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第3話 闇魔法

2016/2/2:加筆修正しました。

2016/3/29:本文修正しました。

2016/4/1:本文加筆修正しました。

2016/11/2:本文加筆修正しました。

2017/7/23:本文誤植修正しました。

 

 ぼんっ!


 左の肘から先が飛んだーーーー。











 …………おい!!!!


  あららら~。やっぱり無理でしたかぁ~。


 呑気な文面がメッセージに現れるけど、無視して僕はきっと空を睨みつける。といっても眼の前に広がるのは日光を遮るほど鬱蒼(うっそう)と茂った樹々の枝葉だけだ。舌打ちしてステータスに眼を向ける。


 ステータスを見ながら右手を見るが消えたままだった。でも魔法が発動したということか? Mpは減ってる。当然左手も生えてくる訳でも、再生して元通りになり始めることもない。


 ◆ステータス◆

 【名前】ルイ・イチジク

 【種族】レイス / 不死族

 【性別】男

 【職業】レイス・ロード

 【レベル】1

 【Hp】970/1000

 【Mp】2980/3000

 【Str】31

 【Vit】38

 【Agi】43

 【Dex】30

 【Mnd】27

 【Chr】18

 【Luk】10

 【ユニークスキル】エナジードレイン、※※※※※、※※※※※、※※※※※、実体化Lv1、眷属化Lv1

 【アクティブスキル】鑑定Lv1、闇魔法Lv1、聖魔法Lv1、体術Lv10、剣術Lv10、杖術Lv10、鍛冶Lv1

 【パッシブスキル】闇耐性LvMAX、聖耐性Lv1、光耐性Lv1、※※※※※、※※※※※、※※※※※、※※※※※、融合Lv1、状態異常耐性LvMAX、精神支配耐性LvMAX

 【装備】

 【所持金】0


 …………どうやら、光も聖魔法も一筋縄ではいかなさそうですね。


  その為の聖耐性と光耐性なのですが、いかんせんまだまだレベルが低いので耐えれないと見た方が良いですね。


 …………というか、神様。


  何でしょう?


 …………この状況をどうしてくださるんですか?


  ……。


 …………見てください。惨憺(さんたん)たるものですよ? 神様が言ってた左手も肘から先がありません。


  痛いですか?


 …………痛くはないですが、流石に涙が出そうです。神様の所為で異世界(こっち)に来て早々両手が失くなるなんて。


  うっ……。ごめんなさい。


 …………ごめんで済んだら警察いらんわ!! って異世界(こっち)は警察居ないのか。どうしてくださるんです? 光耐性? 聖耐性? プレゼント? レベルが上がれば有効なんでしょうけど、今のこの状況には役に立っていませんよね?


 ノリツッコミしてしまった。少しトーンダウンしなきゃね。というか、感情の急速冷却が始まってるから直ぐに起伏はなだらかに(なら)される。


  ううっ。


 …………少し状況を整理しましょう。まず転生させるのに失敗して生霊(レイス)にしてしまいました。


  そうですね。


 …………最初のレクチャー中に両腕喪失させてしまいました。


  事故です。


 …………いやいやいや、僕は促されましたよ? 両手のない状態でこの先どう生きていけと? まぁ、種類的には死んでますけど。


  ルイくん上手い。


 …………莫迦(ばか)ですか。人の話聞いてます?


  神様をまた莫迦って。


 …………いや、今回ばかりは撤回しませんよ。生霊(レイス)になってしまったのはこの際(くつがえ)らないでしょうから百歩譲ります。でも両腕を奪うかのように仕向けたことはどうしてくれるんですか?


 自然と言葉が荒くなるのは仕方な無い。僕の注意が足らなかったとは言え、相手は神様だ。そもそも試させる前に分かっているであろう事実だ。故意にしたとは考えにくい天然キャラだが、これは引けない。両腕が掛かってるんだ!


  ごめんなさい。今の(・・・)わたしでは癒せないのです。


 …………え?


 耳を疑った。癒せない? 神様なのに? それってーー。


  もう少し神としての力を成長できれば癒せるようになるのですが。


 …………え? じゃあ、何? 自分は癒せないけど、魔法を使えるようにしておいたから自分で癒せるでしょ? って考えたってことですか?


  ……。


 …………神様自身は癒せないけど、僕が魔法を使えるようにしておいたから自分で癒せるでしょ? って考えたってことですか?


  2回も言わなくても。


 …………答えないからです。


  遠回りに言えば。


 …………ドストライクに聞いてるよ! 阿呆(アホ)かぁぁっ!


  莫迦だけじゃなく阿呆って言われた。神様なのに。


 …………この際関係あるか! こっちは腕が両方消えてるんです! 叫びたくもなる! おほん。


 いかん。このままだと逆鱗に触れるかも知れないな。冷静に冷静に、それでいて大胆に。一先ず表面的にでも落ち着こう。ふぅ〜〜。


 …………すみません。思わず言葉使いが荒くなってしまいました。それで両手は何とかならないのですか? 今は(・・)無理ってことは、どうにか癒せる方法があるってことですよね?


  はい。癒やしと言っても厳密には違うのですが。


 …………あるんですね。


 立場が逆転してる気もするけど、このままサヨナラなんてされた日には眼も当てれない。上手くおだててあわよくば、だな。


  順を追って話しますので聞いてくれますか?


 …………手短にお願いします。


  ありがとうございます。そもそもルイくんは向こうの世界で1度死んじゃいました。


 …………そこは認めます。あの当たり方で無傷だったら僕はスーパーマンだ。


 トラックに撥ねられて生還ってニュースになるよな。社長たちが生きてればきっと盛大に快気祝いと銘打って宴会を開いてくれるだろう。


  その死んだルイくんを異世界に連れて来るにはルイくん自身を連れて来る必要がありました。


 …………魂ってやつですか? あんまり信じてませんけど。


 とはいっても、ここはすでに僕の常識が通用しない異世界だ。考え方に違いがあるのは何処に居てもある事だろうから、こういうもんだと受け入れる余裕も要るか。


  ある意味で正解です。肉体は滅びてますからね。ただその肉体を動かしている生命力の塊を人に転生させる予定でしたのに、手違いで生霊(レイス)になってしまったという訳です。分かりやすい言葉で先程は魂といいましたが。


 …………何回聞いてもそこは気分の良い(くだり)ではないですね。


  つまり、ルイくんを生霊(レイス)に転生させるにはその前の存在があったからなんです。


 転移じゃなく転生(・・・・)なんだ。人間から違う生き物生まれ変わったという観点で言えば転生なんだろうね。ま、そこはいいか。問題はーー。


 …………その生命力の塊とやらを癒やすことが出来れば、僕の両腕も生えてくるという話ですか?


  はい。


 おお! あるじゃないか。希望の光が。


 …………じゃあ、直ぐ治してください。と言うか治せる神様呼んでください。


  無理です。


 …………え? じゃあこのままで居ろと!? 流石にそれは酷くないですか?


  生命力の塊は、ルイくんたちの言葉で言うところの魂という意味で良いと思いますが、それを回復させる為には神力(しんりょく)がかなり高い神でなければなりません。


 おいおい、この神様(ひと)言っちゃったよ。一番僕に聞かせちゃいけない言葉を。つまり自分にはその神力が低いってことを。こうなれば何がなんでも上の神? 上司を呼んでもらわなければ!?


 …………やっぱり神様では(らち)が明きません。(・・)の神様を呼んでください。その神力の高い高位の神様を。


  うっ。やっぱりそうなりますよね?


 …………そりゃそうでしょ。僕の今後が掛かってるんですから。


  ごめんなさい。わたしのコネクションではどうにも。だから神力が上がるまで待っててもらえませんか?


 …………待てるわけないでしょ!? 神様が僕の立場ったら待てるんですか?


  無理です。


 …………そりゃそうですよね。だったら僕も待てる訳がないとは考えないんですか?


  ごめんなさい。無理です。


 ダメだ、これじゃ堂々巡りで出口が見えてこない。何とか糸口を見つないと。


 …………はぁ。じゃあ、まずはこれからどうすべきを考えましょう。


  許してもらえるの!?


 …………誰が許すって言いました? 腕が治れば綺麗さっぱり忘れますが、このままだと流石にね。


  ゔっ。


 …………このまま平行線で言い合っても何も産まれないんだから、少しの間棚上げです。その前に出来ることの方に目を向けましょう。


  ルイくんは大人なのね。


 …………正直、パニックとショックとで(はらわた)は煮えくり返ってますけどね。上手く感情がコントロールできてないと言った方がいいのかな。


 沸点が低いくせに冷却が始まるポイントも低いというね。


  あわわわ。


 …………光も聖魔法も一筋縄ではいかないことはよく分かりましたが。レベルを上げれば耐えれるようになると思いますか?


  はぃ。その通りです。


 …………どう上げたらいいんです?


  その、言いにくいのですが。夕方から日没にかけての間に日光浴して慣らすのと、聖魔法を自分やほかの人に使い続けるしか方法はないのです。


 …………言いにくいという割には的確に教えてくださるんですね。


 要するに鍛錬が必要だということか。合気道を習ってた時も暇さえ見つけたら練習と鍛錬は欠かさなかったからな。身体を鍛えると思えば取り組み方も違ってくはず。


  でも、一度に沢山日光を浴びると消滅してしまいますので、そこだけは注意してくださいね?


 …………右手を見ればその怖さが身に()みます。


  ごめんなさい。


 でも、鍛錬をするにしても両手がないというのは不便だぞ? 足で食材を調理し、足で料理を食べるのか? それとも直に口を付けて動物食いの真似でもするのか? それは嫌だ。どうにかしたい。


 …………どうにか今ある魔法で吹き飛んだ腕を生やせることはできませんか?


  残念ですが。


 …………何も即答しなくてもいいじゃないですか。神様なんですよね? 頭付いてますよね?


  あ、あります!頭は!


 …………!? 頭は、ね。で、何のアイディアも浮かんでこないんですか?


  う〜ん、闇魔法を掛け続けてみるとか?


 言われて【ステータス】の闇魔法をタッチしてみる。


 …………あるのは【苦痛(ペイン)】だけですね。


  試しに掛けてみては?


 …………【苦痛(ペイン)】って、痛みですよね?


  そうですね。肉体的と言うより、精神を削る方ですけど。


 …………自虐的に使えと?


  いえいえ、ルイくんはアンデッドですから【苦痛(ペイン)】を掛けても痛くありませんよ? 肉体にダメージはなくてもMpは削れるかもしれないけど。


 …………そう言えばさっき言ってましたね。同じ属性だとダメージがないって。ん? 効果が全くないわけではないんですか?


  はい。効果を無効化出来るスキルは存在しますが、耐性ではそこまでの力はないです。


 …………じゃあそれください。


  ダメです。チート禁止ですから!


 …………そもそもなんでチートがダメなんですか? というかよくチートという言葉を知っていましたね?


  それは、わたしのへ。いえ何でも無いです!


 …………へ? ヘマ?


  な、何を、い、言ってるんですか!?


 …………じゃあ、チートがダメなら腕を治してください。


  うっ、時間をください。


 …………無理です。大体どれくらい待てば癒せるくらいの神力(しんりょく)が得られるんです?


  一万年くらい?


 …………聞くな! て言うか一万年!? そんなに長く待てる訳ないでしょ。


  ううっ。そんなに(いじ)らなくても。


 …………チートもダメ。腕も治せない。コネクションもない。神力(しんりょく)もまだ低い。頭を絞ってください。


  ルイくん、頭を絞ると色んな物が出てしまいます。


 …………知恵を絞れと言ってるんです。


  ううっ。ルイくんが怖い。


 …………いやいや、そうなったのは誰がヘマしたせいですか?


  わたしです。


 …………認めましたね。


  はっ!? 嵌められたぁぁぁぁぁぁっ!!?


 …………それはこっちのセリフだ! さぁ吐いてもらいましょうか。何故チートがダメなんです?


  ううっ。チートスキルの持ち出しは(わたし)が何をしたかを明らかにしないとダメなのです。


 …………そうしなかったのは、自分のヘマを隠して、なおかつ自分の動かせる範囲のスキルだけ僕に体良(ていよ)く付けて恩義を感じさせようとした?


  どうしてそんなに分かるんですか? ルイくんは神様ですか?


 …………神様はあんたでしょうに。


  ううっ。扱いが酷くなってきた。もう神様じゃなくあんた呼ばわり。


 …………はぁ、もういいです。【苦痛(ペイン)】を掛けてみれば良いんですね?


  そうなのです。流石ルイくん、よく覚えてましたね!


 結論を言うとこの神様(ヘタレ)は僕以上だったと言う事だ。これ以上追求しても何も出ないのが何となく分かってしまった僕は自分の左腕に向けて【苦痛(ペイン)】を掛けてみる。痛みはない、というかなんとなく気持ち良い?


 いやいや、断じて桃色の世界に目覚めたわけではない!マッサージを受けているような感覚といえば解るだろうか? 痛いけど気持ちいいというあの感覚。


 この感覚を頼りに十数回【苦痛(ペイン)】を掛け続けてみる。みるみるMpが減っていくが【苦痛(ペイン)】1回の消費用は20Mpのようで、お得感がある。とはいっても魔法の効果でMpも合わせて削られてるんだけど、何かを(つか)みそうな気がーー。


 ぴこん♪


 …………ん? なんだこれ?


  え!?

 

 音と同時に頭の上に光り輝く輪が現れて、一瞬で消えていった。


  ええええええええええええっ!!! ルイくん、今何したんですか!?


 …………え、あの、【苦痛(ペイン)】を掛け続けてたら、変な感覚というか感触が出て来たんです。それを解消すればどうすればいいかな? って色々試しててたら天使の輪が出たみたいです。


  あの、ルイくんはそのサインの意味をご存知なのですか?


 …………いえ、さっき来たばかりなのに知ってるはずないじゃないですか~♪


  そうよね~♪ あははははは。


 …………あははははは。


  って、待ちなさい!! 知らないのにできたってどういう事!? ルイくんは天才なの!? それとも神様!?


 …………神様はヘマを隠そうとしている貴女(あなた)では?


  うっ。ぐすっ


 …………あれ? 闇魔法の欄にもう一つ魔法がある。


  それですっ!!!


 …………へ?


  この世界に新しい魔法やスキルが現れる時、さっきの光輪が現れるのです。


 …………へぇ~~。凄い事なんでしょうね?


  凄いもなにも、あの光輪は“布告の光輪(プロクラメイション)”と言ってこの世界に定着させたというサインなのですよ? 勿論、天界の神々にも伝わります。


 …………ヘマがバレちゃいますね?


  いやぁぁぁぁぁぁ!!!!


 …………気を落とさないでください。新しい何かが確認できるなら帳消しになるのでは?


  はっ!? そうです! その通りです!! 早く教えてください!!!


 …………【静穏(ペインレス)】、闇魔法の回復魔法みたいですね。


  闇魔法の回復魔法!? そんな、ありえない。何千年もそんな魔法現れた事なかったのに。これ下手をすると世界のパワーバランスが崩れちゃうくらい大変な発見かも知れないですよ!?


 …………そんな大袈裟(おおげさ)な。


  いえ、今まで闇属性の生物だけでなく闇属性を少しでも持つ魔物には回復魔法がなかったのですよ!? 聖魔法や光魔法の回復は致命傷になるので怪我をしても治せなかったのです。それがこの魔法があれば。ルイくん!!


 …………はい!


  この魔法は貴方だけのユニーク魔法ということで誰にも教えないで頂けますか? 世界に定着したので遅かれ早かれ誰かが気づくかもしれませんが、一先ずは流布するのを食い止めたいのです。


 …………僕が個人的に使うのは?


  それは構いません。他の人に教えないということだけ守って頂ければ。


 …………そうする事で僕になにかメリットが?


  闇の勢力からの執拗な勧誘合戦の標的にならなくて済みます。


 …………静かにしておきます。


  人間たちの高額賞金首筆頭になって追い掛け回されなくて済みます。


 …………他人には教えません。

 

  では、早速効果を見せていただけますか?


 …………分かりました。『闇に息衝く者たちに慰めを。静穏(ペインレス)


  おお。凄いです! まさかここまでとは。


 神様が言うように右手も左腕の肘から先も完璧に復元していた。勿論Mpがごっそり持って行かれたけど。


 …………治った♪


  それで消費Mpはどのくらいですか?


 …………200は消えました。燃費の悪い回復魔法のようですが、無いよりはましですね。


 「まし」なんてレベルじゃないのは百も承知だ。ただ、今まで散々煮え湯を飲まされてきたことを思えばこれくらい皮肉を混ぜても良いだろ。正直ほっとした。両手をぐっぱぐっぱとしながら手の感触を確かめながら問に答えておく。治った! 夢じゃない! というか異世界に居る時点で夢の中かと思っちゃうんだけどな。


  闇魔法のLv1でMp消費が200って、誰も使えません。ルイくんだからですね。普通ならHpもMpも桁が一つ少ないんですから。


 …………え、じゃあこれもプレゼントなんですか?


  そうです。と言いたいところですが、違います。向こうの世界でのルイくんの能力がそれだけ秀でていたという証拠です。


 …………そうなんだ。特に何かをしてた訳じゃないんだけどな。


  あ~こんなに有望なルイくんを転生できなかったって不覚だわ。


 …………僕も諦めて現状に慣れるようにしますので、神様もお気を落とさず。


  ありがとう。ぐすっ


 …………あと、何か伝え忘れてることありませんか? あ、言葉とかは?


  そこは大丈夫です。ステータスには出ていませんが自動翻訳されるようになってます。それは最低限の備えですね。ただ、文字は覚えないと書けないと思いますので、そこはごめんなさい。


 …………はい。分かりました。


  スキルのことですが、チート防止のためにステータスに載っている以上に覚えられないようにしています。ルイくんの今の所業を見ると絶対覚えられません! と言い切れなくなりましたが、そのつもりで居てください。


 …………のんびりレベル上げ頑張ります。


  では、これで異世界(こちら)の案内は以上です! 不便な思いをさせてしまい申し訳ありませんが、願わくば異世界ライフを満喫してくださいね♪

                      かしこ     


 …………御心遣いにかんしゃします。なんで書き方が日本式なんだろ?


  追伸:その方が面白いかな? と思ったのです。


 …………いやいや、わざわざ答えずにさっさと報告に行ってください!


  ふふふ♪ ルイくん優しいですね。それではまた御逢いするまで元気でいてくださいね♪


 …………逢う気でいるんだ。


 ポツリとつぶやいて僕はメッセージボックスを閉じた。


 また読み返して見る必要もあるだろうけど、現状は今の状況に慣れる事と死なないための努力をすることが最優先だ。やるべきことは山ほどある。どうやら異世界に居るというのも本当みたいだしな。モンスター? 魔物? まだ見えないけど安全面も考えないといけないし。あ、死んでるから取り敢えずは時間は気にしなくても良いな。太陽の光だけ気を付ければ問題ないか。


 それにしてもさっきの騒ぎでは耐性や魔法のレベルは上がらなかったから、コツコツを積み重ねていくしかなさそうだなぁ。煩わしい人間関係もない。マイペースでできる。最高だな。調べてみたいこともあるし。まぁ、コツコツは嫌いじゃない。折角異世界に来たんだ、楽しまなきゃ損だな!


 薄暗い森の中を一陣の風が吹き抜けていく。さわさわと葉が擦れる音が耳に届くが風が当たる感触はない。これが生霊(レイス)という存在なんだな。


 まずは、出来る事と出来ない事、やっていい事とダメな事を見つけないとね。誰に聞かせる訳でもなく、心の呟きが声になる。


 こうして僕の異世界ライフは始まったのだったーーーー。






 




最後まで読んで下さりありがとうございました。

序章的な括りになる感じはここまでです。次から第一部♪


誤字脱字をご指摘ください。


引き続きご意見やご感想を頂けると嬉しいです。


宜しくお願い致します♪


2016/2/3:鑑定スキルをパッシブからアクティブに訂正しました。

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