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レイス・クロニクル  作者: たゆんたゆん
第五幕 王都 
65/220

第64話 再び辺境の街へ

※2018/10/2:ステータス表記修正しました。


 朝――。


 7:16。


 隠し部屋のキングサイズのベッドの上で3巡もしてしまい、後悔の内に頭を抱えている僕がいた。


 どうしてこうなった?


 何があったかをゆっくり思い出してみることにする。僕が求めすぎて力尽きた女性たちを介抱しようと抱き上げたらそのまま求められ、応え、再び抱え上げ、求められ、応え……の繰り返しだったね。


 「はぁ〜どうなった僕の身体? どんだけ絶倫だよ。最早人間じゃない。いや、人間じゃないんだけどね。これ、もう1回同じことすると帰ってこれなくなりそうだから、悪いけど放置だね。皆、お風呂に浸かってるから、起きたらお風呂においで」


 そう言ってその場を立ち去ることにする。


 ぱしっ


 「おわっ!? びっくりした!?」


 ベッドから降りた瞬間に足首を誰かに掴まれたのだ。


 「ま、我が君(マイ・モナーク)


 「エレンか。びっくりするじゃないか。どうしたの?」


 どうしたの? と真面目に聞かれても所詮すっぽんぽんの男と女。誰が見ても、ねぇ? このまま流される訳にもいかないし。


 「ふあっ!?」


 「よっと!」


 エレンをお姫様抱っこしてそのまま浴場に出ることにした。お強請(ねだ)りの表情がまた僕を流そうとするけど、唇にではなくおでこにちゅっとしてあげて気付かなかったふりをする。


 「〜〜〜♪」


 それで十分のようだ。


 「で、なんでエレンはあのまま寝てなかったの?」


 お姫様抱っこのままお風呂の縁に来ると身体の粘つきが消えていることに気付く。どうやら扉を通り抜ける時に綺麗にしてもらえてるみたい。付与魔法様さまだね。ゆっくりお湯に浸かりながら、エレンの身体もお湯の中に放してあげる。


 「我が君(マイ・モナーク)が動かれるのでしたら、食事の準備をと思ったのです」


 お湯の中でペタンとアヒル座りをして両手を前に付いたエレンが、ぼそりと応えてくれた。その姿勢だとつい眼がそこに行っちゃうよ? エレン。


 「今日は大丈夫なんじゃない?」


 「え?」


 「動けないことは分かるだろうからエトが何か作ってくれてるはずだよ」


 「……」


 そんなに悔しがる事なのか。僕の一言に表情を曇らせるエレンを見て思わず自分の認識の甘さを恥じたのだった。家事を司る事はそれだけの気概が要るということかも知れないね。ただ、如何(いかん)せん人手不足だ。


 「そうは言ってもエレン1人だけじゃどうにもならない部分が必ず出てくる。今日みたいに僕が急に求めたら、家事は滞ってしまうよ?」


 「あ……」


 「内々で人手を増やすか、雇い入れるなり奴隷を買うなりしないといけないんじゃないかな?」


 「人手を増やす」


 お湯の中に居ると気持ち良い。天井を見上げながら思った事をエレンにぶつけてみるのだった。まぁ、奴隷を買うってポロッと行ってみたけど、こっちの世界ではそれが当たり前だから奴隷売買の制度が成り立ってるんだし。雇う方かな〜なんて思い巡らせてると、さっきの一言で何か掴んだことがあるらしく、ばしゃばしゃと寄って来きた。エレンの顔が目の前に現れる。近いよ!


 「な、何か掴んだの?」


 僕の問掛けにこくりと頷いて、真剣なお強請(ねだ)りをして来た。


 「我が君(マイ・モナーク)我が君(マイ・モナーク)の言われるようにわたくしは何でも独りでやろうとしてまいりました。でも、限界があることを認める強さも必要なのですね!」


 「そ、そうだね」


 「この屋敷で働かせるために、我が眷属を生み出す力をお与えください」


 「眷属? エレンはエルフなの?」


 「いいえ、エルフでは御座いません。我が君(マイ・モナーク)。もうわたくしのステータスも御覧頂けているかと思いました」


 「ははは。忙しくてね。話を聞く前にちょっと見せてもらうよ。【メニュー】」


 ◆メニュー◆

 【ステータス】

 【眷属ステータス】

 【アイテムボックス】

 【メッセージボックス】


 【眷属ステータス】


 ◆エレオノーラ(Eleonore)◆ 

 【種族】ハイニンフ / ハイニンフ族 / ルイ・イチジクの眷属

 【性別】♀

 【職業】眷属館の管理者

 【レベル】1

 【状態】加護

 【Hp】500/500

 【Mp】2000/2000

 【Str】200

 【Vit】50

 【Agi】200

 【Dex】300

 【Mnd】200

 【Chr】150

 【Luk】50

 【ユニークスキル】眷属館管理(新築・改築・増築・解体・家具創造)、共感増幅、鳥獣語、薬草感知Lv1、眷属喚起Lv1、【エレクトラの加護(強奪阻止)】

 【アクティブスキル】索敵Lv1、水魔法Lv1、木魔法Lv1、地魔法Lv1、火魔法Lv1、付与魔法Lv10、武術Lv1、杖術Lv1、剣術Lv1、投擲Lv1

 【パッシブスキル】隠蔽Lv1、剛力Lv1、料理Lv1、裁縫Lv1、解体Lv1、水耐性LvMAX、木耐性Lv1、地耐性Lv1、火耐性Lv1、状態異常耐性LvMAX、精神支配体制LvMAX、侍女Lv10

 【装備】

 

 ガルムのステータス見た時も驚いたけど、驚異的な数値だよね。管理者として眷属という縛りで生まれてきたのなら、この屋敷や領地限定の力と考えれば合点がいく。それにしても――。


 「エレンはニンフだったのか。エルフにしては耳が短いと思ったんだよね。それでエレンがしたいことというのは【眷属喚起】だね?」


 「はい、我が君(マイ・モナーク)。その今のレベルだと1人しか呼べないのです」


 「1人かぁ。居ないよりは良いけど、ね。このスキルは何レベルでどれくらい呼べるの?」


 「1レベルで1人で御座います。我が君(マイ・モナーク)


 「そっか。じゃあちょっと待ってね」


 「はい?」


 エレンの説明を聞きながら、あるスキルのことを思いついた。眷属が出来る前までは何もなかったけど、ご都合的なチートスキルと化してるこれならばと思ったのだ。


 ◆メニュー◆


 ◆ステータス◆

 【名前】ルイ・イチジク

 【種族】レイス / 不死族 / エレクトラの使徒

 【性別】♂

 【称号】レイス・モナーク(New)

 【レベル】1(-499)

 【状態】加護

 【Hp】3000/3000(-324802)

 【Mp】8000/8000(-8540594)

 【Str】119(-11782)

 【Vit】112(-11122)

 【Agi】113(-11232)

 【Dex】88(-8746)

 【Mnd】85(-8390)

 【Chr】47(-4666)

 【Luk】39(-3811)

 【ユニークスキル】エナジードレイン、エクスぺリエンスドレイン、スキルドレイン、※※※※※、実体化(New)、眷属化LvMAX(範囲眷属化)、強奪阻止

 【アクティブスキル】鑑定Lv230、闇魔法Lv612、聖魔法Lv180、武術Lv151、剣術Lv103、杖術Lv98、鍛冶Lv100

 【パッシブスキル】隠蔽LvMax、闇吸収、聖耐性Lv192、光無効、エナジードレインプールLv11、エクスぺリエンスドレインプールLvMAX❶、スキルドレインプールLvMAX❶、ドレインガードLvMAX、融合Lv125、状態異常耐性LvMAX、精神支配耐性LvMAX、乗馬Lv146、交渉Lv261、料理Lv80、採集Lv112、栽培Lv156、瞑想Lv383、読書Lv308、錬金術Lv270


 ◆エクスぺリエンスドレインプールLvMAX❶◆

 【分類】パッシブスキル。常時発動中。エクスぺリエンスドレインで吸った経験値を幾らか貯めておくことができる。得た経験値は任意の項目に振り分けることができる。スキルレベルのないもの、既にレベルが上限に達しているものには効果がない。現在13574レベル分の経験値の貯蓄があります。利用されますか?はい/眷属に譲渡する/いいえ


 やっぱりスキルプールと同じで現れてた。これは眷属に譲渡する、だね。


 【眷属を選んでください】


 エレオノーラ


 【眷属の何に譲渡しますか?】


 眷属喚起Lv1


 【何レベル分譲渡しますか?】


 う〜ん、一先ず100レベル分っと。これでいいかな。


 【眷属エレオノーラのスキル眷属喚起Lv1に100レベル分を譲渡します。宜しいですか?はい/いいえ】


 はい


 【眷属エレオノーラのスキル眷属喚起レベル1に100レベル分譲渡され、LvMaxになりました】


 よし、このスキルは普通に1:1だったみたいだね。


 「エレン、お待たせ。自分のステータス見てくれるかい?」


 「はい、我が君(マイ・モナーク)。あ、こ、これは、一体どういう?」


 「ん? エレクトラ様の所為で付いた狡いスキルがあるんだ♪ その御蔭。これでエレンも楽できるね? いや、楽というか余裕を持って管理できるね?」


 と言って笑ってあげると抱きついて来た。あのね、今必死に理性の鎖で本能を縛ったとこなんだよ? そんなにくっつくと。


 「あーっ!! エレオノーラ、抜け駆けはダメだよーっ!!」


 ざっばぁぁん


 「わっ!?」「きゃあっ!?」


 突然の声と水飛沫ににびっくりして離れる。か、カティナか。でも助かったよ。危うく突入するところだった。


 「っぷ! お風呂は飛び込み禁止! 危ないから! カティナ起きたの? もう大丈夫?」


 「うん、分かった! でもルイ様すごかったね〜! わたしどっかに行っちゃうかと思ったよ! えへへへ♪」


 カティナの言葉にエレンが顔に散った湯を払いながらうんうんと頷いてる。そ、そうなのか。そうこうしてるとぞろぞろと滝の後ろから女性陣が出てきた。どことなくぼ〜っとした感じだ。ごめんなさい、張り切りすぎました。


 「我が君(マイ・モナーク)、皆様が起きて来られましたので、わたくしは支度をしに戻っても宜しいでしょうか?」


 「うん、エレンありがとう。そうしてくれるかい? 眷属も上手く呼べると良いね♪」


 僕の前で優雅にお辞儀をしてマシュマロと桃がぷるんぷるんと揺れながら去って行く。それを見送って視線を戻すと。うおっ!? いつの間に!? 美女たちに(たか)られていた。


 「み、皆おはよう。身体は大丈夫? 痛いところが在ったら言ってね?」


 「「「ありがとうございます、ルイ様」」」「腰が抜けそうですわ」「思い出しただけでも……〜〜〜〜♪」「「「「〜〜〜〜〜♪」」」」「あむ……」


 誰か欠伸(あくび)してたね。サーシャかな? サーシャもカティナもディーも無理させちゃたかな? という後ろめたさがある。向こうの世界の道徳観がほとんど通用しないのは頭では分かっているのだが、背徳感が拭えない。と、自分の中でもんもんとしてるけど、彼女たちは気にした様子もなく朝風呂を楽しんでいた。ギゼラとシンシアが肩の奪い合いを始めたので、ブレーキが効かせれる内に出ることにした。


 「先に上がるから、ゆっくりしてくると良いよ。カティナ、シンシア、ジルは旅の支度を始めるようにね」


 「「「はい、ルイ様」」」


 うん? シンシアまだデレてるのか。


 「「身体を御拭きします」」


 ジルとコレットが服を脱がせた時のようにささっと寄ってきてお世話を始める。うぇっ!? そんな中世の貴族みたいな生活に慣れてないんですけど。庶民の子ですから。


 「え、自分で拭けるから……」


 「「なりません。これは他家で恥をかかないための所作だとお考えください」」


 ふぇ〜〜〜面倒臭い。


 「ルイ様面倒臭いって顔に書いてあるよ!」「本当だ! 嫌そうな顔だよねぇ〜!」「慣れてしまえば良いのですわ」


 あら、君たち3人は仲良くなったんだね♪ カティナとサーシャとディーが仲良く身体を拭いている。タオルという非常に吸水性に優れた製品を生み出すには、この世界の文明は遅れているらしく、布切れを何枚か重ねたもので吸水性を上げている状態だ。その厚手の布で僕はジルとコレットに水気を拭きとってもらっていたのだった。股の辺りを触れると微妙に気恥ずかしい。息子(マイ・サン)の血の気が多いようで困ったものである。


 水気を拭きとってもらい、服を着せてもらい、漸く食堂に上がってくることが出来た。両手にはディーとサーシャが占領してる。カティナは一緒に旅行にいけるからいいよ! って譲ってあげてた。偉いね♪


 食堂に上がると簡単な食事が用意されていた。


 「エト、済まなかったね。理性が負けちゃった」


 「それはようございました」


 良かったんかい!?


 「リーゼ様も長くそうなることを望んでおりましたので、このじぃもやっと荷が一つ降ろせました」


 あ、エトはじぃって呼ばれてたのね。あ、そうだった。2人には飲ませたけど、エトにはまだだったね。


 「そうだ。エトのために首筋は開けれないけど、左腕なら噛んでいいよ?もうリーゼから聞いてるでしょ?」


 「はい、伺っております。宜しいのですか?」


 「吸い尽くさないようにしてくれれば」


 「畏まりました。それでは失礼いたします」


 かぷっ


 そう言うが早いかエトが僕の左腕に牙を立てる。これは大飯くらいだぞ?3人が同じ日に重ならないようにしないといけないな。ん? エトさん、貴男、白髪が黒くなり始めてませんか? あ、ダメだこれ吸いつくされる。【解除(リリース)


 どさっ


 と鈍い音がして床に転がったのはエトだった。僕の腕を擦り抜けて思わず絨毯に突っ伏してしまったのだ。僕の足元には土塊(つちくれ)の山は出来なかった。


 「エト、吸い過ぎ」


 「こ、これはわたくしとしたことがお恥ずかしい。あまりの美味しさに我を忘れてしまいました。それにしてもそのお姿が生霊の君(レイス・モナーク)なのですね」


 エトに言われて気が付いたのだけど、ランクアップしてから皆の前でこの姿になったのは初めてだね。【実体化】もどういう仕様の変化になったのかわからないし。色々と検証しておきたいことが増えたな。【実体化(サブスタンティション)】。


 再び【実体化】してみる。エトが噛み付いた痕は残ってないようだ。【実体化】するためのMpも今までどおり1000程消費している。だけど、【解除】した時に土塊が出なかったのは何故だろうか。まだ解らないことだらけだ。あれ? 今、エトが生霊の君(レイス・モナーク)って言ってたけど見せてないよ? ステータス。どういう事? また後で聞いてみよう。


 「エト、辺境伯に逢いに行く。馬車を用意してくれるかな?」


 「は。畏まりました」


 このままのんびりしていても、食べる物が減ることに変わりないから動くことに決めた。僕の頼みに一礼して食堂を後にするのだった。


 「リーゼ」


 「はい、ルイ様」


 「僕が居ない時は、僕の代理として来客に対応して欲しい。方針は昨日伝えたとおりだけど覚えてる?」


 「勿論です。ルイ様」


 「エレン、そういうことだから。何かあればリーゼに伺いを立てるように」


 「はい、我が君(マイ・モナーク)


 ちょうどタイミング良く上がってきたリーゼに声を掛けておく。指揮権が何処にあるのかがはっきりしないと皆が困るからね。エレンもこれで良し。


 「留守番する皆も、方針は同じ。まず、もし真っ先に来客に逢った場合リーゼに取り次ぐようにね。自分勝手に良かれと思ってすることが大変なことになる場合があるから、慎重に行動してもらえると助かる。特に魔王絡みの案件は要注意だからね」


 「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」


 誰が来るかわからないから用心するに越したことはない。フラグを立てたい訳じゃないけど、危機管理(リスクマネージメント)はしておきたいじゃん。


 「さ、折角用意してくれた朝ごはん皆で食べよう。席について」


 皆が上がって来たのを確認して、促す。エドガーたちは居ないみたいだから後で準備してもらおう。


 「頂きます♪」


 「「「「「「「「「「「「頂きます♪」」」」」」」」」」」」


 かちゃかちゃ もぐもぐ かちゃかちゃ もぐもぐ もぐもぐ…


 「エレン」


 「はい、我が君(マイ・モナーク)


 「エドガーたちやベスたちが来たら食事の必要を聞いて要るようなら用意してあげてね」


 「畏まりました」


 優雅に一礼するエレン。うん、あの時とのギャップがいいね。はっ!?いかんいかん何を考えてるんだ。


 「アピスとギゼラ」


 「「はい」」


 「2人ともリーゼのサポートを頼むね」


 「はい、ルイ様♪」「はい、マスター♪」


 僕のお願いににっこり笑って頷いてくれる。アピスは最悪呼び寄せることができるから、留守番要員で居残ってもらってても大丈夫なはず。ギゼラもお姉さん的な立場でリーゼを支えてくるだろうから、心強いはずだ。


 「ディー、シェイラ、レア、サーシャ、リンは手分けして食糧の確保の手伝いをお願い。でも決して独りで動かないこと。2人1組、もしくは3人1組で動いてね?」


 「分かりましたわ」「「「はい、ルイ様」」」「はい、ご主人様」


 これで良し。軽食だったこともあり、素早く食べ終わった僕はそのまま出かけることにした。特に用意する物もないし、ここから食糧を持ちだそうという気もない。カティナ、ジル、シンシアとも取立てて準備することもないみたいで、そのまま僕の後に付いて来た。結局見送りという形になり全員が玄関先に集まって来たみたい。


 玄関先に居たのは二頭()きの大きな馬車だった。僕たちがエトに乗せて来てもらった馬車の倍はある。だけど、一番目に付いたのは馬の方だ。前回見た馬は競馬場で疾走するサラブレッドのような大きさの馬だったのだが、今眼の前に居るのは農耕用に雪車(そり)を引いたり、(すき)を引いたりするのに使われる輓曵馬(ばんえいば)(おぼ)しき馬。朧げな記憶しか無いけど、北海道で見たあの馬よりも一回りくらい大きい気がする。


 「ガルム、土地の管理よろしく頼むね。皆も狩りは単独じゃなくて2人1組以上でして決して独りにならないこと。魔王絡みの来賓は全部リーゼに繋ぐこと。お願いね?ヘルマとクラムは赤ちゃん優先で動いてね!」


 「任せてくだせぇ」「「「「「「はい、ルイ様」」」」」」」「「ありがとうございます、ルイ様♪」」


 「じゃ、行ってくるね! エト、お願い」


 「は」


 ぱしっ ブルルルルル ぱっかぱっかぱっか


 僕の言葉に対する反応を見届けて馬車に乗り込む。既にシンシアとカティナとジルは席に付いてた。それを確認してエトが鞭を振り、馬車が動き出すのだった。前回はギゼラの背に乗ってサーシャと出かけたことを思い出すと物凄い変化を感じる。


 馬車の旅は快適で、日が完全に暮れる頃には森を抜け草原を走ることができていた。何処で見られているのか分からないので日が落ちた所でシンシアに竜に戻ってもらう。魔法で観察されてしまえば誤魔化しようはないのだけどそこまでは知ったことではない。バレたらバレただ。それでシンシアに馬車ごと辺境の街フロタニアの手前に降ろしてもらうことにする。


 この時に気が付いたのだが、馬車を()いていた馬はエトが召喚したものだった。吸血馬(ダンピールホース)と言うそうだ。それを再び召喚して馬車を曳いてもらう訳だが、太陽の下を歩いていたよね? と思い出し聞いてみた。


 何とまぁ、この馬たちもエトの眷属でありながら僕の眷属だということも判明して 首をひねる事になる。つまり、光耐性がこの馬たちにも下賜(かし)されており問題ないのだとか。何処まで【眷属化】が食い込んでるんだろうか?


 そこからはジルにエトの隣に座ってもらい、辺境伯の屋敷を目指す事にする。約1ヶ月ぶりに訪れるフロタニアなんだけど、色々ありすぎてもっと時間が経っているのでは? と感じてしまう。街の入り口の警備はジルの事を覚えている兵士が当直だったようで、問題無く入ることが出来た。


 馬の足で5分かかっただろうか。薄っすらと暗闇の中に屋敷の輪郭が浮かんでくる。前回も思ったのだが石壁や鉄の柵塀で敷地が囲われいる訳でもなく、誰もが自由に屋敷の敷地を動き回れるのだ。警備という面に限って言えば護りにくく攻めやすというところだろう。


 ぱっかぱっかぱっか ブルルルルル こんこん


 「ルイ様、到着致しました」


 「ありがとう。さ、ここからが僕の仕事だね」


 馬車が止まり、馬車の扉をエトがノックして知らせてくれた。カティナとシンシアと眼を合わせて頷くと僕は馬車を降りるのだった。ジルはといえば、先に玄関に赴いて急に訪れた非礼を()び、辺境伯に取り次いでもらえうよう対応した執事に頭を下げていた。


 日を改めるかな、と思っていた矢先に、思ってもいなかった方角から声が掛けられる。


 「誰が来たのかと思えば、ジルではないか。どうしたのだこんな夜分に」








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