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<R15>15歳未満の方は移動してください。

ありえない‼

作者: 結城 千砂

R15は、念のためです。

「はい? 佑都くん。ーー今、なんて仰いました?」



幼馴染である佑都が、おかしなことを口にした。

私は、彼が頭をどこかにぶつけたのかと心配になりました。


えっ、私自体は、平常ですよ? おかしいのはーー彼の方です。


***



一応年上なんですよね〜これが。1歳だけだけど……。


見た目は、まぁ……かっこいいと思う。茶髪で、どちらかというと女顏かな? 紀子さんに似たんだと思う。


性格も温厚で気が利く、優等生。


私に対しても優しい人でお兄ちゃんのようだった。私も佑都も一人っ子だけど。

(あっ、紀子さんっていうのは、佑都のお母さんね)


結構、モテていたみたい。

そりゃ〜こんな優良物件は、そうそう転がってないからね〜。

モテるのも分かる。


しかしーー私には全然、関係なかったので気にもしなかった。


ーーだって、ほら……学校も違っていれば、そうなるでしょ? 普通。


それに最近は、会う機会もめっきり減ったのも会ったからね〜。

年が違うのもある。

小学生と中学生って、遊ばなくなるでしょ?

まさに、私たちはそれだった。



佑都は、頭が良くて進学校に進んでいたし、かたや私は、地元の高校に進んだ。

それなりの成績を維持してね。普通よ、普通。


現在、高校2年の私には、今が一番楽しい時期なのだ。花盛り!



しかし、それを壊すようなことをいうなよーー! 幼なじみよ‼



***


季節はーー春。と言っても、もう時期夏になりかけの。

あと少しで、梅雨の時期に入りそうな日。



久しぶりに、佑都が我が家を訪ねてきたのだ。私は、家に招いたんだ。


この時、家には誰もいなかった。


父は仕事、母は、ご近所さんとお茶をしに出かけていたから。


珍しいな〜。どうしたんだろう? 何か、あったんだろうか?

ただ、それだけ思っていた。


私がお茶を入れている時、佑都は口を開いた。

「聞きましたか? あの事……」


あの事?

私は、さっぱりわからなかった。


「あの事? 何のことを言っているの?」

「あれ? 聞いてなかったんですか?」

彼は、首を傾げた。



「何なのよ」

私は、早く要件を言わない、彼に少しイラついた。


「結婚のことですよ」

結婚?



「誰が?」

居たっけ? 近くに 結婚しそうな人……。


「俺と貴方が」

はっ?



「はい? 佑都くん。もう一回言って。

今、なんて仰いました?」


「えっ? ですから……俺と愛理が結婚するようですよ」

私は、言葉を失った。


この人には、驚かされる……。



私はと云うと、パニックに陥りました。

「結婚するって⁈」

私と彼が⁉


「な、なんで⁇!」


て言うか、私そんな話聞いてないし……了承してないって!

いつの間にそんな話が⁉


しかも……なぜ、そんなに平然として言えるんだよーー‼


「愛理。全部言ってますよ」

「なっ⁉」

気づいてなかった、心で思っていたことを全て話して居た事に……。指摘されて始めて気付いた。

私は、顏が真っ赤になった。


「なんでって、言われましてもねぇ……」

おいおい!


この人は、私と結婚してもいいって言うのか?

本人の意志も聞かないで、勝手に決められて……。


「言い出したのは誰? 私のお母さん、お父さん? どっち?」


くっ……分かったからには、締め上げるからね。


私の両親は、よく突拍子もないことを言い出すから、そうだろうと踏んで居た。


「言い出したのは、俺の父です」

圭輔さん?


どうして⁇


私は、疑問に思い、佑都に問いただした。


「いつから知ってた?」

「去年の今頃でしょうか?」

そんなに前から⁈


「なぜ、私に言わなかった?」

言えってのーー!


「言ったって無駄ですよ。どちらの両親も俺たちをくっつけようとしていましたからね」


私は、全然気づかなかった。

両親は、そんな様子全くもって見せなかったから。


この人は、私を馬鹿にしてるんじゃないか?

おかしい親たちだよ。

「佑都。あなたは、それでいいの? 親の言う事を聞いて」


「別に害はないですから。それに……してるくらいですから」

「? 」


最後の方は、小声で言ったため、何を言っているのか聞こえなかった。


でも、彼が私に向かって、優しい微笑みを浮かべたので本人が乗り気だと感じた。


佑都は、いいって言っているみたいだ……。

ーーという事は、私次第ってか?


そして、私は一つ彼に質問をした。一番大切なこと。

背中に冷や汗をかきながら……。


「ーーーーもしかして、婚姻届とかにもサインした?」

「しましたよ」

あっさりーー⁉


いやいや、ちょっと! 展開が速すぎる。確かに、彼はもう18歳になっているけどね。どう考えても早すぎる……。


だって 私たち、まだ高校生だよ⁉


「もう貴方のサインと印鑑を貰えば、直ぐに届けを出せるはずです」

なんですとーー‼!


ダメだ……頭が痛くなる問題だ。

これは、即刻家族会議を開かないといけない。

早く帰ってこい、両親よ。




佑都は、私の顏をじっーーと見ながら、思い出したように私に尋ねた。


「そうそう、愛理。

貴方、昨日……何か甘い飲み物を飲まされませんでしたか?」


へ? 甘い飲み物?

それには、私も覚えがあった。


「昨日……確かに、マンゴーのジュースなら飲んだけど?」

両親に進められて、美味しいからって。


「寝ませんでしたか?」

なぜ知っているんだよ、君は。


「寝たよ?」

彼は私のその言葉を聞き、何か確信を持ったらしい。


ーーいや〜な予感。


「やっぱりだ、愛理。貴方は多分、もうサインしてますよ」

「はい?」

どういう事?


「貴方は、小さい頃から無意識に起きたりするんです。

多分、ご両親はそれを利用してサインさせましたね」

よく覚えていたね〜佑都くん。昔のことなのに〜。


って私! そんなの考えている場合か⁉


私の両親のことだ。届けを出しているかもしれない。


「もしかして、もしかすると……私たちもう結婚してるの?」

佑都は、静かに頷いた。

ーーそれは、肯定を意味していた。


悪い予感は的中。


「ええぇーー‼?」

私は、思わず絶叫してしまった。


ーー近所迷惑になるのも気にせずに。

マジで?

おかしいよーー‼




「まぁ……俺としては、愛理が手に入ったことですし、いいでしょう」


彼が、 聞き捨てにならないこと言っている気がしたがーーそれどころではない。


彼は、納得しているけど……私は納得してないからね!


「よくないだろう!」

私は、突っ込んだ。


「俺では不満ですか? 愛理」

悲しげに私を、見る佑都。ちょっぴり、可哀想に思えた私は、言った。


「いや……別に、佑都に不満があるわけじゃないけど……」

「そうですか。ーーなら、もういいですよね」

「はっ?」


彼は、嬉しそうに微笑み、返事をしてない

私を抱きしめたのだ。思いっきり強く。


「これからは夫婦です。今までよりも仲良くしましょう?」

「ゆ、佑都……?」


あぁぁーー‼


ーーーー私は、彼の中のスイッチを押してしまったのかもしれない。


この後ーー私がどうなったかというと、それはーーーー秘密。


……いいたくないんだ。察してくれ!




いつの間にか結婚していた自分にショックを受けつつ、自分の間抜けさを罵った。



『 わ、私のバカーー‼』

愛理が飲んだのはーーお・さ・け♪


未成年が飲酒しちゃ、駄目ですよ〜。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヤバいです。良い意味でヤバいです。面白いです! ああ、佑都がツボすぎます。彼に対する主人公の冴えわたるツッコミも良いですね! 彼らを結婚させた両親にグッジョブ! と親指を立てて讃えたいで…
2013/05/31 17:51 退会済み
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