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①
「梨那子っ。」
私の友人である、優菜と愛梨が待ち合わせした『ジュエリー』と言う店に、時間通りに現れた。
「ごめんねー、二人とも忙しいのに。」
「ううん。でっ、今日はどうしたの?」
「それが・・・。」
最近あった事を全て話した。
まず、見ず知らずの男の人が、私の許嫁だって現れたこと。
それから、アイドルのARATAの担当になった事。
話す事約1時間。
やっと話終え、私はスッキリした。
「でっ、あんたは誰の手を取るの?」
そう、問題はそこっ。
今まで仕事一筋って感じで生きてきた私にとって、誰かの手を取れって言われて、はい、そうですか。なんて出来るわけない。
「まぁ、梨那子は、仕事一筋だもんねー。恋愛に関しては鈍感って感じだし。」
流石優菜っ。私の事わかってるー。
持つべきものは、親友と仕事だなー。
なぁんて、そんなこと言ってる場合じゃ無いんだった。
「優菜は、甘いよ。だからこそ、梨那子は恋愛を体験させなくちゃっ。わかってる?梨那子。」
「うん、わかってるけど・・・。」
流石愛梨。
迫力が、半端ない。
「んで、誰の手を取るの?」