてくれた。いけるらしい。
「もう1つは、食糧の買い付けです」
「ほお」
食糧と行った瞬間に伯爵の双眸が細められる。何かを企てているのか?と思われたのかも知れない。それは嫌だな。できれは辺境伯とは友好な関係をこの先も持っておきたい。
「その量は?」
「分かりません」
「分からない?」
「はい。ちょっとした事情で80名前後の人数を養わなくてならない立場になりました。わたしは料理人でも商人でもありませんから、1日辺りの消費量とそのために備えておくべき備蓄量を算定するすべがありません。ですから分からないと申し上げました」
正確な数字を言えばおそらく63名程だが、これから増える要員を考えれば多めに鯖を読んでおきたい。
「戦争でも始める気か?」
「まさか。出来るなら引き籠もり生活を送りたいところですよ」
「ふははははは! 引き籠もりとな。いよいよ持って面白いな。正直わたしは君を敵に回したくないと思ってるのだ。そのためなら協力は惜しまない」
確かに80名と聞けば大きな傭兵集団くらいはあるだろう。現に盗賊たちは200名近い数で徒党を組んでいたのだから。でも、僕にはそんなつもりは毛頭ない。ゆっくり自堕落な生活がしたいのだ。その本音を口にしたら笑われた。でも、辺境伯も僕との繋がりを大切にしたいと思ってくれていることが分かって嬉しかったのもある。
「ありがとうございます。その言葉を頂けただけで心強いです。どうにかなるでしょうか?」
「なると言えばなるし、なると言えばならぬ」
「つまり?」
「その問題もこの街ではどうにもならなんということさ。王都にいけばどちらも解決する」
「仮に王都に行けた場合、どれくらいの時間でわたしの目標は達成できると思われますか?」
「ふむ、仮の話だかなら。5人については紹介状を持たせて、いや、俺が直々に回るかな」
「え!?」
今なんて? 辺境伯が頭を下げてくれるってこと!? いや、流石にそれはまずいんじゃ。そもそもその5人というのが何となく気になってきた。
「嫌な、そやつらは我の強い奴らでな。仕事は出来るんだが、いや出来過ぎるんだが」
はは〜……なる程。
「思ったことが直ぐ口に出るのですね?」
「そうだ」
辺境伯の表情が苦虫を噛み潰したようなものに変わる。どうやら辺境伯とは仲が良かったのだろうという感じが伝わってくる。
「王であろと、上級貴族であろうとな。俺は裏表のないあの性格が好きで庇ってやりかったのだが、断られた。それぞれ時期は違うが自ら職を辞したよ」
そう辺境伯は思い出すように気持ちを吐き出し大きく溜息を吐く。話を聞くだけだけど、何となく僕の中にも勝手なイメージが出来上がったみたいでいつの間にか逢ってもいないのに好感度だけが上がっていた。
「ますますお逢いしたくなりました。何事もなければ良いのですが……」
「そうだな」
「王の不興を買われたのですか?」
「もしそうなら首が飛ぶ。大方、王にさえ口を挟む素行に己の立場を危ぶんだ文官どもの仕組んだ仕業だろうさ」
辺境伯のイラッとした言い方に僕も少し胸がざわつく。双方の言い分を聞かなければ公平な見方は出来ないことくらい頭ではわかているが、僕の気持ちは完全にリタイア組へ傾いていた。
「その文官の目星は付いているのですか?」
「ついていないと思うか?」
そうですよね。これだけ腹立たしく思っているのに何もしない訳がいない。だけど、今手を打ててないということは辺境伯より爵位が上の可能性がある。う〜ん、爵位についてもいまいちよく分かってないな。初めてづくしばかりだ。
ラノベでは転生して直ぐ異世界の度量衡、金銭価値、社会環境を理解するはずだけど、残念なことに今の僕はそれすら飛ばして今までやって来た。その弊害が漸くやって来たということかな。
「あの、今更なんですが、お尋ねしても?」
「ん?」
「辺境伯という爵位はどの辺りの位なのでしょうか?」
「それも知らずに話していたのか?」
「お恥ずかしい。こういうのはノリが大切かと思って」
「ふははは。本当に面白いな君は。まぁいい、王都に行って恥を掻く前にここでしっかり掻いておけばいい。まず王がおられる。その下に大公、公爵、侯爵、伯爵と続く。俺は特殊な爵位で辺境伯というが、侯爵と伯爵の間と思ってもらえればいい」
「なる程」
公・侯・伯・子・男という並びの変化形ということだね。
「この伯爵というのが微妙な爵位でな。今上げたまでの爵位は王から叙勲された者として上級貴族として扱われる。たまに王ではなくその上級貴族から叙勲される者が下級伯爵となるのだが。ぱっと見は分からん。耳をしっかり使うことと席順で判断するしかあるまい。あとは子爵、男爵、士爵と続く。これが下級貴族だ。最後の士爵は騎士の家だから、下級貴族と行っても名ばかりのことが多い。それでも貴族は貴族、村の村長などがこの騎士の家の者の場合が多いな」
「勉強になります」
「なるほどな。だから家庭教師か」
「はい。知らないことが多過ぎるので」
僕の眼を見ながら説明してくれた辺境伯の眼が笑う。意図を汲み取ってくれたようだ。話が早くて助かる。辺境伯の言われるように恥は早目に掻いておくに限るな。後は現地で対応することにして、予定を聞いてみるかな。
「辺境伯」
「それだ」
「は?」
いかん、そのまま普通のノリで聞き返してしまった。
「その辺境伯と呼ぶのはやめてくれ」
ええっ!? じゃあなんて呼べば!? お父さん、な訳ないか。おじさん、でもないし。おっちゃん、関西人か!? 辺さん、斬られるね。
「えっと、ではどうお呼びすれば?」
「ルイ様も言ってたじゃん! 役職は名前じゃないよ! って。だから辺境伯は名前じゃないんだよ! ってこのおじさんが言ってるんだとカティナは思うの!」
ちょ、カティナ! 辺境伯を指差しておじさん呼ばわりはないだろっ!?
「ふははははははは! このお嬢ちゃんの言う通りだ。ルイ殿」
僕の焦り様を見て笑い出す辺境伯。カティナも自慢気に胸を反らせてニッコリしてる。まぁ、そうだよね。僕がエレンの事で皆に言った言葉だもん、覚えてるか。
「ありがとう、カティナ」
「へへへ♪」
ぽふぽふと頭を撫でてあげる。嬉しそうだ。シンシアの狡いって視線が刺さってくる。この後頑張ってもらうし、何処かのタイミングでケアしておかないといけないな。
「では、デューオ様とお呼びしますが、わたしの方は呼び捨てで結構です」
「何故だ? 君に敬称を付けないと俺の身に危険が及ぶ気もするのだが?」
う、否定できないけど。今はダメだ。
「そこは言い聞かせます。わたしは無位無冠。デューオ様は辺境伯。さらに年上でいらっしゃいます。それだけで今は十分でしょう」
「そのようなものかな。まあ、俺も身の安全が担保されるならそれでいい」
僕の提案に肩を竦めるデューオ様。さあ、ここからは勢いが必要だぞ。
「デューオ様、今夜はこれ以上ご予定はないと思いますが、明日からの数日はなにかご予定が御座いますか?」
「フィデリオ」
「は。領地からの収穫の報告や、嘆願、工事の計画書に目を通していただくくらいで取立てて急ぎの様はございません」
「だそうだ」
ふぇ〜流石執事。そうか、こういう風に管理して先手を打てもらえるようにするのね。勉強になるなぁ。
「もし、お急ぎの御用がなければ、これから王都まで遊覧飛行はいかがですか?」
「!?」
そのお誘いにがばっと身を起こすデューオ様。驚きと疑惑で表情が硬い。うん、普通の反応だね。ここで平然とされてたらこっちが驚くは!
「今何と言った!?」
「もし、お急ぎの御用がなければ、これから王都まで遊覧飛行はいかがですか?」
「今からだと!? 正気か!?」
「その方法をわたしが持っているとしたら?」
「――面白い。フィデリオ」
「は」
「支度しろ、今からルイと共に王都に赴く」
「は」
え、そこは聞き返さないんだ!? 凄い信頼関係だね。あれ? ジルの声が聞こえる? と思った次の瞬間。
ばん!!!!
応接室の扉が勢い良く開かれる。そこに立っていたのは身長140㎝そこそこの幼い少女だった。カティナの髪の色に似た癖のないグレイヘアーが胸元まで伸びている。ただその表情は決意に燃えており、不退転の意志が宿った大きく円な瞳が僕たちを見詰めていた。
「御父様、わたくしも王都に参ります!!!」
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