16.紫さんと蘇芳さんと結婚準備
結婚準備って大変なんですよ。ホント。
結婚が決まってから、紫さんと蘇芳さんのお出かけ(デート)=結婚準備になってしまいました。結婚式っていろいろ決めなくてはならないのです。大変です。
まず式場。希望するところでも日時が合わなければ、取れません。紫さんと蘇芳さんは運よく第一希望のホテルが予約できました。ここからは、式場の人から示されたスケジュールにしたがって、いろいろと決めていくわけです。食事に飲み物、衣装に引き出物などなど。
中でも衣装選びは大変です。男性は3パターンくらいから選べばいいのですぐに決まりますが、女性は、種類がありすぎてなかなか決まりません。紫さんも最初に蘇芳さんと来ただけでは決められず、後日お母さんと選びなおしにきました。
「ねぇ、お母さん、これは〜?」
「それはダメよ。似合わないわ。これはどうかしら」
と、式場の人も巻き込んで、ドレスにダイビング(試着のこと・本当に輪になったドレスの真ん中に飛び込みます)を繰り返します。紫さんは途中から、どのドレスも同じに見えてきたほどです。やっと決まったら、式当日に予約が入っていないか確認です。先約があったらまた一から選び直し。体力的にも精神的にも疲れます。ドレスに比べて色内掛けは、あっさりと決まりました。紫さんが一目ぼれした内掛けが、お母さんも式場の人も一押しだったからです。
衣装が決まったら、それにあわせたブーケ、会場の花と決めていきます。ブライダルフェアのときに「皆さん、比べて悩まれるんですが、実際はその会場しか見ませんから」と式場の人に言われていた紫さんは、サンプル写真でさっさと決めて驚かれました。皆さん、相当こだわってアレンジされるとか。紫さんは、意外と男前なのです。
そのことを情報交換していたかおるさんに話したら、わたしすんごい悩んだ…といわれて紫さんはちょっと自分はおかしいのかとブルーになったのですが、蘇芳さんに「紫さんはそれでいいんです」と言われて、立ち直ったのでした。
さて、最大に頭を悩ますのが、招待状です。紫さんは親戚分をお父さんとお母さんに丸投げしましたが、蘇芳さんはご両親がいないので、そうは行きません。お姉さんや伯父さんに相談に乗ってもらっていますが、大変そうです。紫さんは手伝えないのがもどかしくなります。今の紫さんに出来るのは、お茶をいれてあげることだけです。
蘇芳さんがほっとできる家にしようと、このとき紫さんは思ったのでした。
結婚式の準備と共に新居の準備もしなくてはなりません。幸い、蘇芳さんのマンションは家族向きの3LDKです。家具家電も一通りそろっているので、こちらはそう大変ではありませんでした。食器などはお祝いでいただくことになっています。
結局ベッドと整理ダンスを買うだけですんだと蘇芳さんは思っていましたが、その後紫さんにインテリアコーナーに連れて行かれ、クッションやラグなど、両手いっぱいのお買い物をすることになるのでした。こまごましたお買い物は、式直前まで続きました。
引き出物もかおるさんとかぶらないように決まり、ハワイへの新婚旅行も手配済み。仕事も区切りのいいところです。紫さんはブライダルエステにも通って、お肌の調子もばっちり。
式の前日の金曜日、定時に仕事を終えた蘇芳さんと紫さんは、いつものように二人で紫さんの家に帰ります。すれ違う社員皆が祝福してくれます。蘇芳さんも紫さんも幸せオーラ出しまくりです。
さあ、明日は結婚式!
次回最終話です。




