⑩
2度目の選択肢です。あなたならどう返しますか?
次の日。
私は、学校から帰ってきて、私服に着替えた後、宿題を済ませ、夕食の準備を手伝っていた。
「じゃぁ、これ。お願いね。」
そう言ってお母さんは、玉ねぎ、人参、じゃがいもを渡して来た。
「うん。」
初めて握る包丁は、何故か懐かしいような感じがした。そして、じゃがいもと人参の皮を向いていった。頭で覚えてはいなくても、体が覚えて居るかのように、スラスラと出来た。
「上手いっ、あたしより上手いわ。」
「そんなことないって。母さんの作る料理はいつも美味しいもの。」
「お世辞でも嬉しい。梨那子は本当に優しい子ね。」
頭を撫でながら、そう言ってくれた。私は、笑いながら、お母さんの顔を見ていた。
「じゃぁ、この続き頑張れ。」
微笑みながらそう言うと、母さんはサラダ作りを始めた。
その次の日もずっと、ご飯を作るのを手伝っていた。
お小遣いは順調に溜まってゆき、ちゃんとは数えてないけれど、千円まで溜まった。猫の貯金箱が満タンになったので、新しいのを買ってもらった。今流行って居るのは、ふしぎ遊戯や幽遊白書。セーラームーンなど。私は、セーラームーンの中のジュピターの貯金箱を買ってもらった。
そんなある日、母さんが、病に倒れた。
「かぁさん。」
泣きじゃくりながら、母さんの手を握って居ると、父さんがこう言っていた。
「母さんは大丈夫。梨那子、猛君が心配するから、今日はうちに戻ろう。・・・・な?」
私は、頷くと、父さんにおんぶされながら家にもどった。家につく頃には、私は泣き疲れていたのか、寝ていた。その日の夜だった。母さんが亡くなったのは。
手術も手遅れだったらしい。あちらこちらに癌が転移していたらしいと、お父さんにあとから聞かされた。
「分かった、そう言う事ならいてやってもいい。」
あなたなら何て返す?
1、このサディスト
2、すぐそうやって調子に乗るんだから
3、・・・お願いします。
決まりましたか?
では、第十二部、第十三部、第十四部へと移動してください。