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5.蘇芳さんと親友の男同士の話

短いです~

 蘇芳さんは、専務と一緒に取引先を訪問し、そのまま帰ることになりました。会社の紫さんにも連絡を入れます。


「ええ、その件は明日に。……紫さんもお疲れ様、気をつけて帰ってください」


 電話する横で、専務がにやにやしています。


「…なに、その顔」


「いや~、庇護者が代わるのも近いかなぁと」


「人のことより自分はどうなんだよ?拓也」


 蘇芳さんは、専務のことを名前で呼びました。専務とは、中学からの親友なのです。ちょくちょく遊びに行くうちに、同じく遊びに来ていた紫さんと出会ったわけなのです。

 ちなみに、拓也さんのうちで預かったお嬢さんも、現在拓也さんの部下になっています。もうひとりの「姫」です。


「俺のことはいいんだよ。どうせ許婚いいなずけだし」


「綾乃姫は知らないんだろ? そんな事言ってると、誰かにとられるぞ」


「うるせー」


 そっぽを向いた拓也さんに、お前はこどもかと、心の中で突っ込んだ蘇芳さんでした。



 二人は、そのまま飲みにいくことになりました。行きつけのバーです。ここは、お酒もさることながら、お食事もおいしいのでした。しばらく、仕事や友人の話に花が咲きました。お腹もいっぱいになり、お酒も進み、ほろ酔いになってきました。


「あ~、話は戻るけどさ~、紫姫のこと、どうすんの? 父さんがまだかって気にしてたぞ」


「ん。そろそろおじさんと話そうと思ってたんだ。近く連絡するよ」


「お~、言っとくわ。しかしお前が動くんなら、俺も考えないとな~」


 拓也さんは頭をガシガシかきながら、うなっています。こういうところは中学の頃から変わらないよなぁと蘇芳さんは、苦笑しました。



 拓也さんと別れ、家までのタクシーの中で、蘇芳さんは考えます。

 この前、紫さんが友人達との食事会でいなかった金曜日の夕食の席で、蘇芳さんは紫さんの両親にある申し出をしたのです。紫さんに結婚を前提としたお付き合いを申し込みたいが、いいだろうかと。

 お父さんは、お母さんと顔を見合わせ笑顔でうなづいてくれました。今までの仕事のどんなときよりも緊張していた蘇芳さんは、思わずほうと息をつき、頭をさげたのでした。


 両親は歓迎してくれてるし、庇護者の社長もオーケー。あとは紫さんだけです。側にいて、紫さんの恋愛に関する鈍さを知っているだけに、蘇芳さんは考え込みます。


結局、その晩は眠れなかった蘇芳さんでした。

 

 

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