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紫陽花の隣で

作者: 音藤かめ

紫陽花の季節に

あなたと出会った


じっと

一つの紫陽花を見ていたあなた


悲しそうな

とても綺麗なその横顔に

見惚れていた


僕は意を決して話しかけた


一緒に住んでいた犬が

虹の橋を渡ったのだと教えてくれた


犬の写真を見せてもらった

思い出話を聞かせてもらった

気づいたら笑顔になっていた


そして紫陽花の季節

僕らは毎日会った


他愛もない話で笑い合った

真剣な話で考え合った

ただ紫陽花を眺め合った


僕らは確かに隣にいた


そして紫陽花の季節が終わり

僕らは会わなくなった


たった紫陽花の季節

僕らは紫陽花のそばにいた

僕らは紫陽花と幸せだった

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― 新着の感想 ―
冒頭の描写からとても印象的です。ふとした出会いから、他愛もない話、真剣な話。夏を迎え、その移り変わりとともに時に淡く、時に色濃く、彩りを変化させていく紫陽花と、二人の季節が心に残りました。 切なくも…
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