第63話 止めなく溢れる流れ
僕の中のお風呂と言えば温泉宿の大浴場だ♪ 洗い場があり、大きな湯船があり、打たせ湯も……と思ってた矢先の言葉に言葉を失った――。
「それならもう有りますだ」
「な、なん」
「それは本当なのか!?」「お風呂があるんですの!?」「あのお風呂にここでも入れるの!?」「ご主人様すごいです!」
シンシア、アピス、ディー、リン、4人の声に僕の驚きは飲み干されてしまった。喜び過ぎですよ、君たち。僕も嬉しけど♪ シンシアとディーにガルムは揺さぶられているがびくともしないみたいで、髭面を綻ばせて、地下室に向かう扉の方に進んでいくのだった。そうだった。その扉の先はリーゼが捕まってた地下室があったよね……。
「んだ。案内するから、御館様付いて来てくだせぇ」
「あ……あ、うん。エレン」
「はっ!? はい、我が君」
お、旅から帰って来たみたいだ。
「ちょっと皆でお風呂見てくるから、片付けよろしくね」
「いってらっしゃいませ」
先程までの茫然自失状態だったエレンが優雅にお辞儀をして送り出してくれる。それで、皆で席を立ってガルムの後に付いて扉の向こうに出るのだった。予想通り、5m程廊下というか踊り場というものを歩いた所で直ぐに地下へ向かう階段が現れる。だが、予想に反して階段は品が良く明るかった。所々に灯してある光の御蔭だろう。
通り過ぎる時にその光を見てみた。松明じゃない。何と拳大の石英の結晶が燭台のような受け台に固定されて光を放っているのだ。どういう事?
「ガルム、この照明だけど」
先を歩くずんぐり体型のガルムに疑問をぶつけてみる。
「ああ、それでしたらエレオノーラに聞いてくだせぇ。あれが付与魔法で点けたんだと思いまさぁ」
「付与魔法!? そんな魔法があるの!? 初めて聞いた。アピス、聞いたことある?」
ガルムの答えに思わず聞き返す。ここ2年の間で1回も出てこなかった魔法系列だし、想像だにしなかったものだ。直ぐ後ろを歩いているアピスに話を振ってみた。
「存在は知っています。ですが明らかに付与されたという確証があるものを見るのは初めてです」
あるのか。でもアピスの言い方も気になるよな。
「証拠があるもの?」
「魔法の品は基本、付与魔法に寄って力を纏うように人工的に創り出されたたものだと言われています。もしくは生成の過程で偶然に力を得るか、力を持った魔物の身体の一部を使って創りだすと言われています。前者は生活に起因する役割を持つものが多く、後の2つは武器や防具などに当てはまります。マスター?」
アピスの説明を聞きながらぼ〜っと考えていたら、アピスに袖を引っ張られた。
「あ、ごめんごめん、説明を聞きながら妄想が膨らんでたみたい。付与魔法は生活に使われることが多くて、武器や防具の場合特殊な材料や運が関係してる、って理解でいいよね?」
「はい、マスター♪」
聞いてなかったと言った時の方が怖いので、自分の言葉に言い直して、ちゃんと聞いてましたよ?アピールをしておく。どうやら危機は脱したようだ。だが左腕がアピスのマシュマロに捕まってしまった。うん、柔らかいんだね。
そうこうしてると大きな両開きの扉が現れる。前より階段が長くなってた気がした。扉の奥からはどどどどどど……という水の音が微かにする。まさか……ねぇ。
ぎぃぃぃ
と扉がガルムの手で開かれると、眼の前に三叉の廊下が現れた。まっすぐ5mの処にまた両開きの扉がある。左右も同じように5m先に両開きの扉がある。だがそれぞれの扉に彫り物細工が施されていたのだ。正面は黄金の王冠が扉を閉めるとはっきり分かる。左は白百合の華? 花の種類は疎いんだよね。右は剣と斧が交差するように彫られ、色付けしてあるではないか……。これって……?
「御館様はこの正面の扉からお入りくだせぇ。御館様が許された者なら一緒に入っても構わねぇ。だがそうじゃねぇ場合は、男は右、女は左だ。御館様と同じ湯船に浸かれねぇようになってるだ。おわっ!」
がしっ!
僕は思わず。ガルムの両肩を鷲掴みしていた。ガルムは何が起きたのかとオロオロして眼が泳いで助けを周囲に求めているが、誰も手も口も出さない。生贄か?生贄になってね、なのか?
「完んん〜璧だっ!! ガルム、掴みは完璧だ! さあ、中を見せて! まずは男湯からだ!」
「は、はひ!?」
僕のテンションが恐らく今まで一番良いことにガルムを除く者たちは気付いてにやにやし始めるのだったが、ガルムは何が何だか分からないまま、案内を再開するのだった。
男湯の方は入ると5〜6人は一度に服が脱ぎ着出来る広さになっていた。6畳間といえば良いだろうか。それくらいの広さだ。まぁ、今の時点で男ってエトとガルム、それにエドガー、カルマン、ライル、ラフくらいなもんだから、十分過ぎる広さだね。脱衣所から浴場に繋がる部分は洋式では珍しい引き扉になっていた。湿度対策だろうか……。
「「「「おおお!!」」」」「これはこれは♪」
「「「「「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」」」」」「「「「すごいねぇ!」」」
引き戸をくぐり抜けて浴場に足を踏み入れた僕は天井を見上げて静かに泣いた。くぅ!温泉万歳!そんな僕を無視して一同は簡単の声を上げていた。左手には視界を遮る垂直に聳え立つ岩の壁があり、向こうに行けない造りになっている。壁の高さは6mくらい。でも天井には達してない、ね。目の前には直径6m程の丸い角の取れた岩で縁どりされた温泉池が湯気を上げていた。奥には5m程の高さの岩山が有り、その頂上からお湯が一条滝のよう湯船に落ちていた。あれ?
明らかに天井の高さが可怪しいでしょ? 上に10m近い空間があるよ? ここ。構造力学大丈夫? 崩落しない? よく見るとドーム型になっている。男湯は右端ということか。
「じゃ、女湯行ってみよう」
「こ、こっちですだ」
ガルムは僕が喜んでいるという事が漸く理解できたのか、嬉しそうに案内を再開する。来た廊下を戻り、左の奥の女湯に踏み込む。
「「「「「「「「「「「「わぁぁぁ、広いぃぃいぃ♪」」」」」」」」」」」」
どうせ男湯くらいの脱衣場だろうと高を括っていた女性陣が声を上げる。男湯は6畳間くらいの広さだったが、女湯の脱衣場は10畳間くらいの広さがある。衣服を入れる棚を除いての広さだ。棚も、男湯は棚が10しか無かったのに対して、女湯は倍の20は棚がある。一方の壁にずらりと。女尊男卑的な構図にも見て取れなくはないが、今の時点で明らかに女性の数が多いのだから妥当な線だ。
湯船も仕様は同じ感じでこちらも右手側に6m程の壁が行く手と視線を遮っている。これなら安心だ。温泉池は男湯の倍12m前後の大きさがある。真ん中にはもたれ掛かれるように滑らかな丸い大岩が置かれていた。良い配慮だよ、ガルムくん!
男湯女湯どちらも温泉池の周りに石畳みがあり、横になったりそこで身体を洗えるようになってる。まさに日本の温泉を再現してある。女湯にも滝があるが、三条滝だ。素晴らしい。源泉掛け流しで滔々と溢れる湯量が僕の眼を楽しませていた。
光源は何処だろうかと思いながら探してみると、天井に石英の結晶が幾つも嵌め込まれている。明る過ぎる事はないが暗過ぎることもない。丁度いい明るさ具合だ。遮る壁にも光を放つ石英の結晶が組み込まれている。よくもまぁ、これだけの石英を掘り出してきたものだね……。
「よし、本命だ! 案内してくれるかな?」
「はい、こちらですだ」
お? ちょっと丁寧語?また皆を引き連れて三叉の廊下に戻り、真ん中の王冠の彫刻を施してある扉を開けて入る。
「おおぉ♪見事――」
「「「「「「「「「「「すごい――」」」」」」」」」」」
扉を開け放った瞬間、パノラマのように湯船が広がっていた。脱衣場の棚も視界の邪魔にならないような放射角、つまり斜めに備え付けてある。左右20棚ずつ。そんなに要るか?
大きな滝が一番奥に存在感を放っており、どどどどどと水面を打つ音が響いてた。これが降りてきた時に耳に届いた音の正体という訳だ。湯煙が滝の飛沫と共に舞い上がってるが、その手前に鎮座した大岩の御蔭で周囲にそれほど影響はなさそうに見える。ゆっくり浸かれそうだね。
ぱんっ
と柏手を1回打って皆の注目を集める。注意事項を伝えないとね。
「このお風呂、もといい温泉を使うにあたって注意してもらいたいことがあります! まず、着衣のままお風呂に入ることを禁止します。妊婦であるヘルマとクラムは産まれるまでは湯の中に長居しちゃダメだからね。お腹の子に障る。足だけを浸けているなら問題ないよ」
「「わかりました、ルイ様」」
お腹を摩りながら2人が頷いてくれた。良し。
「後は、人の身体になると女性は身体の周期で性器から出血することがあります。これは病気ではなくて身体の決まりだから心配しないように。ただ、獣人や魔族の身体の周期がどれくらいなのかは僕にもわからないので、出血に気がついたら僕に教えてもらえるかな? 僕が皆の体調管理するから」
「「「「「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」」」」」
「僕がその時にいない時は、何日前から始まったて覚えておいてね。で、その出血がある時も長く湯に浸からないように。血が止まらなくなるから。男はそんなことはないから着衣で入らない、酒を飲んで入らないくらいを守ってくれればいいかな」
日本の温泉じゃないし、一応自宅? だし、これくらいで注意は良いかな。あれ?ここ僕の自宅になったの? リーゼの屋敷だった気がする。いいのかな? リーゼをちらっと見るが、眼が合うとぽっと頬を赤く染めた。何か期待させた?
「ね、ガルム、お湯を掘り当てたのも凄いけど、排水はどうなってるの?水浸しにならない?」
「あ、それはどちらも精霊たちが掘ってくれたんでさぁ。溢れた湯はこの風呂のずぅっと下に貯水升みてぇな大きな部屋を作ってそこに溜めて、その部屋からずぅ〜っと細い穴を掘って屋敷の外に池を作ったんでさぁ。そこに湧き出して兎と狐の風呂になってますだ」
ほぇ〜……ローマの水道みたいな構造よく思いついたね。水は高い所から低い所に向かって落ちる。だからある程度の所で質量を持たせれば自重で押し出そうとする。これを利用して古代ローマの水道は橋を渡さずに谷間の崖の中をU字に繰り抜いて水を届けたのだとか。この逸話は驚いたから覚えてたんだけどね。それを地下の風呂で再現されるとは思わなかったよ。精霊たちにも感謝しないとね。
それにしても眷属の精霊たちにもまだ逢ってないな。眷属種としての項目には在ったから、進化かランクアップの過程でもう少し時間がかかるのかも知れないし。ま、気長に待つか。時間は――13:19。さっき食べたのは昼食ということか。でも、食料は何とかしなければならないよね。
「今夜、日が落ちてすぐに辺境伯に会いに行こうと思う。それでジルとエト、カティナとシンシアと僕の5人でそこに行く。旅の支度をして欲しい。恐らくその足で大きな街もしくは都に買い付けに行くことになるだろうからそのつもりで。それまでは自由行動! お風呂に入りたければ入ってね! 僕も入るから♪」
「「「!!?」」」「畏まりました。ではわたしはこれで」
名前を呼ばれた4人は顔を見合わせて嬉しそうに飛び跳ねたり、うっとりしたり、当然だと頷いたり、冷静に受け止めたりしていた。一番エトが大人な対応で、すぐに準備に取り掛かるためにその場を去るのだった。
「俺も上に上がるだ。御館様、用がある時は何時でも呼んでくだせぇ」
「ありがとう、ガルム。その時はよろしく頼むよ」
そんな会話をしていると、エドガー達家族と三尾の面々が上に上がっていく。外のお風呂とやらを見に行くのだそうだ。仲間がどんな所で浸かっているのか見ておきたい気持ちも分かる。そんなことを思ってたら周りで服を脱ぎ始めた奴らが居る。こら、ガルムがまだ居るだろうに!
「ちょっと御館様に言っときたいことがあるんでさぁ」
「分かった。ここじゃあれだから、一旦外に出ようか。皆先に入ってて直ぐ戻るから」
「「「「「「「「「「「はぁぃ♪」」」」」」」」」」」
その返事を背中に受けながらガルムの背中を押して脱衣場の外に出て扉を締める。ぱたんと音がして閉まったことを確認したガルムが腕を引っ張って耳を寄せるように促してきたので、そうしてみることにした。
「御館様、正面の滝の下を潜ると、秘密の部屋がありますだ。御館様だけしか入れねぇ部屋だ。誰かを一緒に連れて入りたけりゃ、御館様が抱っこして入るしかねぇ。そういう部屋も1つは必要だと思ってさぁ」
そうガルムはにやりと笑って右の親指を静かに立てるのだった。あっけにとられてる僕に小さくお辞儀してガルムは去って行く。な、なんだと。隠し部屋。僕だけしか入れない? ぼ〜っとしたまま脱衣場に戻るとまだ誰もお湯に浸かっていなかった。全裸のまま僕を待ってくれていたようだ。
「あれ? 先に入ってよかったのに」
「何言ってるの、ルイ様! ルイ様が一番に入らなきゃ誰も入れないに決まってるじゃん!」
とカティナが元気よく飛び付いてきた。褐色の張りのある肌が眩しい。大きくはないが形の良いマシュマロがぷるんぷるんと元気に揺れ動く。うん、正常だ。僕は正常。美女と美少女の裸に囲まれて鼻の下を伸ばさない男が居る訳がない。
「「あ、ルイ様……、お召し物を失礼します」」
どんな顔で凝視しているのか分からないが、きっとスケベ親父の顔に決まってる。どう取り繕おうと、僕の半分はエロで出来ているんだ。開き直るしか無い! と決意を新たにしてる内に着てるのもをジルとコレットに剥ぎ取られていた……。あれ?
「「参りましょう」」
そのまま両腕を2人のマシュマロにホールドされて幸せに連行される。いや、敢えてされるままにしたと言っておこう。むふふ♪
さぱぁぁぁぁ〜
「あぁ〜気持ちいいぃぃ♪皆も入って、入って♪」
お湯を溢れさせながら僕は首まで浸かった。山の露天風呂以来だ。ここは硫黄臭があまりないから、また泉質が違うんだろうね。でも、これはこれでいい♪ 生霊であると公表したものの……やっぱり日本男子、温泉にはマッパで入りたい。生霊だけだとなんにも感じられないもんな。見てるだけだなんて生殺しだよ。
「「「「あぁ〜♪」」」」「「「「ふあぁぁ〜〜〜♪」」」」「「「「〜〜〜〜〜♪」」」」
女性陣の初温泉の声が耳に心地良い。既に経験済の4人は慣れたものだ。ディーは初めて普通に入れるのだから気持ちよさも違うだろうね。ということで温泉を満喫するために恒例の……まだ2回めか、髪を洗ってあげることにした。
「さて、じゃあ席順に髪を洗ってあげよう♪ コレットはリーゼの次ね」
「はい、ルイ様♪」
コレットが湯煙の向こうで頷く。順番はこれでいいかな♪
「じゃあ、シンシアおいで♪」
「み、皆の前でですか?」
「洗って欲しくないの?」
「い、いえ、欲しいです! ふぁっ!?」
あ、デレた。意思を確認すると、ばさぁっとお湯を掻き分けて僕の前に来てちょこんと座るのだった。鎧を脱いだ時のギャップにくすっと笑えてしまう。そんなシンシアに手を伸ばしてくるっと湯の上に仰向けにならせるのだった。後は、皆の髪を順に洗ってあげたのだけどご想像通り甘鼻嬌喚? こんな四文字熟語無いけど、甘い声が響き渡ったということで、眼と耳の保養になりました。
ただのっぴきならないこ事が自分の身体に起きていたのに今更ながら気付く。ランクアップの睡眠明けから体の感覚が可怪しいと思っていたのは確かだが、正しくは正常に戻ったと表現すべきなのかも知れない。これまで生霊の時は三大欲求が欠落しており何も感じなかった。それは【実体化】しても正直感じなかったのだ。睡眠も食事も味わえるからしていたという話だったんだよね。
それが実になっているというのか、これまでの欲求を取り返そうとしてるのである。その証拠に我が息子はふたまわりくらい成長し鼻息を荒くしていた。Oh……。これはもう逃げ場がない、腹を括るか! 約束してるしね! 行くぞ、ルイ! 男になるんだ!!
髪を洗ってもらい初めての感覚に喘いでいる者たち、2回目ということで余韻に浸っている者たちを見回して宣言することにした。ああは思ったけど、自分が心の中で逃げを作らないためだ。
「え〜突然で申し訳ないんだけど、これから約束を果たしたいと思います。一人だけで終わるかも知れないから、あんまり期待しないでね」
「シンシア?」
「はひぃ」
突然名前を呼ばれてびっくりした顔で僕の方を見返して来た。
「気持ちは一度に皆一緒でって言うくらいの気持ちなんだけど、それは皆に失礼だからね。さっきと同じで席順でいくよ。シンシア立ってくれるかな」
「は……はぃ……」
湯の中におずおずと立ち上がるシンシア。うん、綺麗だね。息子はもう準備万端で今更隠すわけもいかず、開き直って立ち上がることにした。
「「「「「「「「「「「「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」」」」」」」」」」」」
皆の視線が何処かに集まっているのを感じる。よし、やるぞ!
「ふあっ!? る、ルイ様!?」
ばしゃばしゃとお湯の中を歩いてシンシアに歩み寄ると、お姫様抱っこでシンシアを抱え上げる。驚いたままの表情のシンシアに笑いかけて、僕はガルムに聞いた隠し部屋に移動するのだった。壁を擦り抜けるようにそのまま当たり前のように部屋に入った僕たちはあれだけ湯に濡れていたはずなのに乾いていた…。何かしらの付与魔法が効いたアイテムがそうしたのだろう。でも、今の僕にはそんな余裕ななんて何処にもない。シンシアの唇を優しく塞いだ後はお互いに激しく求め合ったのであった。
21:39――。
あれから8時間と少し。僕は隠し部屋のキングサイズのベッドの上で頭を抱えていた。
どうしてこうなった?
視線をベッドや周囲の絨毯に向ける。色とりどりの桃やマシュマロがたわわに実っていた。そう、結局シンシア1人では僕の2年以上溜め込んだ欲求を受け止めきれるわけもなく、30分程度で恍惚としたまま動かなくなったのだ。後は収穫作業に投入である。その頃には理性というブレーキは跡形も無く消滅しており、獣と化していたのだと思う。そう思う。それぞれ肌を合わせていた記憶はあるが何処か遠くで見ていた自分も居るような感覚で、混乱している。直ぐ横にはエレオノーラまで全裸で喘いでいた。つい今しがたまで彼女の身体を激しく求めていたのだ。予想通り良い桃だった。つんつんと桃を押して見る。
「ぁん、我が君ぅぅぅ〜〜……」
夢心地なのかな? もう少し女性の体を優しく扱わなければというくらい激しく求めたというのは反省点だろうね。次からはもう少し落ち着いて出来るはず。次があればだけどね。
ただ、肌を合わせて分かったことがある。皆から何か力が流れ込んで来るのだ。逆に少しだけだけど僕からも流れ出しているというか……吸われている感覚があった。お互いに分け合えるものがあるのならそれに越したことはない。
時間も時間だし、そろそろ動かないと食糧問題が切実なんだよね。他の娘はこのままでいいとして、シンシアとカティナとジルだけでも起こさなきゃ。まず、もう回復したであろうシンシアの処に跪いて、抱き起こす。
「シンシア、起きてくれるかい? そろそろ動かないとんんん!?」
抱き起こしたシンシアが気が付いてくれたと安堵したのも束の間で、シンシアの唇に僕の口が塞がれてしまうのだった。激しく求められ……。
止めなく溢れる劣情の流れには抗がえる訳もなく……。
押し流され……。
深みに足を取られ……。
引きずり込まれ……。
朝が来た――。
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